こんにちは。ライター塾8期生の長谷川栞です。
季節はすっかり初夏となり、木々の緑が眩しい今日この頃。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
前回は「私が楽しい就活」を実践する中で 、iichiという会社に出会い
採用に至るまでを書きました。
今回のテーマは「iichiのお仕事」です。
鎌倉、海の見える街で一人暮らし。
仕事は、手仕事のプラットホームサービスのデザイナー。
な〜んて書いてみると、なんだか良さげ。
おしゃれで、ゆったりスローライフな雰囲気が漂います。
でも、実際は目が回るほど!!!大忙しの日々だったのです…笑
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春夏秋冬、自然の美しさが溢れるような鎌倉の街。
初めての一人暮らしは忙しかったけど、本当に楽しかったです。
ひよっこ社員の一日
毎朝、私が最初にとりかかるのはカスタマーサポート業務、つまりはお問合せメールへの返信でした。
え?デザイナーなのにメールの返信…?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
当時iichiは、私を含めて7人の社員で月間100万ビューを超えるサイトを運営していました。
そのため、全員がさまざまな役割を兼任して仕事をしていたのです。
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通勤は江ノ電。毎朝変わる海の表情に癒されました。
iichiは、プラットフォーム型のサービスなので
ハンドメイド作品を購入したいお客さん、自分の作品を販売したい作家さん
それぞれがiichiに登録をした上で、サイトの機能や決済システムを使って作品を売買します。
つまり、iichiにとってはどちらもサービスを利用してくれるお客様。
その双方から、毎日たくさんのお問い合わせメールが届きます。
その方々が、iichiを利用する中でどんなことに困っているのか?を理解し
問題が解決するまで真摯に向き合います。
心がけていたのは、「困ったらここにメールすればいいんだ!」と
安心してもらえるように、丁寧にお返事を書くこと。
これは 前回書いた年賀状合宿の時の
「ネットのサービスだからこそ、リアルにつながっているという感覚を大事にしたい」
という社長の言葉に学んだことでもあります。
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仕事をしながら、素敵な作品に出会えるのがスタッフの特権!
iichiで購入した作品を今も大事に使っています。
メールの返信がひと段落したら、お問合せ内容を振り返り
「これはシステムで改善できる!」というポイントを改善チームに共有します。
例えば「出品ページの使い方がわからない」というメールが多いなと思ったら
わかりやすく解説した「使い方ガイド」を出品ページ内に表示する…など。
小さなことでも日々改善を積み重ねていくと、少しずつメールが減っていきます。
毎日膨大な量のメールに返信をする仕事は、かなり気力のいるものでしたが
「iichiがどんどん使いやすくなっている!」という実感が、大きなモチベーションになりました。
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鎌倉には、美味しいお店や素敵な場所がいっぱい!
休憩時間に少し散歩するだけでリフレッシュになりました。
ここまでの仕事が終わったら(常に新着のお問合せメールに対応しつつ)
ようやくデザイン業務に着手。
サイトのデザインはもちろん、バナーや新聞広告なども制作しました。
特に私が好きだったのは、コンテンツページのデザインです。
暮らしの場面や季節など、様々な切り口で編集したコンテンツを作り
たくさんの作品が並ぶiichiの中で、素敵な作品が埋もれてしまわないように
そして お客様が楽しくお買い物をできるように、企画やデザインを考えます。
そのためには、毎日 新着作品を全てチェックするなど
常にアップデートされるiichiの中を把握することも仕事のひとつでした。
ここまでで大体18時。
普通なら業務終了ですが…なんと、ここから第2ステージが始まるのです。
クリエイティブチームの仕事
iichiでは、作品を手に取って購入できるリアルイベントや
雑誌やセレクトショップなどと連動して作品を紹介する企画など
iichiサイトの外でも、作家さんとお客様がつながる場を作っていました。
それらの仕事は、社長・私・敏腕営業マンN氏から成る「クリエイティブチーム」の担当でした。
N氏があちこち飛び回り、どんどん新しい企画を持ち帰ってきます。
社長がアートディレクターとなり、私はデザインを担当。
企画が立ち上がると、ほぼ毎日3人で会社に残って仕事をしていました。
コンセプトが決まったら、それをもとにタイトルロゴやメインビジュアルなど
企画の世界観をデザインします。
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シェア工房Maker’s BASEと共同で企画したイベントのメインビジュアル。
「100種類のものづくりが体験できる」というコンセプトを、ものづくりの道具や素材を
イラストで描いて構成することで表現したデザイン。
メインビジュアルが確定したら、今度はそれを
DMや広告、iichiサイト内の特設ページなど、様々な形のデザインに落とし込みます。
小さな紙ものからWEBページのデザインまで、幅広く経験させてもらいました。
お問合せ対応時間外となった18時以降は、私もグッと集中して取り組むことができます。
この時間が、楽しくて楽しくて…!
百貨店でのイベントやファッション雑誌とのタイアップ企画など
新人デザイナーの私にとっては、夢のような仕事ばかり。
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百貨店のイベントは、毎回コンセプト設計から携わらせていただき
イベントのタイトルロゴや、グラフィックデザインなどを担当しました。
外部の優秀なデザイナーさんに仕事を依頼することもできたと思いますが
社長は「iichiのデザイナーは栞だから」と新人の私にデザインを任せてくれました。
毎回ギリギリのスケジュールで仕事をぶっ込んでくるN氏(笑)は
「栞さんなら良いの作るでしょ!」と鼓舞してくれました。
このチームの仕事で、デザイナーとしてはかなり鍛えられたと思います。
結局、私はデザイナーを辞めてしまったけれど、二人には今でも感謝の気持ちが尽きません。
作家活動の始まり
入社して半年が過ぎたある日。ディレクターのSさんに、会議室に呼び出されました。
なんだろう?と思いながら席に着くと…
(Sさん)「栞の卒制のひよこってまだあるのかな?」
(私)「実家の押し入れにありますけど…?」
(Sさん)「よし!それiichiで売っちゃお!栞作家デビューしちゃお!」
という、軽〜いノリで始まった「ひよこや作家プロジェクト」。
それは、私が一人の作家としてiichiを実際に利用してみて
サイトの機能の使いにくいところ、説明の分かりにくいところなどを
改善チームにフィードバックするというもの。
今までも、テストアカウントで動作確認をすることはできたものの
実際の取引は本物の作家でないとできない…というのが、改善チームの悩みでした。
そんな時、作品を作ることができる私が入社してきて「これを利用しない手はない!」と思ったのだそう。笑
(Sさん)「…というわけで、栞さんお願いします〜!」
(私)「いいですけど…(ひよこ、売れるかなぁ〜。。。)」
こうして、業務のひとつとして私はひよこやを復活させることになりました。
当時は陶芸窯もなかったので、大学の時に作ったひよこを出品することから始めました。
正直、ひよこの対価としてお金をいただくという発想は全くなかったですし
毎日iichiに出品される数々の素晴らしい作品を見てきたこともあり
「私が作ったひよこなんて…売れるのだろうか…」とかなり不安でした。
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最初に出品したひよこ。今よりだいぶ歪な仕上がり…笑
出品して2週間後…なんと!ひよこが売れたのです!
業務中、小さなiichiオフィスに
「栞!ひよこが売れてる!!!!」
という社長の声が響き渡った時のことは今でも忘れません。笑
え〜!本当に売れた!!という驚きと、嬉しさ。
そして「私も、作家になれる…かも?」という不思議な感覚。
この淡い喜びがひよこが売れるたびにどんどんと色濃くなって、自信になっていきました。
iichiを利用してくれてる作家さんも、きっと同じような気持ちを経験されていたのだと思います。
次はもっといいものを作ろう!
写真の取り方を研究してみよう!
文章はどうする?
ギフトラッピングを始めてみよう!
…と、創作意欲がどんどん湧いて、私は作家活動に夢中になりました。
そうしているうちに、ひとつ、またひとつとひよこが売れていったのです。
ひよこが売れるのは嬉しいし、試行錯誤しながらの作家活動は楽しい!
そして、気づきを共有するとiichiのためにもなる。
いつしか「ひよこや」は、私の大切なライフワークになっていました。
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私の試行錯誤は、現在も続いています。新作を形にしていく時間が一番の楽しみです。
なんでもやってみる
カスタマーサポートからコンテンツ制作、イベントでの接客、デザインに作家活動まで。
iichiでは、本当に色々な仕事を経験させてもらいました。
当時の私には、なんのスキルも知識もなくて(おまけに生意気で…)
たくさん失敗しましたし、先輩に迷惑をかけてしまったこともありました。
いつも丁寧に根気強く、多くのことを教えてくださったiichiメンバーに感謝しています。
そして、こうして書かせていただいて改めて
iichiの多種多様な仕事の全てが、ひよこやの活動の礎になっていると感じました。
もし、別の会社に就職してデザインだけをやっていたら…今の私はいないと思います。
肩書きにこだわらず「とりあえずやってみよう!」と取り組んできてよかった〜
20代の私、頑張ってくれてありがとう〜!とハグしたい気持ちになりました。笑
次回は…
毎日が楽しくて、順風満帆に思えたiichiでのお仕事。
ところが…ある日を境に、私は挫折と苦悩の日々へ突入していくことになります。
さて、どうなるのでしょう?次回もどうぞ、お楽しみに。
つづく
長谷川栞さんのHP「陶ノ鳥ひよこや」はこちら。