母娘ふたりロードトリップ9 「保育園に入れなきゃいけない」を手放した先で出会えたもの

こんにちは。フォトグラファーの清水美由紀です。

運転が苦手な私が、思い切ってチャレンジした、松本から愛媛を目指す母娘ふたりロードトリップ。
当時娘は2歳。イヤイヤ期が落ち着いて「今だったら行けるかも?」というタイミングでの旅でした。

その頃理想としていたライフスタイルを叶えるために、「思いついたことをやってみる」を繰り返し、今振り返ってみれば、あの時の自分の行動のおかげで今があるなあと感じることがたくさんあります。

前回のお話では、「仕事」に対する固定観念の変化について書きました。
今回は、娘をどう育てるか、ということについてのお話です。

当時私は東京に住んでいて、娘の保育園問題に直面していました。
私の住んでいた世田谷区は待機児童も多く、いくつかの保育園を見学に行ったものの、ピンとくる保育園に出会えずにいました。
立地や環境、雰囲気、保育理念…そういったものはもちろんのこと、旅が多く仕事のスケジュールも固定でない私のライフスタイルには、(月)〜(金)9時〜17時の保育園では、どうやっても合わないということにも気付き始め、「ひとつの保育園に入れなきゃいけない」という固定観念を手放そう、そんな風に決意したのもちょうどこのくらいの時期です。

母娘ふたりロードトリップは愛媛県西予市に到着し、友人の家に1週間ほどお世話になることにしました。

友人夫婦は、西予市で「森のようちえんヒュッテ」を運営しています。
活動日もそうでない日も、行き先は決まって自然の中。
この滞在中は愛媛県で滅多にない大雪が降りました。
雪の積もった道を歩いたり、歴史的建造物でお弁当を食べたり、森の中をお散歩したり…。

中でも忘れられないのが、森の中をお散歩したこと。
雪を踏みしめ、木々を見上げると、高い高い針葉樹のもっと上から降り注ぐ雪の美しいこと!
松本で生まれ育った私でしたが、盆地暮らしで、森は縁のない場所。自分自身の呼吸が深く深くなっていくのを感じるとともに、一瞬一瞬移り変わっていく自然の美しさに目を奪われて、心が高揚し、自分が自然に対して人に対して開いていき、それは、自然と一体化していくような感覚でした。
こんな風に幼少期を過ごすことができる「森のようちえん」という場所が全国にある、頭では知っていたことでしたが、体験を通して私の視点はくるっと別の方向へ開かれて行ったのでした。

後日談ですが、体験したことでアンテナが立っていたのか、何も検索などはしていないのに、偶然、長野県内の自然保育に巡り合いました。
東京在住ながら娘は、年少さんから森の中の保育園に月の数日間〜1週間程度、お世話になることができ、年長さんの時には私たちも本格的に松本に腰を据えたため、毎日を森の中で過ごすことができました。この保育園での出会いは、かけがえのないものになりました。
これも、自分の心にフィットする暮らしを選択することを大切にしてきたおかげかなあと、振り返って感じています。

 

 

 

 

 

 

 


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