自分の本当の想いに気づけるってほんと? 「MY CHANTO NOTE」ってなんだろう? 布田恭子さん Vol.1

どこかにひっそりと隠れている「私はここにいます。誰か見つけて!」
という思いを、誰かにお届けするお手伝いができれば……と始めたコンテンツ、
「私を見つけてプロジェクト」。

今回ご紹介するのは、以前、ライター塾を受講くださった布田恭子さん。
イギリスのナチュラルコスメブランド「ザ・ボディショップ」に17年間勤務。
在職中に整理収納アドバイザーの資格をとり、
結婚を機に退職。
今は、「THE TIDY ROOM」という名前で、個人宅の掃除や整理収納のアドバイスを手掛け、
ライフイメージコンサルタントとしても活動をされています。

ライター塾の際、自己紹介などを通して感じたのは、
布田さんの「コレ」と選んだことを信じる強さでした。

人はだれでも、今自分が手掛けていることがあるのに、
その右や左、あるいは「もっと先」にあることに目移りしてしまって、
「ここにあるもの」に対して上の空になってしまいがち……。
でも、布田さんは、迷いながらも常に何かを探し
「見つけた!」と掴んだら、とことん突き進む!

「ザ・ボディショップ」を選んだのも、学生時代にたまたま図書館で見つけた、
創業者アニータ・ロディックさんのの著書「BODY AND SOUL ボディショップの挑戦」
を読んで感銘を受けたから。
「絶対にこの会社に入る!」と決めたのだと言います。
そこには、こんな言葉がありました。

「ビジネスには、世界をよくする力がある」

お金儲けではなく、世界をよくする。
福祉活動ではなく、ビジネスで。

一見、直線では結びつかないかに思えるこの事実に強く惹かれたそう。
有言実行で入社を勝ち取り、
店長やエリアマネージャーとして、無我夢中に働いてきました。

でも……。
17年が経とうとした頃、ふと疑問が沸いてきました。
「私は営業職でずっと働いてきたけれど、
他にできることってなんだろう?」って。

そして、たまたま通信教育の広告で見かけた整理収納アドバイザーの資格を取得。
同時期に結婚が決まり、退社して、
THE TIDY ROOM」を立ち上げたというわけです。

ライター塾が終わってしばらくした後、
布田さんから、この「私を見つけてプロジェクト」に応募がありました。

「こんなノートを使ってセミナーやワークショップをしたいので、紹介していただけませんか?」。

え? ノート?

名前は「MY CHANTO NOTE(以下マイチャントノート)」。
書き出すことで、自分の本当の想いに気づき、
ライフイメージ(理想の暮らしのイメージ)を見える化するツールなのだそう。

「どうしてノートに書くだけで理想の暮らしが見えるようになるの?」
と聞いてみると……。

「みなさん、『理想の暮らし』って突然聞かれても、
普段、なんとなく思っているにしても、なかなかパッと言葉にできないですよね?
でも、このマイチャントノートを書いていくと
自分がどうしたいのかが見えてくるんです。
人の顕在意識=意識していると自覚していること、って実は5%ぐらいしかないんですって。
残りの95%は、意識の下に潜り込んで見えない潜在意識。
そんな『見えない意識』を掘り起こすのが、このノートなんです」。

う〜ん……。
なんだか、わかるような、わからないような……。

実は、私はこの手のノートが苦手なのです。
「書くだけで本当に何かが変わる?」
「そもそも、自分のことを書き綴っていくなんて、何を書けばいいかわからない」
と思ってしまう。

そう、私は「私の理想はこれです」と「決める」ことが苦手。
人の理想なんて、そんなにきっぱり言語化できるものではない。
もっともやもやしていて、なかなかつかめなくて、わからないものじゃないかなあ?
それを無理して「決めて」「書く」と、なんだか嘘が入り込んできてしまうような気がしてしまうのです。

布田さんに、そのことを正直に伝えてみたら……。
「だったら、試しにやってみませんか?」
と誘っていただきました。

「おお〜!それ、いいですね。
やるやる!
やってみて、何が見えてくるか、試してみたいです!」とワタクシ。

そこで、さっそく布田さんのお宅にお邪魔することにしました。

1DKのマンションは、布田さんが独身時代に
「結婚したかったんだけど相手が見つからなくて、
もうできないかも……と覚悟を決めて買ったんです」
とこっそり教えてくれました。

すると、購入してすぐあとに今の夫と出会い結婚。
2人暮らしには狭いけれど、
この「狭さ」が気に入っていて、結婚後10年経ちますが、ずっとここに住み続けているそうです。
2人用の小さなダイニングテーブルやソファが置かれた部屋は、
隅々まできちんと片付き、コンパクトで心地いいこと!

「夫は身長が180センチ近くあって大きいので、よくすれ違うときにぶつかっています。
喧嘩したら、逃げる場所がないから、夫はトイレにいますね(笑)」

今はこんなにものを少なくすっきり暮らしていらっしゃるのに、
実は、「ザ・ボディショップ」に勤めていた頃は、
ものをジャンジャン買ってしまう人だったと聞いて驚きました。
「黒のカーディガンばっかり、いったい何枚持っているの?
まだバッグを買うの?と驚かれる感じでした」と笑います。

そして、整理収納を学び、自分にとって「本当に必要なもの」を見極められるようになり、
少しずつ部屋を整えてきました。
ところが……。
「SNSなどで、100円均一のグッズをあれこれそろえての整理収納例をみると、
部屋を整えようとしているのに、モノをふやそうとするのは
おかしいなあと違和感を感じるようになったんです」。

もともと大学では環境問題を学んでいたそうです。
「大学の授業で、将来的には、循環した水しか飲めなくなるとか、
恐ろしい未来がたくさん書いてある論文をたくさん読みました。
それはイヤだなあ。
私、生きていられなくなるのかなあ?と考えたら、怖くてたまらなくなって。
だったらどうしたらいいんだろう?
って考えるようになりました。
私ね、幼い頃からずっと『本当のこと』が知りたかったんです。
今やっていることは、いったい何のためにやっているんだろう?
その『何のため?』が知りたかったんですよね」

子供の頃は喘息で体が弱く、ずっと自分に自信がなかったそうです。

「勉強も自分ではしっかり頑張っているつもりだったのに
要領が悪くて成績があがらなくて……。
ご飯もたくさん食べられなくて、家族でラーメン屋さんに行っても
半分も食べられませんでした。
何でもスイスイできる人が羨ましくて、コンプレックスだらけでしたね」

受験勉強を頑張ったものの第一志望には行けず、
やっと合格できた大学で、ラクロス部に入部。
これが転機になりました。
体力がつき、ご飯もたくさん食べられるようになり、
少しずつ世界が変わっていったのだとか。
「部活は楽しかったですね〜。
ずっと自信がないのは今でも変わらないけれど、
『自信がない』ということに、あまり執着しなくなったのかもしれないです」。

そして、初めて自分が心から望んだことと、行動がぴたりと一致したのが
「ザ・ボディショップ」への入社でした。
さらに、その先の世界への扉を開けたのが
「マイチャントノート」を使いながら、整理収納や掃除のお手伝いをすることだったというわけです。

布田さんの屋号「THE TIDY ROOM」の「TIDY(タイディ)」とは、
「きちんと整った」という意味なのだとか。
「この仕事を始めるとき、ひとりひとりの『きちんと』を大事にして、
その人にあった整理収納のサポートをしたいなと考えたんです。
誰かの『きちんと』ではなく、自分の『きちんと』を見つけることが、
大事だと思うから」と布田さん。

そして、ひとりひとり違う「きちんと」を見つけるために
「マイチャントノート」が役立つというわけです。

さあ、ではいよいよワタクシ一田が「マイチャントノート」のセミナーにトライ!
「理想はこれ!」と決めることが苦手。
質問に対する答えをひとつに決めることが嫌い……。

そんな私でも、何かが見つかるのでしょうか?
その結果は、次回お届けしますね。

布田さんのホームページ「THE TIDY ROOM」はこちらです。

撮影/黒川ひろみ

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