小豆は悪魔払いを、三角形は暑気を払う氷を表すそう。水無月をいただく季節です

みなさん、ご無沙汰しています。
ライター塾3期生の西胤真澄です。
和菓子にまつわる小さなお話を綴っています。

 

6月になり、ご近所さんの庭先で紫陽花の花を見かけるようになりましたね。
白やピンク、ブルーなど色々な色がありますが、私は紫陽花の中では紫がお気に入り。
品種もたくさんあり「アナベル」「隅田の花火」「ダンスパーティー」「コンペイトウ」など、誰が名付けたのか、そのネーミングセンスに惚れ惚れしてしまいます。

紫陽花の咲く頃になると雨が多くなったり、蒸し暑くなったりと季節が春から夏へと変化している事に気付きます。
咲いてる花を見て季節の変化を感じる事もありますが、それよりも食いしん坊の私は食べ物で暮らしの中に季節を取り入れる機会の方が多い気がしています。

特に和菓子はその時期にしか販売されない物も多く、「この時期を逃すと、もう来年まで食べる事ができない〜」と
ちょっと焦ったりして買いに走ることも。

この時期、私が楽しみにしている和菓子は「水無月(みなづき)」です。

 

みなさんは、この三角形の「水無月」というお菓子を食べた事がありますか?
白いういろうの上面に甘く煮た小豆を固めた物をのせ、三角形に切り分けたもので、
梅雨のじめじめした時期でも、あっさりとした甘みで美味しく頂けるお菓子です。

京都発祥のお菓子だそうで、 夏越の祓(なごしのはらえ)が行われる 6月30日に、
1年の残りの半分の無病息災を祈念して、茅の輪くぐりをし、水無月を食べる風習があるそうです。

小豆は悪魔払いを意味し、三角形は暑気を払う氷を表しているのだとか。

冷蔵庫などなかった時代、氷は高価で手に入らず、
こうして三角形に切る事で氷を表現するなんて、昔の人ってなんて思考が豊かなんでしょう。

欲しい物は簡単にポチリとしてしまう現代ですが、こんな風に想像を膨らませ、
ある物でなんとか工夫し、心豊かに暮らす生活を忘れないようにしたいものです。

水無月を食べる頃、蒸し暑くなってくるので、我が家ではペットボトルに水を入れ家族分冷凍室で凍らせています。
熱中症対策と電気代節約のため、夜寝る時に各自が自分のペットボトル氷を持って寝るようにしています。
自家製アイスノン(保冷まくら)です。

飲み物と間違わないよにマスキングテープで印をして、タオルや手ぬぐいを巻いて枕元に。
寝る時、ひんやり冷気が感じられ気持ちいいですよ〜。
私はたまに股に挟んだり、好きなところを冷やしながら寝ています。
毎年、すごく助かっているので、我が家では親しみを込めて「保冷ちゃん」と呼んで可愛がっています。

「保冷ちゃん、いつもありがとう〜」

朝になると、「え?保冷ちゃん、どこ行った?」と、
どこかに転がっていたりしますが、忘れないよう拾ってまた冷凍室に戻します。
自分の夜のためにね。

みなさんも、是非保冷ちゃんを作って試してみてください。
冷たくて気持ちいいですよ〜。

水無月はういろう部分が抹茶や黒糖のものもあり、ついつい全種類買ってしまいます。
どれも美味しくて甲乙つけがたい〜。

ガラスの器に乗せると見た目も涼しげでいいですね。
これはお気に入りの「Fresco」さんの器です。
ちょっと高台があり、お菓子をより大事に扱える気がします。
真鍮の菓子切りは「 Dine factory」さん
知人の鍛金家 稲垣大さんの作品で、真鍮を叩いて丁寧に成形されています。
ねっとりしたお菓子も切りやすく
切ったあとも刺して食べやすいので、和菓子の時はよく使います。
飲み物はお抹茶を点てたり、冷たい麦茶やアイスコーヒーなど、
その時の気分で色々と楽しみます。

さぁ、水無月を食べ、保冷ちゃんを冷凍室でスタンバイさせ、夏の準備をしていきたいと思います。
今年の夏も暑くなるのかな?みなさんはどんな夏の準備をしていますか?

読んでいただきありがとうございました。

さて、次回はどんな和菓子にしましょうか?
お楽しみに〜。

 

 


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