私を見つけてプロジェクト 口腔ソムリエ 宮田美江子さん Vol,2

「口腔ソムリエ」という新しいジャンルで、
いろいろな人の「口のコンサルタント」になろうと、
サロンを立ち上げた、宮田美江子さんにお話を伺っています。

Vol,1では、「口腔ソムリエってなに?」というお話を伺い、大きな反響をいただきました。
「私も口の中のことが気になっていたんです!」という方が
意外に多くてびっくりでした。

ブラッシングから食べ方までアドバイスをしてもらえる、
と聞いて、歯が悪くてコンプレックスだらけの私は興味津々。
でも……。
そんな口の中を、誰かに見せることが恥ずかしい……。

「そこなんです。
私が、歯科衛生士として働いていたときにも
『見せるのが恥ずかしい』とおっしゃる方がたくさんいらっしゃいました。
でも、今、ケアしなければ、10年後には口だけではなく、
健康にも影響を及ぼしてしまいます。
少しでもよくなるように、ケアしますから
安心して来ていただければと思いますね」と宮田さん。
そこで、口のケアのために大切なポイントを具体的に伺ってみました。

「まずはブラッシングです。
大事なのは、歯茎の付け根です。
つやがあって、ピンクで、引き締まっている。
この三原則が基本なんです。
ただし、ゴシゴシと一生懸命磨くと、汚れを押し込んでしまうから、
柔らかい毛の歯ブラシを使い、マッサージをしながら浮き立たせます。
歯磨き粉は研磨剤でもあるので、まずはつけずに汚れを取ります。
お風呂などの中でゆっくり磨くのがおすすめ。
そして、脇を上げずにね」

え?
脇を上げずに?

「脇を上げると力が入ってしまうんです。
脇を閉めると、自然に力が抜けます。
そして、1本ずつ歯ブラシの毛をつぶさないように。
1箇所大体10回ずつ磨きます。
そうすると、全部磨くのに4分ほどかかります。
最後に歯磨き粉をつけて仕上げて、
頬の筋肉を使ってしっかりとぶくぶくとうがいをします。
汚れを取る=力を入れてゴシゴシ磨く
のではない、ということを理解してもらうのが一番難しいんですよね」
次に食べ方。
「食べる回数は少ない方がいいんです。
基本は3食。間にちょこちょこ食べない。
間食は1回だけ。もしくは食後に一緒に甘いものを
食べてしまうのがおすすめです」。

私は、歳をとるにつれ、
歯と歯の間に隙間が空いて、食べかすがつまりやすくなってきました。
そのことについて聞いてみると……。

「それは、歯茎が下がって歯の根本の細いところが出てきてしまうから。
さらに、歳をとって唾液が少なくなっているのも原因のひとつです。
唾液って、とても大切。
サロンでは、唾液を出すためのマッサージもお教えしています。
人生、最後まで自分の歯で食べるためには骨が大事。
骨を鍛えるためには、踵落としが有効なんですよ。
つま先で立ってから、踵を床に打ち付けるように
ドンと落とします」

口臭が気になる人もいるはず。

「口臭の原因は舌のコケです。
寝ている間に細菌が入って、その菌が舌の上につきます。
これを防ぐには、朝おきたときに舌を専用のブラシで
軽く磨きます」

ブラッシングだけでなく、食べ方、唾液の出し方、
骨を鍛えるための体操、舌の磨き方まで。
宮田さんのアドバイスの多岐に渡ること!

「とにかく歯周病菌をどう防ぐのかが大事。
歯周病は、一度感染したら治らないので、
体の免疫力とブラッシングで、歯茎の状態を整えておくことをお勧めしています。
『歯茎が浮いているな』とか『血が出たな』と気づいたときにはもうアウト。
それぐらい怖いんです。
だからこそ、その怖さを知って、ケアしましょう
とお伝えしたいですね」

実は、このインタビューが終わったあと、
私は個人的に、宮田さんのサロン「La Bouche」で口の中を見ていただきました。
その上で、実際に歯ブラシを持って、磨き方を教えていただいたのでした。

いやあ〜!
話を聞くのと、実際に自分でやってみるのが大違い!
歯ブラシは、ブラシの部分の1/3を歯に、2/3を歯茎に当てるというバランスで。
歯茎に当てる部分の方が、ずっと多いことにびっくりです。

そして、ピタッと歯茎に沿わせる感覚を実際に歯ブラシを当てながら
自分自身でわかるまで、何度もやってみました。
さらに、歯の裏側の磨き方も。
なんとか磨き方を理解したら、
今度は、あごの付け根をぐいっと押して、
唾液が出るマッサージを。
宮田さんはコスメコンシェルジュの資格も持っていらっしゃるので、
ほうれい線が気になる私は、
頬の筋肉を鍛える顔の体操まで教えていただきました。

ボロボロの自分の口の中が本当に恥ずかしかったけれど、
見ていただいて本当によかった!
今まで、いろんな人の話を聞いて、我流で歯磨きしていたけれど、
まったく違いました。

今、私は毎晩お風呂の中で、ゆっくり時間をかけて
宮田さんに教えていただいた方法通りに
4分間歯を磨くようになりました。

ぜひ、このブラッシングをみなさんにも体験していただきたい!
シングルマザーで娘さんを育ててきた宮田さん。
本来は持病があり、体も弱いのだと言います。

「やっぱり健康がいちばんなんですよね。
口腔ケアや、食べ物のこと、美容のことと、いろいろ学んでみて思うのは、
結局トータルでバランスが取れていることが大事ということ。
そして、体を整える第一歩が歯茎のケアだということです。
死ぬまで、きちんと自分の歯で食べられるように。
食べることさえできれば、体力がキープできますから」。

実は、早稲田大学のLRCに通い、3月に卒業するという宮田さん。
LRCとはLife Redesign Collegeの略です。
人生の後半においても社会や人々と繋がり続け、
有意義に生きるための学びの機会とコミュニティを提供する
というこの学校で、
第二の人生のミッションとして掲げたのが「口腔ソムリエ」でした。
そして、昨年思い切って歯科医を退職し、
ご自身のサロン「La Bouche」を立ち上げたというわけです。

「口のケアを始めるのは、何歳からでも遅くない」
と宮田さんは言います。

歯のコンプレックスだらけだった私は、
正しい磨き方と食べ方、マッサージなどを教えてもらい、
少し、自分の口に自信が持てるようになってきました。

どういいかは、実際に歯ブラシを持って
アドバイスを受けてみて初めて実感できるもの。

ぜひ、口腔ソムリエのスペシャルケアを体験してみてください。

ひとりひとりにお口のケアをアドバイスしてくれる
宮田美江子さんのサロン「La Bouche」について、
知りたい方は、こちらからどうぞ。

宮田さんのインスタlabouche1006はこちら。

撮影・黒川ひろみ

「私を見つけてプロジェクト」にご興味がある方はこちらをどうぞ。


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