私を見つけてプロジェクト 口腔ソムリエ 宮田美江子さん Vol.1

世の中には、素敵なものがいっぱいあって、
キラキラと輝く人があちこちにいる……。
でも、新しいことを始めた人は
「どうしたら、私を見つけてもらえるだろう……」と悩みます。
その橋渡しができたらなあと考えて立ち上げたのが
「私を見つけてプロジェクト」です。
「私はここにいます!誰か見つけて!」と思っている方の
どこかにひっそりと隠れている思いを、
誰かにお届けするお手伝いができればと思っています。

今回ご紹介するのは、
「口腔ソムリエ」という新しい肩書きで、東京表参道に、
ご自身のサロン「La Bouche」を立ち上げた宮田美江子さんです。

これまで、25年間歯科医に勤めながら、
歯科衛生士として働いてきたという宮田さん。
その中で、ずっと感じてきたのが
「虫歯や歯槽膿漏など、悪くなる前に、自分自身で口の中のケアができる
習慣を身につけることが大事」
ということでした。
世の中には、「歯科医」はたくさんあるけれど、
こうした「口腔ケア」をサポートしてくれる場が見つからない……。
そこで、歯科衛生士を辞めて独立。

第2の人生として、ご自身が「口腔ソムリエ」となって、
多くの方が健康になるお手伝いをしていきたいと考えたのだと言います。

そんな宮田さんの自己紹介には、こんなふうに書かれていました。
「私は、歯科衛生士歴25年のシングルマザーです。
『これからの人生このままで終わらせてしまっていいのか。
まだ、自分の力を出しきれていないのではないか』
と自問自答していたときに、早稲田大学LRCに出会い入学しました」。

え?
シングルマザー?
え?
大学に入学?

宮田さんって、どんな方なんだろうと、ムクムクと興味が湧いてきました。
そして、さっそくお話しを伺うために、
表参道に新たにオープンされたばかりのサロンを訪ねてみました。

実は、私が「口腔ソムリエ」という言葉にピピっと反応したのは、
私自身が、歯にとてもコンプレックスを持っているからでした。

幼い頃から、歯のエナメル質が弱いと言われ、
虫歯になりやすくて、
歯医者さんに通い続ける人生を送ってきました。

中学生の多感な時期に歯の矯正をし、
痛い思いや、見栄えが悪くて恥ずかしい思いもいっぱいし、
両親にはたくさんお金を払わせたにもかかわらず、
矯正後も、やっぱり虫歯からは逃れらませんでした。

そのうち、リコンをしたり、フリーライターとして稼ぐことに必死すぎて、
歯医者さんに行く暇もなく、歯はどんどんボロボロに……。
なので、今は差し歯もあるし、義歯もあるし、
口の中の話をするのは、できる限り避けてきたのでした。

そんなときに
「一人一人にあった、お口、体、美容を自分で守る方法をアドバイスします」
という宮田さんの話を聞いて、
これだ! と思ったのでした。

病院での事務職を経て、
「これから自分の力で生きていくには、国家資格がないと」と
27歳で、歯科衛生士の学校に2年間通ったそうです。
「入ったときには、勉強の仕方を忘れていたほど
学ぶことからは遠く離れていました。
でも、必死になって勉強して、主席で卒業したんですよ」。
そう語る宮田さんは、私と同世代。
30歳で歯科衛生士になって、昨年まで同じ歯科医院で働いていたそうです。

「当時から、私がひと部屋をもらって、予約を取って、
歯周病の方などに、お口のアドバイスをさせていただいていました」。

そう話しながら、いきなり
「一田さん、ご自身の舌って、口の中のどの場所にありますか?」
と質問されてびっくり!

「えっ? どこにあるかなあ?
う〜ん、下の歯の裏あたりかな?」

自分の舌なのに、いつもどこにあるのか意識したことなんてなく、
すぐには答えられません。
すると……。

「舌を上顎につけていただいて、口を閉じると鼻で呼吸ができるんです。
舌はこの場所にあるのが正解なんですよ。
一田さんが言われた場所にある場合は、口呼吸になるので、
そこから菌が入ったり、
舌で歯を押してしまって、歯並びが悪くなったりするんです。
舌が落ちてしまうと、酸素も頭に行かなくなるし、
歯並びが悪くなって虫歯になったり、歯周病の原因になることも。
それが、10年後のその方の健康につながるんです」

え〜!
なんとなんと!
舌の位置だけで、そんなに違いが出てくるなんて!

次に宮田さんが取り出してこられたのが、大きな歯の模型です。

「CMなどで、『歯をキレイに!』というキャッチフレーズを聞くと、
『歯』に意識がいくでしょう?
でも、力を入れて磨きすぎると、どんどん歯茎が削れてしまいます。
私が、いちばん伝えたいのは、実は『歯茎のケア』なんですよ」

それ、私も聞いたことがありました。
歯茎を磨くことが大事だって……。

「みなさんが気になるのは、歯並びと歯の白さなんですよね。
でも、それをきれいに見せるのは、
ピンク色の引き締まった歯茎があるからなんです。
日本では、歯医者さんに通っているから大丈夫と思って
セルフケアをあまりしない人が多いんですよね。
お欧米では、セルフケアが主流です。
だから『本当に正しいケアができていますか?」というところを言いたい。
大事なのは、歯と歯茎の境目から、歯茎にかけてを優しくマッサージすること。
すると、歯茎が引き締まって、歯をきれいに見せ、笑顔がきれいに見えるんです」

でも、ゴシゴシ磨きすぎてしまうと、
逆に歯茎を痛めてしまうことになります。

「口は、臓器だということをご存知ですか?
口を正しくケアすることは、ご自分の体を守るということなんです」。

そこで、宮田さんのサロンでは、この歯茎のマッサージの基本的な方法を、
対面で実際に歯ブラシを自分の歯に当てながら、教えるというわけです。

「対面でのトレーニングしながら、
生活の中でのブラッシングの取り入れ方をお伝えします。
さらに、体の免疫を高めていくことで、歯茎の状態もよくなるので、
その方の生活習慣をヒアリングをして、
食べ物、食べ方などをアドバイスさせていただきます。
わかりやすく言えば、口のコンサルタントですね」。

なるほど〜。
宮田さんについていてもらったら、
私のこのダメダメな口の中も、
少しはましになるのかな?

「口の中のケアを始めるには、遅いなんてことはありません。
一田さんも、磨き方をお教えするので、
今日から始めてみてください。
きっと、1か月後には、歯茎がパンっと張って
ピンク色になってくるはずですから」。

しっかりとそう言い切ってくださった宮田さんの頼もしいこと!

今まで、見てみぬふりをしてきた歯や歯茎のことに
改めて向き合ってみたくなってきました。

次回は、口腔ソムリエとして、
宮田さんが、どんなサービスを提供されているのか、
わたくしイチダが、実際に指導していただいた経験をもとに
もう少し詳しくご紹介してみたいと思います。

ひとりひとりにお口のケアをアドバイスしてくれる
宮田美江子さんのサロン「La Bouche」について、
知りたい方は、こちらからどうぞ。

 

撮影・黒川ひろみ

「私を見つけてプロジェクト」にご興味がある方はこちらをどうぞ。

 

 


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