買っても、作ってもおいしい! 栗きんとんの季節です

みなさん、こんにちは!
ライター塾3期生の西胤真澄です。
和菓子にまつわる小さなお話を綴っています。
前回の「赤福」から、ちょっとご無沙汰してしまいましたが、気付けば栗の季節がやってきたではありませんか。

 

ケーキでもお菓子でもつい栗が入った物を選んでしまうほど栗好きな私。
スーパーに地元産の栗が並ぶようになると、嬉しくなり買わずにはいられません。


家で作る栗ご飯には大きな栗をゴロンゴロンと入れ贅沢に楽しみます。栗ご飯って本当に美味しいですよね。

さて今回のお話は「栗きんとん」です。
「栗きんとん」といえば、おせち料理に入っている物を思い浮かべる方が多いと思います。
粘り気のあるさつま芋あんの中に栗の甘露煮が入っていて、味の濃い物が多いおせち料理の中のおやつ的存在。
子供にも人気の一品ですよね。
でも今回はおせちの「栗きんとん」とは違い、和菓子の「栗きんとん」のお話です。

和菓子の「栗きんとん」は蒸した栗を細かく刻み、砂糖を混ぜて練り上げ、栗の形に丸めたお菓子です。
ひとつひとつ手作業で作られているので、コロンと丸く、
先がおちょぼ口のように尖っていてなんとも愛くるしい姿になっています。
また原材料は栗と砂糖だけというシンプルさ。
ひと口で食べてしまうのは勿体ないので、何度かに分けて口に運び、
美味しさをゆっくり味わいながら食べる贅沢なお菓子です。

毎年この時期、私達夫婦は信州方面に車で行く機会があり、
その時、必ず岐阜県の中津川に立ち寄ります。
それはね、「栗きんとん」を買うためなんです。ふふふ。 

中津川市は昔から栗が豊富に育ち「栗の郷」として知られていたようで、
この栗を使った特産物がたくさんあるそうです。また和菓子屋も多いそうです。

我が家からJR中津川駅までは車で3時間と少し。
駅の横にある観光案内所・にぎわい特産館で
お目当ての「栗きんとん」を購入するためオープン(朝8時30分)をめがけて早朝に家を出ます。
(遅くなると品切れになる事があります。ご注意を!)

にぎわい特産館では9月から12月にかけて「栗きんとんめぐり」というイベントが開催されていて
中津川観光協会認定の和菓子店14店がフロアに集まります。
これは2021年に訪れた時にいただいた栗きんとんマップ。

川上屋さん、すやさんなど有名な店舗やあまり知られていない地元の和菓子屋さんなど、それぞれのお店の和菓子を見て回るのも楽しいです。
私達のお目当ては全店舗の「栗きんとん」だけを集めたブース。
カゴを持ちながら1個から購入できるようになっているので
「どのお店の栗きんとんにしよかな〜?」とウロウロ。

この時(2021年)は5店舗から1個ずつ、計5個購入。
さぁ、栗きんとんの食べ比べの始まり始まり〜。

 ・ヤマツ食品
・七福
・川上屋
・しん
・柿の木 

全部食べたいので、主人と半分に割って食べます。
「ん〜!」
言葉になりません。
「美味しい〜」

どれを食べても美味しいのですが、食べ比べるとそれぞれの違いに気付きます。

まず袋を開けた時の見た目

「なんか、この子シュッとしてるね」
「この子太ってる〜」手作りならではの違いに気付きます。

また手に持った時の重さが違います。
そしてひと口食べると、さっぱりしていたり、ねっとりしていたり、口の中での収まり加減が違います。
もちろん甘みも栗そのものだったり、和三盆が勝っていたり。
また栗の粒を残してある物や、しっかり裏ごしした物など食感も違います。

 

同じ素材でも製法や店舗のこだわりによって、こんなに違いが出てくるんだな〜と
コンビニのコーヒーをお供に車の中で「あ〜でもない、こ〜でもない」と食べ比べながら移動します。

私が食べた中で一番美味しいと感じたのが「ヤマツ食品」さんの物。
甘みがあり栗の食感も感じられ好みの味でした。色も黄色が濃くとても綺麗。あくまでも私の主観ですが…。 

そして昨年(2022年)買ったのはこの5個
「抹茶」と書いてある物があったので選んでみましたが、抹茶の味が強すぎる気がして、私は普通の方が好みでした。

にぎわい特産館では、上の写真のように製茶店の茶葉と7つお店の栗きんとんが入ったお任せパックみたいな商品が2種類販売されます。
どのお店がいいかわからない時はこれを選ぶのもいいですね。
また宅配コーナーもあるので、栗好きな友人に送る事もあります。
お取り寄せもできるようなので、これから行けないときはお取り寄せするのもありかな? 

家の近くのデパートでも和菓子屋さんのコーナーには栗きんとんが並び始めました。
食べたくなったら箱入りじゃなく2個入りくらいを何度かに分けて買う予定です。

そして栗さえ手に入れば、自分で作る事ができます。(ちょっと面倒くさいですが、渋皮煮よりは楽)

 〈栗きんとんを作ってみよう〉

材料
・栗生 皮付き 500グラム
・塩 ひとつまみ
・三温糖(砂糖) 栗の身に対して15% 

作り方
①水から火にかけ沸いたら蓋をして弱火で5分 火を止め蓋をしたまま30分
②ザルに上げ、熱いうちに包丁で半分に切りスプーンで中身を取る
 ③三温糖、塩を入れレンジで1分し、つぶす。
20〜30グラムをラップで包み形を整える 

はい、できあがり〜♪

ラップのまま冷凍する事も出来るので、たくさん作ってジップバッグに入れておくと後で楽しみが2倍、3倍となります〜。
お時間あるかたは作ってみてくださいね。
作ってみると、かなり手間がかかり、ひとつ300円くらいする意味がわかると思います。 

まだまだ栗の季節は始まったばかり、今年はいくつ食べられるかな〜?

 

さて、次回はどんな和菓子のお話にしましょうか?
みなさんのお気に入りの和菓子があれば教えて下さいね。

 

ではみなさん、次回をお楽しみに〜。

 


特集・連載一覧へ