ゴーヤーチャンプルに飽きたなら

今年は10月に入っても季節外れの暑さが続いていましたが、少し前に雨が降って突然、本格的な秋になった信楽です。朝夕は空気がひんやり、山の木の葉も色づき始めました。みなさんお元気ですか?

今日は少し前の、まだ季節外れの暑さが続いていた時の話を少しします。

この夏、カナダで勉強することになった次女が巣立って、大谷家は3人家族になりました。
人数は減っても大きさは変わらない家を、当初は今までよりがらんと広くなったように感じたものです。
(いつも使うので)取り出しやすい棚に並べていた次女のおわんやご飯茶碗を片付けたり、押入れの布団を整理したりしていたら、じんわり胸に迫ってくるものがありました。
それでも、なんとかこらえて片付けてスッキリしたところへ、隣の父が「ゴーヤーがいっぱいできているから取りに来て」と言ってきました。
「お父さん、うちはもう3人家族なんやし、そんなにたくさん食べられへんよ」
と答えた瞬間に、こらえていた涙がポロッと溢れてしまいました。
家族は減っても畑の広さが変わらないのは家同様。
父が丹精した畑の野菜はどんどん大きくなっていました。
中でもゴーヤーの勢いはすごかった。9月の終わりになっても、張られたネットからはみ出す勢いで蔓を伸ばし大きな実をいくつもブラブラぶらさげていたのです。
思い起こせば一年前も全く同じ光景が、、、父の畑のゴーヤーが豊作で、夏の盛りから秋風そよ吹く季節まで来る日も来る日も、ゴーヤーが台所にやってきました。私のゴーヤー料理のレパートリーといえば、ゴーヤーチャンプル、たまに玉ねぎやニンジン、ソーセージなどと一緒にかき揚げにしたりが関の山。ちょっとづつ内容を変えながら(肉を変えたり、豆腐を丁子麩にしたり)チャンプルばっかり作っていたらいつも優しい家族も「そろそろチャンプルは飽きてきた」と、不平を述べるようになってきました。その時の交わした父との会話。
「お父さん、来年はゴーヤー、もし植えるんなら一本でいいよ」
「そうやな、こんなにたくさんできたら困るしな」
このやり取りを私ははっきり覚えているのですが、そんな記憶も虚しく、今年も父の畑にはしっかり3本の苗が植えられ、相変わらず毎日ゴーヤーが我が家の台所にやって来ていたのでした、、、

そこで、去年のゴーヤーの襲来時にアメリカに暮らす料理上手な親友Jに教わり、今年も頻繁に作ったおかずを紹介します。彼女も、沖縄出身の友人から教えてもらったという「ゴーヤーンブシー(ゴーヤーの味噌煮)」。
このレシピの肝は、ゴーヤーを冷たい汁から煮ること。
そうすると不思議とそれほど苦くならないのです!
そういえば、去年はみんなでこの料理をつつきながら、
「本当にあんまり苦くない、すごい!マネしよう!」と娘たちも言っていたな。
(今頃、どうしてるんだろう?京都(長女のところ)にはあるけど、カナダ(次女のところ)にはゴーヤーあるんだろうか?思い出してまたしんみり、、、でもそれはさておき!)
こんな風に伝言ゲームみたいにある種の素材の食べ方がどんどん繋がって行く様がおもしろい。
まさか、その沖縄出身の方も信楽の山奥まで「ゴーヤーンブシー」が伝来して、喜ばれていると知ったらびっくりするんじゃないだろうか。

私自身が小さい頃から食べていた訳ではないのに、なんだか懐かしいような、じわっと美味しいおかずです。
大谷家でよく作っている、子供も大好き、ビールとの相性も絶妙なゴーヤーのかき揚げもおまけに紹介します。
今度のゴーヤーのシーズンに、ぜひお試しください。
あ、ひとつ重要なアドバイス、うっかりカレーに入れないように!
もし残ったら翌日カレー全体にゴーヤーの苦さが広がって大変なことになります!(経験者は語る)

やっぱり父は来年も間違いなくゴーヤーをいっぱい植えるんだろうな。
それまでにもっとゴーヤー料理のレパートリーを増やしておかないと。
何かいいゴーヤー料理をご存知の方、教えてください〜

<材料>

ゴーヤー(中)1本
鶏モモ肉 200グラムくらい(豚肉などお好みのお肉を使ってください)
厚揚げ 2個(木綿豆腐でもいいです)
だし汁 200cc
味噌 大さじ1と2分の1程度

1. 鶏肉と厚揚げを一口サイズに切る。
ゴーヤーを縦半分に割ってスプーンでタネとワタを抜き、3-4ミリくらいの厚さに切る。

2.鍋に冷たいだし汁とゴーヤーを入れ、軽く煮る。

3.コトコトしてゴーヤーに少し火が入ったら厚揚げと鶏肉を入れ、蓋をして煮る。

4.鶏肉に火が入ったら味噌を溶き入れる。お好みでお醤油やみりんで味を調整して、出来上がりです。

 

いつもに増してシンプルな材料

 

肉と厚揚げを一口大に、ゴーヤーは中身を抜いてスライス。

 

冷たいだし汁から煮るのが、苦くならないコツ。

 

ゴーヤーに軽く火が入ったら、肉と厚揚げを入れます。

 

肉に火が通って厚揚げが温まったら、お味噌で味付け。

 

あっという間にできちゃいましたー

 

<ゴーヤーのかき揚げ(おまけ)>

ジャガイモやニンジン、タマネギなど加熱すると甘みの出る素材と一緒に作ると、ゴーヤーの苦味が軽いアクセントになって食べやすくなります。ソーセージなどを加えると、スナック感が増して楽しいです。

 

全ての材料を同じくらいの細さの千切りにして、大きめのボウルにれ、薄力粉と片栗粉を半々くらい全体に絡めます。薄力粉を大さじ2入れたら、片栗粉を同じ量入れて混ぜ、全体に絡むまで繰り返します。片栗粉を混ぜるとサクサクになって美味しいです。

 

粉が絡んだら、材料がまとまる程度まで、様子を見ながら水を少しづつ入れていきます。こんな感じで↑

 

中温に熱した油にスプーンで落としてからりと揚げます。

 

おつまみにもおやつにも。お試しください〜


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