自宅で過ごす時間が増えました。きっと多くの方がそうではないかと思います。家族で食卓を囲む回数が格段に増えました。我が家の場合、コロナ前は家族全員が揃う方がまれなことだったので、最初はみんなでいただくご飯がとても美味しく、楽しい時間でした。
しかし、段々と毎日のご飯作りが大変になってきました。給食やお弁当にどれだけ助けられていたか。仕事ついでの外食も結構多かったんだなと気づかされました。
さて、日々の献立は、持ち回りにする、頑張らない、出された料理に文句は言わない、を約束になんとかなりましたが、一番困ったことがゴミでした。自宅で過ごす時間に比例して、ゴミが増えたのです。生ゴミはコンポストの導入で対応しましたが、食材が入っている袋や容器も、溜まるとすごい量に。これは見直さないと大変なことになるなと思いました。
まず、保管にスペースをとる調味料から見直すことにしました。本当に必要な調味料は何か。冷蔵庫やシンクの下をのぞいてみると、案外と使っていないものが見つかりました。豆板醤、コチュジャン、オイスターソース、ナンプラーなどは好きだけれど、毎日使うわけではありません。ケチャップやソースもたまーに子供が使うだけ。味噌も、赤味噌、白味噌はちっとも減らないな。少し向き合っただけで、なくてもいいと思えるものがたくさん見つかってしまいました。
一方、毎日、使うもの、なくてはならないものはなんでしょう?我が家の場合は、醤油、塩、米油、オリーブオイル、黒酒(料理酒)、酢、味噌。もしかしたら、これらだけで問題ないのでは?料理酒として使っている黒酒は、甘みがあるので味醂の代用にもなります。砂糖は、日々のレシピでは使わないので不要。
一度立ち止まって考えてみると、必要なものが明確になったので、ひとまず、あるものは使い切り、なくなったからといって自動的に補充することはやめることにしました。
他にも買おうと思えば、いろんな調味料があります。例えば、めんつゆ。これは出汁パックで出汁を取り、醤油(+お好みで甘み)を足すだけでできます。ポン酢は、めんつゆに酢かレモンや柚子を絞ればOK。ドレッシングもオリーブオイルと酢、塩で作ることができます。
よし、できる限り買わないでいよう!
そう考えてから約1年。困ったことは何も起こりませんでした。実際にはマヨネーズとコチュジャン、息子のリクエストでサムジャンを各1つずつ買いましたが、それだけ。調味料を随分とダイエットすることができました。
また、必須の基本調味料は、瓶入りや紙製などリサイクルできるものを選ぶようにしました。例えば、黒酒は、ペットボトル入りと瓶入りがあり、ペットボトルのほうが安いのですが、瓶入りをあえて選ぶようにしたり。塩と味噌(自家製味噌も作っていますが、足りない分を買い足しています)だけは好きなブランドはプラ袋に入ったものしかなく、これは今後の課題ですね。
調味料を減らして感じたのは、献立そのものも、もっと減らせば良いのでは?ということです。
もともと我が家は、他の家庭に比べて食卓に上る献立の種類が極端に少ない方です。それは、子育てで手一杯だった頃に、ぐっと献立の種類を減らして、自分の負担を少しでも減らそうとした経緯があるからです。
献立の種類を減らすと、何を作ろうかと悩まずに済みます。買う物が減るので、買い物がとてもラクになり、ご飯の準備の時間も短くなります。時間に余裕ができると子供に優しくできます。これは仕事と子育てでヘトヘトだった私にとって、一石二鳥以上の素晴らしい改革でした。
献立を減らした結果、和食がメインとなり、洋食は作らなくなりました。一般的に子供が喜ぶようなメニュー、例えばオムライスやシチューなどが食卓に上ることはありません。なので、卵や牛乳、豆乳をストックしていません。パンもごくたまにしか食べません。なので、バターやジャムといったパンまわりの食材の買い置きも不要。これだけでも冷蔵庫はかなり広くなります。
基本的に、ご飯を炊き、お味噌汁か野菜スープを作り、メインのおかずは素材を煮る、焼く、蒸すだけ。副菜は、生のままか茹でるだけ。もうこれ以上、簡素化できないだろうということころまで来ています。その上、調味料をダイエットしたことで、さらに簡素化に拍車がかかりました。今日は何にする?煮る?炒める?味はどうする?塩?醤油?ぐらいのバリエーションしかなくなりました。
でも、それじゃ飽きませんか?という声が聞こえてきそうです。
他のメニューを食べたくなったら、外食すればいいのです。だって、私が頑張って作るそれっぽい外国の料理より、お店の方が断然美味しいからです。日本には多種多様な国のレストランがあります。パスタやハンバーグ、とんかつ、天ぷらなども専門店で食べたほうがいい。家族で外食すれば、特別なイベントにもなります。
家で地味なご飯を淡々と食べていると、時々の外食がとても楽しくなります。ハレとケを感じられるといいますか、日々にメリハリがついたなと思います。
現在の我が家の献立はこんな感じです。朝ごはんは、ご飯とお味噌汁、納豆のみ。海苔や梅干し、塩昆布、ジャコでも出せば完璧。余裕があれば、魚を焼くこともありますが、なくてもOK。
昼ごはんは、私一人なら作りません。昨晩や朝のおかずが残っていればそれを食べるだけ。夫が趣味でスパイス使いに凝っているので、在宅してカレーを作ってくれれば、喜んでいただきます。
夜ごはんは、土鍋にたっぷりの野菜ときのこ、肉などを入れて煮込み、塩か醤油、味噌で味付けた土鍋料理ばかり。味がついているので、ポン酢などの用意もなくていい。冷やご飯やうどん、韓国のうるち米でできた餅、トック(これがよく合い、とても美味しい)を入れたりしながら楽しみます。実は、10月から3月まではほとんど毎晩、この料理を食べています。ひたすら同じレシピが続いても、しっかりと出汁が感じられるおかげで、家族みんながうまーいと言って食べてくれます。
こう書き出してみると、調味料は基本的なもの(+夫の趣味のスパイス)だけあれば十分だということがわかります。
シンプル化してよかったことは、食事を用意するストレスがなくなったことです。いつもと同じでもいい、繰り返しでもいい、飽きないかな?と心配しなくても大丈夫。それだけでも、余裕を感じて気持ちがラクになります。続けることで、家のご飯なんてこれくらいで丁度いいという確信もできました。今日のメニューは何にしようと考える楽しみもありますが、仕事をしていて、子育てをしていて余裕がないなら頑張らなくていい、その家のいつもの料理を作ればいいと思うのです。
家での献立を減らすことは、結果的にゴミを減らすことにもつながります。実際、かなりプラスチックゴミを減らすことができました。
ただ、残念ながら、完全にプラスチックゴミをなくすことは難しいこと。どの程度なら無理なく減らせるのか、我が家のスタイルを探している途中です。次回は、プラスチック包装がたくさん使われている食材、野菜やお肉、お魚などの食材の買い方について考えます。
私のエコルール【食材と献立のダイエット編】
1)調味料を本当に必要なものだけに
2)家での献立数は少なくていい、繰り返しでいい、変化がなくてもいい
3)外食でメリハリをつける