子育てが辛い。それを夫がわかってくれないのがもっと辛い。本多さおりさん vol.1

 

 

 

 

 

夫にやって欲しいことを伝え、役割分担をする、ということは
ほんのささいなことであっても驚くほどハードルが高いもの。
そもそも「これをして欲しい」と口に出すことさえ、
「私がやった方が早いかも」とか、「彼だって仕事が忙しいんだよね……」とためらってしまいがちです。

その結果、自分自身の機嫌が悪くなり、
プリプリ怒りながら家事をして、そんな自分に「私ってなんてイヤなやつ……」と落ち込んで、
負のスパイラルに引きずり込まれていく……。

そもそも夫の役割、妻の役割って何なのでしょう?
縁あって結婚し、ひとりではなく、ふたりで人生を歩む……。
そうやって、ライフステージが変わった時、一人で生きていた時と、何がどう変わるのでしょうか?

「夫婦って、なあに?」というお話を伺うこのコンテンツ。
3人目は、整理収納コンサルタントの本多さおりさんです。

 

 

整理収納コンサルタントとして活躍する本多さん。

今年、中古マンションを購入し、リノベーションをして引っ越されたと聞いて、
「天然生活」別冊「暮らしのまんなか」で、さっそくインテリア取材に伺いました。

築14年のマンションを、一旦スケルトン状態まで解体し
「家事がラクになる部屋」をコンセプトに作った新居は、
家事動線が一直線になって、洗濯から料理までがいたってスムーズ。
しかも、間仕切りなしの広々とした部屋は、子供たちが駆け回って過ごすことができます。

仕事も順調で、こうして新居を手に入れ、家族と暮らす。
望んでいたものは、すべて手に入れたかのような幸せな日々かと思いきや……。

「いやあ、もう子育てが辛すぎて。夫に対しても不満が爆発して、
ついこの間、子供たちを母に預けて、夫を居酒屋に呼び出し、思いをぶちまけたばかりだったんです」。

取材が終わってからの雑談で、思わず飛び出した本音に「え〜っ!」と声をあげてしまいました。

 

 

よくよく聞けば、次男が想像以上に手がかかり四苦八苦なのだとか。

「つい最近も、保育園のお迎えからやっとマンションに到着したと思いきや、
ちょっと目を離したすきに次男の姿が見えなくなって……。
ひとりで目の前の道路を横切って、向かいの公園にいる姿を見つけた時には倒れそうになりました。
もし、車が通っていたら……と思うと、
子供の命を自分の手に握っている責任にクラクラしたんです」と教えてくれました。

片付けなら、自分がラクして持続できるしくみを作りさえすれば、
出したものを元に戻すだけで確実に片付きます。
原因と結果が直結し、それでも、散らかってしまうなら、原因を見直せばいい。
でも、子育ては、考えても考えてもうまくいかず、どんどん自分が疲弊したいったそう。
さらには、そんなつらさをご主人がわかってくれないのがより辛い……。

どうやら、私が訪ねた頃は、その想いがマックスだったようです。

今まで、インテリアや整理収納のことで取材をお願いしたことはあったけれど、
今回初めて「夫婦のこと」を
じっくり伺ってみることにしました。

子育ての苦しみと、夫に思いが伝わらない辛さを、
本多さんはとても正直に語ってくださいました。

次回から、詳しくお伝えします。

 

 

撮影/近藤沙菜


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