小池徹平くんがすごい!

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あっという間に12月ですね。
今年も残すところ1か月を切りました。
とはいえ……。
ワタクシは、今「暮らしのおへそ vol27」の取材&執筆真っ只中。
取材と、デザイナーさんへのレイアウト出しと、執筆がギュギュッと団子状態で
身動き取れない状態が続いております。

いつもおへそチームで話すのですが、
この時期、紅葉がどんどん進んで、美しい季節なのに、
「おへそ」が終わると紅葉も終わってるよね〜って。
仕事でドタバタしていると、
美しいいちょう並木の下を駆け抜けても
その美しさが見えていないのです。
心ここにあらずば、
見えるものも見えてこない……。
毎年、年末になるとそのことを実感します。

 

さてさて、先日、執筆の合間にふとテレビをつけると
「大恋愛」というドラマの総集編が放送されていました。
最近、ドラマなんて、とんと見ていないワタクシ。
ところが、ほんの一瞬で目が釘付けに!

戸田恵梨香さん演じる尚さんと、ムロツヨシさん演じる真司さんは、運命的な出会いによって恋に落ち結婚。
けれど、尚さんは、若年性アルツハイマーの前段階とされる軽度認知障害に犯されていることが判明。
いつか自分のことを忘れてしまう。
そんな恐怖の中でも、元小説家の真司さんは、2人の日々を小説に綴っていく……。
というストーリーらしい、ということは、後ほどネットで調べました。

そこには小池徹平くんが写っていました。
しかも、今まで見たことがある小池くんとは全く違うイヤ〜な役で。

若年齢アルツハイマー病を患う保育士役で、尚さんに急接近。
気持ち悪〜い笑顔で、彼女への執着をあらわにしていく…….

いや〜、小池徹平くんって、こんな役者さんだって?と思うほど
素晴らしくイヤな奴を演じていて、驚いたのなんの!
同時に、そのことになんだかすご〜く感動したのでした。
(後で調べたら、小池くんのこの役作りは、このドラマの放送当初から
話題になっていたようですね)

きっと小池くんは、今まで演じてきた経験を一旦全てリセットして
ゼロに戻って、もう一度エンジンを掛け直したんだろうなあ。

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人は、今までの経験の中から、次どうするか?と考えるものです。
その方が、ずっと楽だから。
本作りなら、「あの本をこう作ったから、今度はこうしよう」とか、
子育て中のお母さんなら、「お兄ちゃんがこうだったから、弟もこうだろう」とか
ビジネスマンなら、「あの時の実績がこうだから、今度はきっとこうなるだろう」とか。

 

でも、全くやったことがないことを初めてやるときは
一体この先どうなるか予想もつかないし、
不安だし、やり方もわからないし、全てが手探り状態。
一つ一つ目の前にやってくることに、精一杯立ち向かうしか術がないのです。
つまり、大層大変で、疲れる……。

ただ、この全てが「出会い頭」で決定されていく瞬間って、
ものすごくパワーが出るもの。
自分でもわからないうちに「ああ、こうやればいいのか!」と発見していく。
その無我夢中の過程の中で、
人はキラリと光る、自分の個性や魅力を輝かせるように思います。

だからこそ、私は、あの小池徹平くんの演技に
涙が出るほど感動したのかも……。

経験を積んで、賢くなって、ソツなつ物事をこなせるようになるのも
もちろんいいけれど、
そんな自分が今まで蓄えてきたものを、
一旦全て捨て去って、丸腰になって、
まっさらな自分で物事に向き合う……。

そのことで、自分の中の力を自分で発掘するって、
素晴らしいことだなあと思ったのでした。

それにしても「この頃ドラマなんてつまらないよ」なんて
勝手に思っていたのに、
実は、テレビの中で、こんなにも真摯な演技をし、頑張る人がいる、
ということに、改めて胸を打たれました。
そして、私は私の持ち場でがんばろうって思ったのでした。

 

1週間が始まります。
みなさま、いい1日を。

 

 

 

 

 

 


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