母の手のあと

昨日は寒い1日でしたね。
先日、母の手伝いのために弾丸で実家へ。
マンションの外壁塗装のため、ベランダに置いているものを
すべて室内へと取り込まなくてはいけないらしく、
重たい植木鉢や、小さな物置などを父と母ふたりで運ぶのは大変なため
ちょっくら手伝いに帰ったというわけです。

母の指示のもとに、物置の中を整理し、不要なものを処分。
室内にシートを敷いて、物置を移動させました。
これでミッションコンプリート!

実家には、私が帰ったときに使うベッドルームがあります。
母は、娘たちが独立したとき、いち早く子供部屋をなくし、
ベッド2台だけが並ぶ、ホテルのような客様のベッドルームを作りました。
おかげで、私と夫が帰省するときもこの部屋を使うことができます。
ココ、というときの行動力は父よりも母の方がすごいかもしれません。

そんなベッドで寝ると、洗い立てのシーツはサラサラで気持ちいいこと!
実家に帰ると、あちこちに母の目が行き届いていて
背筋が伸びる思いがします。

食卓の上の楊枝入れは、シルバーの蓋が指紋ひとつなく磨かれて、
中にはレースペーパーを小さくカットしたものが敷かれています。

この楊枝入れ、「洋食店にあるみたいな、シルバーのふたつきがいいから探して!」
と頼まれて、私がamazonで見つけたものです。

ふたを開けて、真っ白なレースペーパーを見つけたとき、
なんだかクスッと笑っちゃいました。

こちらは、やっている方も多いかもしれないけれど、
歯磨き粉のチューブはきちんと折ってストッパーで止めてあります。
(White&Whiteっていうのが、実家っぽい!笑)
洗面台の周りも、水滴ひとつ落ちていなくてピカピカ。

我が家のグニャグニャの歯磨粉の姿や、
洗面台周りの汚れのことを思い出し、
帰ったら掃除をして、整えよう!と自分と約束いたしました。

お仏壇用のお花は、朝晩2回水を取り替えて。

ど〜して、こんな几帳面な人から、超大雑把な私が生まれたんだろう?
と不思議になります。笑

夜は、私が家では揚げ物を封印していると知って、
「たまには」と母が天ぷらをあげてくれました。

豪華な具材は全然ないけれど、
かき揚げや、さつまいもの天ぷら、おいしかったなあ〜。

父や母は、食べる量がぐっと減り、私だけがモリモリ食べるだけ。
年々できることが減ってきて、心配も増えるけれど、
それでも、こうしておしゃべりしながら食卓を囲めるひとときに感謝です。

実家に帰ると、一応パソコンは持っているので、
メールを返したり、少し仕事はするけれど、原稿を書いたりは、ほぼできません。
「明日はあの仕事だけしておこう」
と思うのだけれど、父や母と話したり、
掃除や洗い物の手伝いをしているうちに、あっという間に1日が終わります。

いつも「あれしなくちゃ、これしなくちゃ」と仕事のことばかり
考えている私は、
こうして強制終了の環境にいると、
「仕事をしないでも生きられる私」がいることを改めて思い出します。

今いる環境の一歩外に出ると
「これしなくちゃ」ということが、思い込みだったのかもしれないと、
さらに、「もうひとつ」の大切なものもここにあるのだと気づきます。

朝ご飯を食べたと思ったら、すぐに昼になって、
昼ご飯の洗い物を終えたと思ったら、もう夕飯の準備をしなくちゃいけなくて。
人って、毎日「食べる」ためだけに生きているのかもなあと思えてきます。

人って何かを成し遂げようとジタバタするけれど、
毎日ちゃんと作って食べる、というだけでも、
十分にすごいことなんだよなあ〜。

たまの実家LIFEもいいものです。

みなさんは、ご実家でどんな時間を過ごされるのでしょうか?

今日もいい1日を


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