豊かさとは、自分のために使うと決まっていないリソースがあること。

ここ数日は朝は曇っていることもあり、
5時すぎにウォーキングに出ると、まだあたりは薄暗く、
どんどん日の出が遅くなっているなあと感じます。

テクテク歩いて30分間。
この時間は、まさに宇宙と交信している気分。
地球の自転を、天体の動きを、季節の移ろいを……
と当たり前の毎日を、す〜〜〜っと天の上に上がって見ている感じ……。
こうやって、視座を変えることって、意外に大事だなあと思うこのごろです。

三連休の最終日。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

私は先日オーディブルで、今映画化で話題になっている「宝島」を聴き終わりました。
沖縄という地で繰り広げられた歴史と、人々の物語に引き込まれ
ずっと聞いていたので、
他のポッドキャストはちょっとおやすみ。
やっと終わったので、久しぶりに「コテンラジオ」を聞いてみたら………。

番外編の「余白があれば画を描ける!二つの価値からひもとく新時代の経営理論」
という回がめちゃくちゃ面白くて、
掃除をしながら聞いていましたが、
雑巾をちょっと横に置いて、メモをとりながら聴きました。

「ポスト資本主義」を模索しているという深井龍之介さん。
会社は「意味価値」と「財務価値」で動かさなければいけない、
という仮説について語っていらっしゃいました。
お金を稼ぐというのが財務価値。
それに対して、
「それ」をやることに、どういう意味があるか?と考えるのが「意味価値」。
お金は儲からないけれど、意味はある。
そんな価値も大事なのだと……。
経営とはその両輪で回さないといけない……。

そのあたりの詳しいことは、ぜひラジオを聞いてみてください。

このお話の中で、私がなるほど〜と思ったのが
「豊かさ」の定義でした。

「豊かであるとは、余剰があるということ。
余剰とは、自分のために使うと決まっていないリソース、
つまり、他者と分かち合えるリソースをどれだけ持っているか」

と深井さん。

そっか〜!
これは、会社の経営でなくても、個人でも同じだなあと思いました。
そして、どんな人でも、
ビジネスで成功している人も、していない人も
ビジネスをしていない人も、
学生でも、主婦でも、会社員でも、フリーランスでも、アーティストでも、ミュージシャンでも
どんな立場の人でも
「自分の中に、自分のために使うと決まっていないリソース」
を持つことはできるよなあと思ったのです。

おかあさんは、自分より子供のためにリソースを使います。
仕事で忙しくても、友達が失恋すれば寄り添って話を聞くし、
お金がギリギリでも、母の日に花一輪買う子供がいます。

豊かさって、そんな「自分以外に使うと決まっていない」空間や、時間を
心の中に持っているってことなんだなあ〜。

そんな中、朝イチでSKY-HIさんが出演されているのを見ました。
私財1億円を投げ打って、
埋もれていく才能をすくいあげようと、オーディションを開催。
その様子はテレビでも放映されました。

私はあんまり見ていないけれど、
そこから出てきたのが、BE ;FIRSTや、最近話題になっている女性グループNo No Girls。
そして、いちばん最近出てきたのが、10代のボーイズグループSTARGLOWなのだとか。

オーディションの合否は、その人の人生を左右するから、
エンタメとしてだけでなく、
そこに集った若者たちの、「その後」の人生までを真剣に考えている、
と語っていらっしゃいました。

たとえば、ひとりの13歳の男の子は、とても才能があって、
ドキュメンタリー番組を放送するにつれ人気も出てきていたけれど、
あえて不合格に。
それは、その時デビューしてしまったら、
その子が消費されてしまうだけ、というのが見えていたからなのだそう。

その不合格になった子は、
その後のオーディションに再トライして、
このたびSTARGLOWのメンバーになりました。

番組では、13歳だったときのかわいい姿と、
今、身長が20センチも伸び、すっかりたくましく成長している姿が映っていて
人を育てるってこういうことなのか〜と、
感動してしまいました。

これまで、私は本当に自分のことしか考えていなくて、
物書きとして成功したい、と一人勝ちすることばかり考えてきたけれど、
それでは幸せにはなれない、とやっとわかってきたところ。

自分がやってきたことを、その中で分かったことを、
ほんの少しでも誰かの役に立てられたら……。

深井さんは、そのリソースの割合をちゃんと決めておくことが大事、
ともおっしゃっていました。
決めないと、他者のために使うリソースは永遠に0%です。

私は、「書く」ことが仕事だけれど、
自分が暮らしの中から掘り出した真実を、
誰かがちょっとでもラクになった、と感じてくださるように、
丁寧に書いていきたい。
ライター塾で「書く」ということをお伝えしているけれど、
参加者のみなさんが書いてくださった文章を
全力で読む。
それに対するコメントを、心から書いていこう、
と改めて思ったのでした。

自分の心の中にある空白のスペースをちょっとイメージしてみる……。
そこから何かが変わるような気がします。

みなさんは、どんな余白をなんのために使われますか?

今日もいい1日を


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