おしゃれって「こだわり」を手放すこと!?「大人になったら着たい服 2025年春夏」本日発売です!

東京では、初夏のような気温が続いています。
来週はまた寒くなるようですが……。
やっとセーターをクローゼットから取り出して、
シャツやブラウスにアイロンをかけ、
衣替えをしました。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
さて!
じゃ〜〜ん!
本日「大人になったら着たい服 2025年春夏号」が発売です〜!

今年1月からずっと取材に飛び回っておりました。
表紙は「シャビージャンティール」オーナーの石原左知子さん。
最近、再び注目されているデニムを
歳を重ねてからどう着こなせばいいか
教えていただいた特集「大人のデニムはバランスが命」の中の1枚です。

20代で初めて上京したとき、
よく通ったのが、代官山にあった知る人ぞ知るセレクトショップ「シャビージャンティール」でした。
上質な大人の生活に必要なものがそろう店内は、
当時の私にとって
ちょっと緊張するような、背筋が伸びるような空間だったなあ〜。
そのオーナーである石原さんを
初めて「大人になったら着たい服」で取材させていただいたのが10年前のことでした。
10年が経った今もかっこいいなあ〜。

今回の取材で感じたことは、
素敵でかっこいい方はみんな、
「こだわり」をすっぱり手放しているということ。
「これじゃなきゃ」とブランドにこだわったり、
「このやり方じゃなきゃ」と自分の仕事のスタイルにこだわることなく、
「今」これがいい、と
柔軟に思考を変化させ、自由に伸びやかに
おしゃれも、仕事も暮らしも楽しんでいらっしゃいました。

鬼塚左知子さんは、60代後半の今も、
いろいろなブランドから頼りにされるパタンナー。
私が大好きな「シュヴァル・プラス」のパターンも手がけていらっしゃいます。

パターンは、時代とともに変わっていくもの。
だから、自分が「これがいい」と思い込まないで、
「今の風はどんなふうかな?」
と観察し、「変化を受け入れる人になりたいですね」
と語ってくださいました。

おしゃれも同じ。
昔は「ルブタン」のヒールを履いていたけれど、
最近は足が疲れるので、ぺったんこなバレーシューズを。
それも、ご自身でネットで見つけたリーズナブルなものなのだとか!

もしかしたら、最高のものを身につけて、
体験したからこそ、
値段やブランドにこだわらず、
自分らしいものを選び取る目を持つことができたのかもしれませんね。

アートディレクターのさいとう羽留見さんは、
シルバーヘアを後ろでキュッと結んだ
最高にかっこいい方です。

でも、撮影の際「これはどこの服ですか?」
と聞いても「さあ、どこだったかしら〜_?」
とまったく把握されていない!(笑)

時には、「これは、GUで見つけたのよ」
とおっしゃってびっくり!

一昨年に夫を見送り、70代の今、もう一度再起動をして
自分の仕事を始めようとされています。

一番印象に残ったのは
「レールを敷いてしまいたくないんです。
崖っぷちから落ちたくないけれど、
縁を歩いていたい。
安定しかけると、壊したくなるんですよね」という言葉。

すごいパワーだなあ〜。
人は、ギリギリの崖の上でしか、見つけられないものがあるのおかもしれません。


「ヨーガンレール」のプレスの武安輝子さんは、
夏でも、ノースリーブか長袖しか着ない!
という自分スタイルを持った方。

両親から自立したくて、単身フランスへ。
帰国後、「ヨーガンレール」に就職し、
子育てをしながら、がむしゃらに過ごしてきたそう。

そんな武さんが今大切にしているのが、
ご両親から譲られたアクセサリーや時計など。

外にでて遠回りして、
やっと「親に与えてもらったもの」の存在に気づいたのだといいます。

「無理に自立しようとするより、
親に与えてもらったものを
生かす術をやっと見つけました」という言葉が印象的でした。


寺谷真由美さんは、私の地元でもある兵庫県で、
知る人ぞ知るヘアサロンを営む方。

毎日髪のケアに関するインスタライブをしていらして、
取材前からよく拝見していました。

寺谷さんも、ブランドにはまったくこだわりがない方。
でも、「白シャツは、必ずクリーニングに出して真っ白で着なくちゃ」
と独自のマイルールをお持ちです。

実は若い頃、お母様から会社を受けついだ時には、
全身ブランドもので固めていた時期もあったのだとか。

「40歳をすぎて、
ブランドに助けてもらわなくても、
やっと自分のおしゃれができるようになりました」
と教えてくれました。

河内康子さんは、3年間仕事をセーブして、
お母様の介護にあけくれ
昨年見送られたばかり。

ダンス講師として独立したばかりだったのに、
介護の日々になり、
どこにも出かけられない、誰にも会えない、
というつらい時期を過ごされたそう。

でも、しっかりとお母様と向き合ったことで、
「やれることはすべてやったと思えたんです」と語ります。

そんな河内さんのおしゃれは、無理をしないこと。
シャツをTシャツ感覚で着こなしたり、
迫力があって楽ちんなワイドパンツを組み合わせたり。

ダンスの仕事を始める河内さんのこれからが楽しみです!


そして!
今回、大緊張して出かけたのが、
スタイストの伊藤佐智子さんの取材でした。

大河ドラマ「べらぼう」の衣装デザインを手がけたり、
ネットフリックスのドラマ「阿修羅のごとく」でも衣装デザインを担当。

引っ越したばかりという素敵なご自宅で撮影をお願いしました。

そんなおしゃれのプロである伊藤さんに教えてもらったのがこんな言葉です。

「ひとついえるのは、迷ったら買う!
着てみないと何もわからないんです。
買わないで後悔するより、
買って後悔したほうがずっといいんですよ!」

なるほど〜。
失敗することも、おしゃれの第一歩なのかもしれません。


「パーマネントエイジ」さんのページには、
涼しいアイテムが勢揃い。
でも、ちゃんと「ちょっとキレイめ」であることが大事。

爽やかな、多佳子さんと桃井さんの着こなし、必見です!

今回も、大人気の通販ページがあります。
毎回たちまち売り切れてしまうので、どうぞお早めに〜。

この「大人になったら着たい服」は、
単におしゃれのノウハウではなく、
その人の、生き方、暮らし方を、じっくり読んでいただけたら
嬉しいなあと思っています。

 

本日発売です。
よかったらぜひ〜。

みなさま、今日もいい1日を。


一田憲子ブログ「日々のこと」一覧へ