昨夜、東京は大雨が降り、
今朝、雨上がりの空気の中歩いてきました。
すると、たった一輪のピンクの彼岸花が咲いているのを発見!
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
「暮らしのおへそ」の表紙の写真を
2014年〜2020年まで撮ってくださったカメラマンの日置武晴さんが亡くなりました。
あまりに突然で、あまりに早すぎて、
先日、ご葬儀に行ってきたのですが、
今だに信じられません。
きっと、この先も「あ、このページ、日置さんに写真撮ってもらいたい!」
と考えちゃうんだろうなあと思います。
本当に、唯一無二の写真を撮ってくださるカメラマンでした。
確かに今、目の前にあるモノなのに、
日置さんが撮ると、まったく別の世界がそこに立ち上がって
毎回「えっ!こうなる?」
とハッとする驚きにワクワクしたもの。
当時の「おへそ」の表紙は、ひとつのモチーフだけで構成していて、
たった石鹸1個、
たったショートケーキ1個で、
本屋さんに並んだときに、ぐっと人を惹きつける
写真でなければいけません。
日置さんは、その力を宿した写真を撮ってくれました。
配置も、切り取り方も、色も光も抜群!
日置さんの目には、世界はいったいどう写っているのだろう?
どんな物差しで、風景やテーブルの上を切り取るのだろう?
といつも思っていました。
しかも仕事が早い!
「おへそ」の表紙の撮影は、
だいたい朝10時にみんなで集合し、
スタイリストの城素穂さんがスタイリングをしてくださり、
日置さんが、場所を考えて、
パシッと撮れば、一発でOK!
1時間〜1時間半で終わってしまい、はい、解散!
迷いのない仕事って、すごいなあ!
1冊1冊の本の表紙には、
それを撮影した日の思い出が詰まっています。
26号では、城さんがドーナッツをご自身で作って揚げてくださり、
揚げたてを「それ〜っ!」と運んで
撮ってもらったんだよなあ〜。
撮影が終わったら、揚げたてのドーナッツを
みんなでハフハフいただいて、おいしかったなあ〜。
日置さんは、食いしん坊で美食家。
ワインが大好きで、おいしいものをたくさんご存知でした。
フランスが好きで、自由奔放。
仲間内では「日置さんって、ほんとはフランス人なんだよねえ」なんて言っておりました。
私が、ちょうどスタイリストの曲田有子さんの著書を作っていたとき、
日置さんに撮影をお願いし、
その後、おふたりは結婚して、長男晴くんが生まれました。
その晴くんも、もう17歳なんですって!
家族3人で仲良く旅に出たり、おいしいものを食べに行ったり。
なのに……。
早すぎます……。
美しいものに対するこだわりも強くて、
いつもボーダーのTシャツを着て、
バッグから、ペン1本まで
いつも素敵なものを持っていらっしゃいました。
ご自宅の調理道具も「このボウルは、ここがよくてさあ」
と教えてくれたもの。
ウィットに富んでいて
我が家に撮影にいらして、あまりに廊下が寒くて
「この家には、床冷房がついているね」
と言っていらっしゃったことが忘れられません。
まだまだ一緒にお仕事がしたかった。
まだまだいい写真をたくさん撮っていただきたかった……。
日置さん、本当にありがとうございました。
お空の上で、いっぱいおいしいものを食べて、ワイン飲んでくださいね。
今日会った人と、再び再会することができないこともあるんだ。
そのことを思い知りました。
これから、感謝して、いろんな人と一緒に仕事をしたり、遊んだり、笑ったりしたいなあと思います。
みなさま、今日もいい1日を。