「ちょっと違う」でも、やってみる。

この時期あちこちで、紫陽花を見かけますね。
井の頭沿線も、紫陽花の中を走っているエリアがあり、
なんだか訳もなく嬉しくなってきます。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

つい先日お会いした人のお話が、ずっと心に残っています。

私は、飽き性のクセに、変化が苦手、という相反するものを併せ持つ妙な特性があります。
ずっと同じことを淡々と続けるのが苦手……。
でも、かといって、新しい環境に身を置いたり、新しいグループに属したりと、
「ゼロ」から新しいことを始めると、
「大丈夫かな?」「うまくいくかな?」とあれこれ心配になってしまい、
気がおも〜くなってしまいます。

でも、その方は、「ずっと同じ」が苦手なのだそう。
ずっと同じ状況が続き、「安定」が訪れると、
自分でそれを壊して、まっさらな新しい場所へ行きたくなるのだとか。

「それって、不安になったりしませんか?」
「ゼロからもう一度始めるって疲れません?」
と聞いてみると
「なるけど、不安の中で感じることが面白いし、
ゼロから始めるから、違う風景を見られるでしょう?」と彼女。

なるほど〜!おもしろい〜って思いました。
私とは真逆なんだけれど、
そんな彼女の「ゼロに戻って始まる世界の楽しみ方」を
なんだか味わってみたくなったのです。

ここ最近、気になるワードが「違い」です。
私は、今まで自分の気になるモノやコトだけ、
つまり、自分が好きなことだけに、自分の注意を向けてきたように思います。

そして、あまり好きでないことが目の前にきたら
『これはちょっと違うし……」とスルーしてきました。

でも……。
これを続けると、いつも同じような匂いの世界しか
知ることができなくなります。
すると、ハッと驚くような発見や、価値観がひっくり返るような驚きと遭遇しません。

あまりにも私は、自分の「好き」のストライクゾーンを狭めすぎていたんじゃなかろうか?
と思うようになりました。

今、「暮らしのおへそ」の取材のまっただ中ですが、
「誰を取材する?」というとき、
おへそチームみんなで話し合います。
「この人はどうですか?」と提案してもらったとき、
まったく私が知らない人の名前もあがります。
すると、まずはその人を知るために、本を読んだりと調べ始めます。
自分の辞書の中にはなかったジャンルの人だったり、
ひとりなら出会うことがなかった人だったり……。

その本を読んでみて「めちゃっくちゃおもしろい!」とびっくりすることがしょっちゅう。
知らない世界を知るって面白いなあと思います。

その入り口となるのが「ちょっと違う……」の中から選ぶということ。

ちょっと違う……という映画を見てみたり、
ちょっと違う……と思うライブに行ってみたり。

それって、かなり面倒なことです。
だって、行ってみないと、その先に素敵な世界が広がっているかどうかは、わからないから……。

私がストライクゾーンを狭くしてきたのは、
失敗したくなかったからです。
自分の「好きな海」だけ泳ぐ方が、間違いないし、絶対に心地いい。
「ああ、違った」と時間を無駄にしたような後悔を味わうこともありません。

でも、その効率を求める進み方が、
自分の頭や心を固くしちゃってるんじゃなかろうか?
と思うようになったというわけです。

目の前に2冊の本があって、
「こっちは、私が好きないつもの感じ」
「こっちは、知らないし、あんまり興味がない感じ」
なら、
あえて「あんまり興味がない感じ」も、選んでみたい……。
そうしたら、世界がちょっと広がるんじゃないかな?

つい最近、勧められてピンクのパンツを買いました。
いつもの通り、ネイビーやグレーのパンツだと間違いないはず……。
でも、そのときは、勧めてくれた人の提案にのってみよう!と思ったのでした。
やっぱり着ると、なんだか恥ずかしいんですが、
履いて出かけると、別人になったような気分になります。

「違う」ことの中には、まだ見ぬワクワクの種がぎっしり詰まっているはず……。
ちょっとずつ、その種を拾ってみよう!と思うこのごろです。

みなさんは、いつもと違う種、拾ったことがありますか?

 

今日もいい1日を〜!


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