自分のキャリアと、若い人の言葉に耳を傾けること。

この週末は初夏のようでしたね〜。

庭の白い山吹の花が満開で、
いつもは5月の、私の誕生日近くに咲くつつじも花開き、
街中では、ハナミズキが咲いている様子を目にします。
なんだか今年は、全ての花が早くて、季節が一歩先に進んでいるよう。

そんな気候がちょっぴり心配にもなりますが、
朝のウォーキングは花探しのようで、楽しみです。
今朝の朝焼けも、雲ひとつなくて、きれいでした〜。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

さて……。
このごろ、上手に歳を取りたいなあと思っています。
できれば、若い人たちと、楽しく過ごしたいし、
同年代とは、仕事や職種という枠を外して、今までの「立場」を卒業して、あれこれおしゃべりしてみたい。
年上の方々には、上手に甘えてみたい……。

でも、特に仕事では、後輩たちの言葉に素直に耳を傾けることの
難しさを実感しています。

若いスタッフと一緒に仕事をするとき、
私たち、出版業界では、年齢も男女も関係なく、みんなが対等に話し合うのが通例です。

ただ、やっぱり年上の私たちは、若い人より経験値が高いし、
「こうすべき」「こうありたい」という自分の意見もあります。
今まで、数々の経験を積み重ねてきたからこそ、
「こういうときは、こうした方がいい」
という確信があるし、
若い頃は、自信がなくて言えなかった、そんな自分の意見も
はっきりと言えるようになってきます。

けれど……。
ふと気づくと、若い人たちの意見を知らず知らずのうちに押し除けて、
自分のアイデアだけを押し通して、仕事が進んでいる……。
あれ?
大丈夫かな?
とふと立ち止まって考えます。

「私、ちゃんと若い人たちの言葉を聞けているかな?」って……。

若いスタッフが「こうした方がいいと思うんですけど」
と言った意見が、
ずいぶん以前に私が通って、失敗したことだったりすると、
「いやいや、そうじゃないでしょ」
と言いたくなります。

でも……。
自分の中の確信を、ちょっと横に置いておいて、
「ふむふむ。それはどうしてそう思うの?」
と聞ける人になった方がいいのかなあと思うのです。

なのに、これが難しい。

これまで積み上げた経験から得た確信を大切に仕事を進めること。

それを一旦手放して、
今、仕事を始めたばかりの若いスタッフが言う言葉に従ってみること。

このふたつを両立することが難しい……。

つい自分の中だけの「正義」に従ってしまって、
「これも正しいけれど、あっちも正しいかもしれない」
という柔軟性を失っているなあと思うのです。

このサイトでなんども紹介しているように
コテンラジオの深井龍之介さんは「他人の文脈で、その人を理解しないと」と言います。
自分の「文脈」の中でその人を理解してもなんにもならない。
「その人の文脈」の中に潜り込んでこそ、見えてくるものがあります。

「しっかりしなくちゃいけない」
と思えば思うほど、
自分の意見に固執するようになります。
でも、歳を取ったからこそ、「ゆらいで」みることが大事なのかもなあと思うこのごろ。

私はこう思うけれど、
あの人の意見も一理あるのかもしれない……。

今までコツコツと確立してきた「キャリア」というものに
もたれかからないように。
握りしめてきたものを、上手に手放せるように。

それは、すごく難しいことだから、
せめて、自分が「できていない」ってことを、
忘れずにいたいなあと思うこのごろです。

みなさんは、どんなふうに歳をとりたいですか?

今日もいい1日を〜。

 

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