ドライカレーとアンパンマン 決してひっくり返らない正義って?

今日は、ウォーキングに出たものの、小雨が降っていて
「大丈夫だろう」と歩き出したものの、
だんだん強くなってきて、途中で諦めて
くるりと引き返してきました。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

突然ですが……。
最近、母に教えてもらったレシピでドライカレーを作るのにはまっています。
我が家は、夫がお酒を飲むので、
基本的に夕食に「ご飯もの」や「麺類」が並ぶことはほとんどありません。
だから、夫が出張でいないとなると、
私はラーメンを食べたり、パスタにしたり、
時々、カレーが無性に食べたくなって、玉ねぎを飴色に炒めてカレーを仕込みます。
そんな中に仲間入りをしたのがこのドライカレー。
これがね〜、なかなかおいしいのですよ!

にんにく、玉ねぎ、にんじん、ピーマンをとにかく細かく切って、
玉ねぎ、ニンニクをバターで炒め、
合い挽き肉250g加えて、
全体に火が通ったら、ケチャップ大さじ11/2、カレー粉大さじ11/2、塩少々、
鶏がらスープ小さじ1/2を加えて、
りんごを1/4個ぐらいすりおろして加えます。
(りんごがない時には、私はお酢と砂糖少々を)

ここに、レーズンのみじん切り大さじ1ぐらいと、
ピーマン3個ぐらいをみじん切りにしたものを加えてできあがり〜!

水をまったく入れないのと、
ピーマンのシャキシャキ感を残すのがポイントです。

大量に作って、まずはできたてを一人で食べて、
残りは小分けにして冷凍しておくと、
「あ〜、今日はもうご飯作れない!」という日に大助かり。
夫は昼にそれを解凍して、自分で食べたりしております。

と〜ってもおいしかったので、もしよかったら作ってみてください。

さて……。
ここでも時折書いていますが、
掃除をしながら、ご飯を作りながら、ポッドキャストで「コテンラジオ」を聞いています。
あるときは「民主主義」の歴史、ある時は、「菅原道真」、ある時は、「オスカー・シンドラー」
など、今までさまざまなテーマを面白く聞いてきたのですが、
先日終わったばかりのエピソード48は、なんと「やなせたかしさん」でした。
え〜? 「コテンラジオ」でアンパンマン?
とあまり乗り気でなかったのですが、
聞いてみると、ぐぐぐい〜〜っと引き込まれました。
昨日、全6回が終わったばかりなのですが、学ぶことがてんこ盛りでした。

やなせたかしさんが、アンパンマンを世に送り出したのは、60代になってから。
それまで、薬会社に勤めたり、デザイナーとして働いたり、絵本を描いたり。
でも、なかなか自分が思う通りの作品を発表する場に恵まれなかったそうです。

そんなやなせさんの根底にあったのは、戦争体験。
いちばん苦しかったのは「飢え」だったそう。

そう!
だからこそ、アンパンマンという「食べること」にまつわるヒーロー、
自分をちぎって、人に差し出す、というヒーローが生まれたというわけです。

私がいちばん感動したのは、
やなせさんが、アンパンマンにどんな哲学をこめたのか、というお話。

それまで世間で人気だったのは、スーパーマン、バッドマン、スパイダーマン、月光仮面、ウルトラマンなどの
ヒーローたち。
やなせさんは、それを見て「嘘くさいな……」と思ったそう。

悪い奴を倒して、ビームで怪獣を倒し、街を破壊して……。
でも、本当に困っている、飢えている人や悲しんでいる人、苦しんでいる人を全然助けていない。
それで正義の味方なの?って。

(もちろん、かつてのヒーロ物語には、深い意味が込められているものもあります。
これは、あくまでやなせさんの想いだったということです)

「どんなに戦っても、正義の味方は着ている服が破れたり、汚れたりしない」
「僕たちが、戦争から引き上げたときには、服はボロボロで真っ黒に汚れていたのに」と……。

そんなヒーローたちの姿は「自分のことだけをアピールしている」ように見えたそう。
「自分が正義と思っているヒーロは嘘くさい。
どこかの国で戦争が起こったら、何が正しいかなんて、簡単にひっくり返ってしまう」と……。

そんな中で、本当の正義を行う、新しいヒーローを描きたいと思っていたといいます。

ある日突然「善と悪」は逆転する。
逆転しない正義ってなんなのか?
そこで思い立ったのが「食べ物」だった!

目の前で飢えている人にパンを差し出す。
その正義は、ぜったいに逆転しないと……。

こうして生まれたのがアンパンマンでした!

 

うわ〜〜すごい!
と思いました。

世の中で当たり前にもてはやされている「ヒーロー」に、「それ、ほんと?」
と疑問を持つことって、なかなか難しいものです。
その突破力となるのが、やなせさんにとって「戦争」という体験でした。
つまり、自分のまわりにある既存の価値観に「それ、ほんと?」
という疑問を投げかけるための力となるのは、自分自身の体験なんだ、ってこと。
「私があの苦しい思いをしたとき」
の痛い想いが、真実を掘り出す力になる……。

なにがあっても、ぜったいにひっくり返らない真実を見つけ出す。
そのために、私たちは、いろんなことを体験しながら、
自分だけの「目」を育て、
社会をもう一度、その「目」で再確認し、再構築し、
何を大事に生きていくかを発見し続けていくんだなあと思いました。

コテンラジオ」では、
もっと詳しく、やなせさんの幼い頃からの歴史を語ってくださっています。
よかったらぜひチェックしてください。

ということで……。
今日は、ドライカレーとアンパンマンのお裾分けでした〜。

みなさま、今日もいい1日を。


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