1冊の本ができるまで。自分の思いを話してみたら……。

昨日は、半袖で歩いている人がいるほど、
暖かいを通り越して暑い1日でした。
朝、ウォーキングに出かけると、桜はもちろん足元にも、いろんな花が花盛り!
「あら〜、いつの間にかこんなに増えたの〜」
と心の中で話しかけながら歩いています。(笑)

 

さて!
拙著「すべて話し方次第」(KADOKAWA)を出して1週間ほどが経ちました。
お手にとっていただけたでしょうか?

本を出す、ということに興味を持っている方もいらっしゃると思います。
そこで、今日は1冊の本ができるまでをちょっと書いてみようかと思います。

自分でも読み返し、帯がよれてしまった愛おしい本

 

30代〜40代の初め頃数冊の本を出してから、
「暮らしのおへそ」「大人になったら着たい服」などのムックを立ち上げたものの
自分の本は、長年出すことができませんでした。

そして、久しぶりにオファーをいただいたのが、
ソフトバンククリエイティブから出した「かあさんの暮らしマネジメント」という1冊です。
このとき、私は「外の音、内の香」を立ち上げたばかりで
そのサイトのお問い合わせページから、ご連絡をいただいたのでした。
サイト経由で仕事の依頼をいただくのが初めてのことだったので
「え〜? こんなふうに連絡くるんだ!」と驚いたし、
「むむ、大丈夫?」とちょっと心配になったのも事実です。
しかも、私には子供がいないのに
「お母さんの暮らしの回し方、時間の使い方について書いてほしい」と言われて
「え〜?できるかな?」とかなり悩みました。

この時、担当くださった編集者、八木麻里さんが、
その1年後、「一田ご自身の暮らしを書いてください」と言ってくださって
初めて、自分自身のことをしっかりと書いたのが「丁寧に暮らしている暇はないけれど」です。
この本は、重版を重ね、確か10刷ぐらいまでいって、たくさんの方に読んでいただきました。

「外の音、内の香」を立ち上げていなかったら、
お声をかけていただくこともなかったし、
テーマが私にはちょっと向いていないかも?
と思ってお断りしていたら、次には繋がっていなかったと思います。

サイトを立ち上げたことは、
「私はここにいます」ということを伝えてくれたし
「誰か見つけて!」という声にならない声を届けてくれたなあと思います。
(その後、今のコンテンツ「私を見つけてプロジェクト」が生まれました)

そして、自分に合っているかどうか、なんて考えずに
まずは「やってみる」「書いてみる」ということが
当時の私には必要だったなあと思います。

今回出した「すべて話し方次第」(KADOKAWA)の担当の編集者、中野さなえさんは、
かつて「レタスクラブ」で、
年上の先輩に話を聞きに行く連載に声をかけてくださり、
一緒にいろんな方にお話を聞きに行きました。

そして、私がこのサイトを立ち上げたときに作った
ビジネスピープルからの贈り物」というコンテンツを面白がってくださり、
これを本にまとめたのが「キッチンで読むビジネスのはなし」です。

その後、ライター塾を立ち上げたとき
「どんなことを教えているんですか?」と興味を持ってくださって
その内容に加筆して出したのが「書く力」になりました。

私にとって、サイトのコンテンツは
「今、私はこんなことに興味があります」と
みんなにおしゃべりしているようなものでした。

こんなふうに思い返してみると、
「こんなことやってみたいな」「こんなことが好き」「こんなことを書いてみたい」
と言葉にすることから
すべてが始まっているなあと思うのです。

「私なんて……」ともじもじする気持ちももちろんあるけれど、
その奥には、必ず「私だって……」という本音が潜んでいました。

だからこそ、思い切って「私はこれをやってみたい!」と
言葉にすることはとっても大事。

しかも言葉に出してみると、
「と言いながらこれをやってみたい、の『これ』ってなに?」
と、自分がなにもわかっていなかったことに気づいたりします。

つまり「言語化する」ことからすべてが始まるということ。

準備が整ってから。
力がついてから。
と思いがちだけれど、
まだ形が見えていなくても、その「形が見えない今」を語ればいい。
今、そう思えるようになりました。

すべて話し方次第」には、こんなふうに書きました。

「話す」ということは、自分の中にあるものを引っ張り出すということ。
個人の体験は、「出す」というプロセスを経て、輝き出すものです。

 

今、何がやってみたいのか?
話してみたら、何かいいプレゼントを受け取ることができるかもしれません。

みなさま、今日もいい1日を。

 

 

 

 


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