お気に入りのバッグってどんなの?

今日から4月ですね〜。

急に暖かくなって、いろんな花が顔を出し、朝のウォーキングが一層楽しみになってきました。
小さなすみれを発見!
この一体は、もうちょっとすると、すみれ一色になるのです。
ワクワクするなあ〜。

さて!
「北欧、暮らしの道具店」さんのサイトでご覧くださった方も多いと思うのですが、
先週3月28日に、
去年1年をかけてコラボで作っていたバッグが発売になりました〜!

店長の佐藤さんから「一田さんと一緒にバッグを作りたいんですけど」
とお声をかけていただいたとき、
嬉しい反面「いやいや……ちょっと待って!」と思ったのでした。
「私にできるかな?」って。

だって、ものづくりなんてしたことないし、
どんなバッグがいいかなんてわからないし……。

そして、自分自身に問いかけてみました。
「どんなバッグだったら欲しい?」って。

ライターという職業柄、資料や見本誌や、レコーダーやときにi padなど
荷物が多いワタクシ。
そんなあれこれがちゃんと入って、スマホも取り出しやすくて……。

でも……。
バッグって機能的であるだけでは、「持ちたい」って思わないんだよなあ〜。
というのが正直な気持ちでした。

やっぱり、バッグって見た目が大事!
持ちやすかったり、なんでも入ったり、持って軽かったり……
という条件は、2の次なのです。
シンプルだけれど、「形」が美しくて、
一目見ただけで、「わあ、いいなあ〜」って思えるバッグがいい。

そのためには、私ひとりの力ではとうてい無理だ、と思ったのです。

そこで、無茶な要望をぶつけてみました。
私は、「ここにポケットが欲しいとか、こんな大きさがいいとか、
機能面での提案はできるけれど、
どんなバッグの形にすれば、美しくなるか、
いちばん大事な『デザイン』を提案できません。
だから、『デザイン』できるプロと一緒にやらせてくださるのなら、
できそうです」って。

そんな私のわがままを「わかりました」と聞いてくださった佐藤さんやスタッフのみなさん。

でも、今度困ったのが、プロって誰?
という問題……。

ちょうどそう考えているときに、たまたまランチを一緒にした友達が持っているバッグが目に止まりました。
「それって、どこのバッグ?」と聞いてみたら……。

それを作っていたのが、革小物のブランド「a」(アー)のデザイナー、講神いつ実さんでした。

そこで、今回のバッグ作りのサポートを講神さんにお願いしたい!
とお伝えしたのでした。

こうして、やっとバッグ作りが始まりました。

ところが!
ここからがまた大変!

打ち合わせをして、「こんな形がいいかも」とプランを出し合い、
サンプルを作ってもらいます。
でも、ファーストサンプルがあがったら、なんだか違う……。
あれ?

ここで私はゼロからものを作る難しさを思い知ります。
今すでにあるものを「もうちょっとこうがいい」と意見を言うのは簡単ですが、
まだ何も形がないものに対して「こうがいい」とゼロからイチを生み出すことの難しさといったら!
いったい何が正解かがまったくわからなくなってしまいました。

「もうこのバッグづくり、無理かもしれない……」
「ごめんなさい、って言って、降りさせてもらおうかな?」とも考えたほど……。

スタッフのみなさんと「むむむ……」と悩んでいたところに、
登場したのが佐藤店長です。

佐藤さんが言ってくれたのは、
「私が『これがいい』と決めるのではなく、
『これがいい』と決めるのは、お客様だと思うんです」
ということでした。

この一言に、ぐっと声が出なくなりました。

そっか。
私は絶対に自分がいいと思うものを作ろうと思ってた。
いいものを作って、みんなに「どうじゃ!」と見せることばかり考えてた。
でも、そもそもそんな「いいもの」を私が作れるなんて、思い上がりだったかもしれないって。

だったら、「こんなのがいいかも……」って出してみて、
お客様に気に入ってくださるかどうかを聞いてみればいいんだって……。

もちろん、スタッフのみなさんは「これがいい」とギリギリまで考えて、納得してものづくりをされています。
でも、そのものさしとなるのは「私」じゃない。

ここで、「隣にいる人に託す」ものづくりの基本を、
改めて教えていただいた気がしたのでした。

そうやって、ちょっと心のスイッチが切り替わった頃、
セカンドサンプルがあがってみると……。
あれ?
あらら?
どうした?
なんだかめちゃかわいいじゃん!
これって、めちゃいいじゃん!

と思うことができたのでした。

それは、私が「ここがちょっと違って……」「もうちょっとこんな感じがよくて……」と
わけがわからないまま呟いた言葉を、
ちゃんと形としてバッグのデザインに落とし込んでくださったからこそ。

横に長くて、高さがちょっと低め、マチが広めなのが、このバッグのデザインの特徴です。
だから、ちょっとかわいい……。
使うほどに味わいが増す革製がいい、と思ったけれど、
でも重たいのはイヤ。
そうして講神さんが選んでくださった素材は、
革なのに、驚くほど軽いのです。

そして、持ち手は肩にもかけやすい長さで、華奢で細い。
これも美しさの理由です。

荷物が多い……とずっと思っていたけれど、
歳を重ねて、
今、荷物を減らす努力をし始めているワタクシ。

財布も手帳も小さく、薄いものに買い替えました。
だからこそ、働き盛りより、ちょっとだけ小さめ、
というのも気に入っているところです。

仕事に持っていくのはもちろん、
ちょっとしたお出かけにも活躍してくれるはず。

詳しいことは、
「北欧、暮らしの道具店」のサイトをご覧ください。

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洋服とバッグのコーディネートの動画はこちらです。

バッグって、一緒に過ごす時間が長いからこそ、毎日「ああ、かわいい」って手にしたいものだなあと思います。
よかったら見てみてください。

みなさま、今日もいい1日を。


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