新刊が出ます。「すべて話し方次第」(KADOKAWA)

足元の小さな花を見つけるたびに、嬉しくなるこのごろ。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

じゃじゃ〜ん!
新刊が出ます!

 

「すべて話し方次第」(KADOKAWA)が、3月28日(木)発売です。

私は「書く」ことが仕事ですが、
今回の本のテーマは「話す」こと。

しかも、いつもここに書いているように、
私は「明るく閉じて」いる性格なので、
誰もとすぐ仲良くなれるわけではないし、
仕事モードになったら、あれこれお話できるのに、
プライベートでは、自分からどんどん話しかける……ということは苦手です。

それでも……。
歳を重ねるごとに「話す」という力は、なんて大きいのだろう!
と思うようになりました。

自分だけで知り、気づくことができることなんて、ほんとにわずかです。
私たちは、知らず知らずのうちに、
人と話すことで、それを自分の心と共鳴させ、
そうか! と新しい真実に気づくし、
まったく違う方向から考える、という「視点」を獲得します。

でも……。
人の言葉に耳を傾けられるのは、
「私、わかってるもん!」という思い込みを
手放さなくてはいけません。
それがなかなか難しい……。

「聞く」と同時に大事なのが、
自分のことをちゃんと「話す」ということです。

私はインタビューが仕事なので、どちらかといえば「聞く」ことが得意。
でも、数人でご飯を食べて、ず〜っと「聞き上手」を演じていると
帰り道、なんだか物足りなかったなあ〜と思ってしまいます。

「こんなことがあってね」。
「その時、こう思ってね」。

誰かの前で、自分が経験したこと、考えたことを
ちゃんと言語化するには、
普段から「そのこと」を考えて、分析していなくてはいけません。

そして、「私なんて」と引っ込んでいないで、
ちゃんと自分の話をする……。

そうやって、「聞く」と「話す」のバランスが取れたとき、
会話はとても豊かになります。

「はじめに」にはこんなふうに書きました。

じっくり悩みを相談したり、未来の夢を語り合ったりしないまでも、
そうした日常の何気ない会話の中で、
私たちは一人では到底体験し得ない「もうひとつの人生」のかけらを
手渡してもらっています。

「話す」「聞く」という言葉の交換に目を向けられたのは、
私がこの年齢になったからこそ、だと思っています。

イントロには

誰かと話すということは
自分一人で生きているんじゃない
と知ること。

と書きました。

ずっと、自分で頑張り、自分の力で獲得し、自分で成長しようとあがいてきたけれど、
それには限界がある、
とやっと気づいたこのごろ。

そうしたら、人の言葉が急に胸にビンビンと届くようになったというわけです。

誰かと話す
ということの素晴らしさを思いながら
話し方、聞き方のちょっとしたコツを綴りました。

トピックはこんな感じです。

・「話す」ということは聞いてくれる相手に自分を託すこと

・自分の言いたいことを伝えるためには聞いている相手の力を借りる

・話すことは自分の中へ潜ること。そして、相手の違いに学ぶこと

・自分にとって「しょ〜もない」ことも相手に手渡せば輝き出す

・会話をすることは、相手と自分の境界線を溶かすこと

素敵なデザインは川島卓也さんと大多和琴さん。
しみじみとしたイラストは原けいさん
編集は中野さなえさんです。

「すべて話し方次第」(KADOKAWA)3月28日(木)発売
amazonでは、予約が始まっています。

もしよかったらお手に取ってみてくださいね。

 

 


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