「must」でなく「want」を。ミドルエイジクライシスの抜け出し方

少しずつ日の出の時間が早くなってきました。
上の写真は、昨日の朝。
雲ひとつなくて、すばらしい朝焼けでした。
ほんの一瞬のこんな美しい空に出会うと、神様からプレゼントを受け取ったような気持ちになります。

みなさま、三連休いかがお過ごしでしょうか?
私は、土日曜日はライター塾で、
朝から夕方までみっしりzoomで参加者のみなさんと一緒に「書く」ということに向き合いました。

今日は打ち合わせが入っていて、午後からは髪の毛を切りに行く予定。
フリーランスだと、平日とお休みの日の境目が曖昧で、
祝日はほとんど関係なく時間が過ぎていきます。
メリハリがなくてダメだなあと思うのだけれど、
もうこのペースが体に染み込んでいるので、淡々と毎日同じように過ごしています。

先日、球根の花を買ってきた、とここに書きました。
その後、チューリップは、昼になると「咲いた〜、咲いた〜」と歌が聞こえてきそうなぐらい
華やかに蕾を花開き、
夕方になると閉じます。

そして!
ふと気づくと、あんなにちっちゃくて、
ガラスの片口の中にちんまりおさまっていたムスカリが、
ぐいぐい伸びて、ガラスの外に出ているではありませんか!

「ひゃ〜、あなた、おっきくなったのね〜」
と思わず声をかけました(笑)


さて。
これも、先日ここで書いた「スイッチインタビュー」に出演していらした
精神科医の清水研さんの「他人の期待に応えない」
という本を読みました。

「はじめに」には、こんなふうに書かれていました。

「人生の中盤に差し掛かると、それまでの自分自身を振り返るとともに、
『このままでいいのか』という疑問が頭に浮かぶようになります。
そして、これからの人生に対して不安や葛藤を抱えてしまい、
精神的に不安定な状態に陥ってしまう人が少なくありません。
これを『ミドルエイジクライシス(中年の危機)」。
あるいは『ミッドライフクライシス」といい、
だいたい40代ぐらいからこの症状を感じる人が増えます」

清水先生ご自身も「優秀な医師にならなくちゃ」と仕事に邁進していた頃、
この「ミドルエイジクライシス」に陥って
それを乗り越えようと、ずいぶん苦しい思いをされたそう。

そんな体験と、ご自身がみられた癌の患者さんたちとのやりとりなどを通して、
どうしたら、長年持ち続けてきた「幻想」ともいえる考え方を手放すことができるか、
ということが、とてもわかりやすく書いてありました。

 

その「幻想」とは
「自分は成長し続けられる」ということ。
「社会に対応して成功すれば幸せになれる」ということ。

それを手放す方法のひとつが、
「must」を「want」に置き換えていくことなのだそうです。

「ねばならぬ」を手放して、自分が本当に望むことをする。

これは、どこかでよく聴く言葉でもあります。
でも、この本を読んだとき、
「ほんとにそうだ!」と素直に思えました。

難しいのは、自分の中で「must」と「want」の境目がよくわからなくなっていること。
「頑張ってやっているけれど、ちょっとつらいけれど、
でも、それって私が望んでいることなんじゃないかな?」
と思ってしまう……。
「must」を「want」に置き換えていることに、自分自身で気づきません。

本当の「want」を見つけるためには、とことん自分に正直になってみることが必要なのかも。

私の「want」ってなんだろう?
とじっくり向き合ってみたくなりました。

「あとがき」に、先生はこんなふうに書いていらっしゃいました。

「思うに、ミドルエイジクライシスを抜けるには、
今までやってきたことと正反対のことに取り組む必要があるという難しさがあります。
人生前半は『手に入れる」「挑戦する」「頑張る」という
プラスの方向が正しいことと考えて進みますが、
人生後半はまったく別のベクトル、
つまり「手放す」「あきらめる」「適度に休む」というマイナスの方向のことが
キーワードになります。
慣れ親しんできたプラスの方向の努力から離れるのは簡単ではありません。
(中略)
しかし、勇気を出してマイナスの方向に進んでみることを始めてみました。
頑張るのをやめだしたころ、『あいつはどうしちゃったんだ?』
みたいな声が聴こえてくると、とても不安になりました。
それでもさらにプラスの方向の頑張りをやめていくと、
景色が拓けてきました」

先生ご自身の体験から語っていらっしゃるからこそ、
ひとつひとつの言葉が胸に響きます。

よかったら、読んでみてくださいね。

みなさんの「want」はなんでしょうか?

 

今日もいい1日を


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