暮らしの中の本当の強さって?

昨日、打ち合わせで京橋に行ったら、桜??が咲いていました。
河津桜のような冬の桜なのかなあ?
道ゆく人がみんな写真を撮っていらっしゃいました。
季節は着実に前へ進んでいるようですね。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

連日の能登半島地震の被災地の報道を見て、
寒い中、体育館で寝起きする方々の様子に胸が痛みます。
せめて、水道やガスが復旧するまで、
どこかのホテルなどに移動して、暖かく過ごすことはできないのかなあ……。

能登には、知り合いの作家さんなども多く、
そのみなさんが力強く前を向こうとされている様子に頭が下がります。

「暮らしのおへそ」の第一号で取材をさせていただいた塗師の赤木明登さん、智子さん夫妻もそうです。
地震のとき、ちょうど旅行に出られていてご無事だったそう。
ご自宅も倒壊は免れたものの中は大変なことに……。
近い将来入手困難になることを見越して、ずっと長年蓄え続けてきた漆(なんと187kg!)の多くが
樽ごと転倒。
2階の仕事場の天井から滴り落ち、1階の床一面に溜まってしまったのだとか……。

可能な限り回収されたそうで、越し直せば使えるそう。

オープンされたばかりの1日1組のオーベルジュ「茶寮 杣径」も被害を受けたそうで、
そんな中でもシェフは、炊き出しに出られていると書いてありました。

赤木夫妻の「おへそ」は、毎日手を繋いで散歩に出ることでした。この美しい能登の風景が忘れられません。

 

そんな中、智子さんがインスタに綴られていた
ガスも水もない中で、ちゃんと食べて力強く暮らしていらっしゃる姿にびっくり!

薪ストーブがあるので、寸胴鍋でお湯を沸かし、
そこでレトルトのスープを温め、
ゆで卵を作り、
冷凍していたパンを焼き……。

わあ、薪ストーブってなんてすごいんだ!

「このサバイバルな生活を、すこしだけリラックスして過ごせるようになってきたと思う」
と綴られていました。

「ぼくと智子は、無事で、2人で楽しくやってます。
電気と水道はありませんが、食糧と燃料とお酒は充分にあります。
ご心配ありがとうございます。
自宅と工房の片付けはおおよそ終わったので、明日から杣径に移動して営業再開に向けて頑張ります!」
と明登さん。

そんな赤木さんが立ち上げた、小さな出版社「拙考」では
ちょうど本が完成間近だったそう。
ほぼ手作りで、印刷が終わり、幸い東京の出版社で作業が進んでいる最中。

下記赤木さんのSNSからの書き抜きです。

昨年9月に購入したばかりの編集者の住居と編集室の建物が被災し、
復旧が極めて困難な状況に陥ってしまった。
すでに物心ともにあたたかいご援助は充分いただいておりますが、
本の事前予約というかたちで、今後ともみなさまからのご支援をいただければ、
過酷な状況の中この上ない幸いです。

何もできない自分がもどかしいけれど、
せめて赤木さんのお椀でご飯をおいしくいただいて、
石川県のホームページから少しばかりの義援金をお送りし、
本を注文させていただこうと思います。

ガスも水もない中で、薪ストーブが暮らしを支えてくれるように、
大変なことが起こると
何が強くて、何が弱いのか………と考えさせられます。

みなさま、今日もいい1日を。


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