すべてを「楽しんでやる」ということ。

あけましておめでとうございます。

みなさま、どんな新年をお迎えでしょうか?
私は、年末早めに実家に戻り、
母の掃除やおせち作りの手伝いをしながら、
両親の話を聞き、穏やかなお正月を迎えています。

途中、父がベランダで激しく転んで肝を冷やしたり、
母が熱い鍋をどういうわけが素手でつかんで火傷をしたりと
いろんなことがありましたが、
こうして、年老いた両親と一緒に当たり前の日々を過ごしていることを
心から幸せに思います。

さて。
今年の目標は……。

「楽しんで過ごす」

です!
なんだかすご〜く当たり前のことですが、
若い頃から私はずっとこれが苦手だったなあと思って……。

母のおつかいで駅近くのスーパーへ。途中にあるのが美しい夙川カトリック教会です。

このごろ、そんな自分のアンテナが立っているからか、
周りの人から
「楽しんで」
という言葉を聞く機会がとても増えたなあと感じています。

年末に、NHKで大谷翔平くんのドキュメンタリー番組を見ました。
昨年こそ、大飛躍の年だったけれど、
メジャーに行ってすぐは、なかなかうまくいかず
さらに、すぐに肘を怪我して手術をし
多くのメディアに「二刀流なんて所詮無理!」と書かれていた大谷くん。
そんな苦労の時代のことを
私は全然知りませんでした。

そんな中で、アメリカの最先端のAI技術を使って
自身のフォームを解析し、研究し、
それができるようになる体をつくり………。
同僚の選手たちには素直に教えを請いに行き、
すぐにやってみたそうです。

そんな積み重ねを経ての、あの大ブレイクだったというわけ。

そして、
元エンジェルスの監督ジョー・マッドン氏の言葉に
思わずメモを取りました。

「重要なのは、野球をゲームと捉えることだ。
生きるか死ぬかではない。
大谷のように野球を楽しむ選手は少ないんだ。
楽しむことが、どれほど成功の原動力となるか
軽く見てはいけない」。

メジャーの世界は、とてつもないプレッシャーがあり、
何をしても注目され、評価され、
大きなストレスにさらされているはずです。
でも、そんな野球の最高峰の世界で、
自分のトライ&エラーで
自分の可能性を試すことができる……。

ストレスと、野球の楽しさの両方を手にしているとき、
多くの人は、ストレスの大きさにおしつぶされて
「楽しむ」ことができないのだと思います。

それを「楽しんでやる」…….
すごいなあ〜。

そんな話を聞いて、自分のことを思い返してみると、
ライターとして駆け出しの若い頃、
どうしたらライターになれるかわからなくて、
どうしたら、いい仕事ができるか見えなくて、
お金もなくて、いつも不安で……。

でも、あの時期を今から振り返ると、
なかなか楽しかったなあと思うのです。
ヒリヒリとした思いを抱えながら
時に、うまくいかず落ち込みながら
それでも、自分で文章を書いてみて、
それが初めて雑誌にのって……。

ジェットコースターに乗った毎日のようだったけれど、
私はあの時期を、もっともっと楽しめばよかった。

過ぎ去ってみれば、
「あの時は楽しかったなあ」と思えるけれど、
その渦中にあるときには、
不安や焦りや悩みの方が大問題で、
世界がそれ一色になってしまって、
「楽しむ」という心をすっかり隅に追いやっていたなあと思います。

打ち合わせで久しぶりに行った神戸の フロインドリーブ

 

だったら、今も、これからも、
私は目の前にきたことを、もっともっと「楽しんで」やっていきたい。
うまくいかないと落ち込むのではなく、
うまくいかないなら、どうしたらうまくいくのか
考えて、試して、なるほど〜と何かを見つける……。
そのプロセスをワクワクと楽しむ。

栗山監督は、大谷くんのことを
「楽しみながら、苦しみを超えていく」
と表現していらっしゃいました。

ちっちゃなことを、
思い通りにならないことを、
心配で押しつぶされそうなことを、
忙しくてバタバタと飛び回ることを

楽しんでやる。

そんな1年にしたいな、と思っています。

そして、楽しみながら、今年もこの「外の音、内の香」を
綴っていきたいと思っています。
今年もどうぞよろしくお付き合いくださいませ。

みなさまの新しい年が素晴らしい1年となりますように。

今日もいい1日を。


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