仕事の価値ってなに?

すっかり夜明けが遅くなって、朝ウォーキングのために家を出る時はまだまっくら。
今日は、西の空にびっくりするくらい大きくてまんなるなお月様が見えました。
いつもの並木道の少し手前から、
落ち葉の乾いた香りがふんわり漂ってきます。

ああ、幸せだなあ〜と思いながら、歩いてきました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

さて。
この週末の2日間はライター塾でした。
朝10時から夕方6時まで、みっちり。
説明をして、みなさんに書いてもらって、添削する。
を繰り返します。

北海道から福岡まで、いろいろな場所から参加してくださいました。
どんな文章を書いてくださるか、
そして、その内容について添削時に質問し、その人の暮らしや仕事について聞き出すことも
私の楽しみのひとつになっています。

課題の最後は、参加者同士で互いにインタビューをして、
それを文章に起こしてもらう、という課題です。
お題は「〇〇さんにとって仕事とは……」
今、どんな仕事をしているか? これまでどんな仕事をしてきたか?
これからどんな仕事をしたいか?
そんな質問を投げかけあって、答えてもらって、
ひとつの文章にまとめ上げます。

このインタビューを一緒に聞いているのが楽しい!

先日いただいたクッキーは、トマトなど、甘くない味。おいしかったなあ〜。

 

ある人は、住宅関係のアフターマーケティングのお仕事をされているとのこと。
「アフターマーケティングってなに?」と聞いてみると、
「購入してもらった後のケアをすることで、それを価値にすること」だと……。

つまり、購入してくださったお客様にインタビューをし、
どうしてそれを選んだのか?
使ってみてどうだったか?
など質問して、答えてもらったら、
この「答え」が、次の営業のための「価値」になる、ということ……。

なるほど〜。
ものの「価値」って、ゼロから形作っていくときに、生まれるのかと思っていたけれど、
作って、売って、そのあとから、
「現状を聞いて知る」ということの中からも、
立ち上げることができるのね〜と
新しい可能性を知ったようでワクワクしてしまいました。

ある人は、公務員を辞めてカフェをオープン。
「小さな田舎町にないものはなにか?と考えたんです」
と教えてくれました。

ある人は、パートののち専業主婦をしていて、
ハローワークに行き、職業訓練としてパソコンのスキルをつけ、
大学の事務員として就職できたまでを語ってくれました。
事務員ではあるけれど、学校についていけなくて、
ちょっと落ち込んだ生徒たちは、保健室や専用の相談窓口に行く前に
まずは、事務の窓口に「単位が取れない場合はどうしたらいい?」と
聞きにくるそうです。
その時、かすかな不安や不調を見逃さないように……。
生徒さんたちの伴走者でありたい、という言葉になんだか感動してしまいました。

いろんな働く形があり、
いろんな場所で、いろんな仕事でみんな生きているんだなあということを
PC越しに感じることができて、
「ライター塾」として私は教える立場だけれど、
参加者のみなさんに逆に教えていただくことがいっぱいです。

「私は、そんな大した仕事をしていなくて……」
とみなさんおっしゃいますが、
詳しく聞いてみると、
それぞれの方が、みんな悩んだり、考えたりしながら、
家事や子育てとのバランスをとりながら、
なんとか、仕事と向き合おうとしている……。

ひとりの方が
「私、ずっと何かを成し遂げないといけないって思っていたんです」
と語ってくれたけれど、
何かを成し遂げなくても、
ひとりひとりの姿そのものが、尊くて、
みんな、毎日毎日淡々と仕事をしているだけで、
素晴らしいなあと思ったのでした。

新しいものを生み出したり、
誰かの役に立ったり……。
目に見える成果があれば、それはそれで嬉しいけれど、
毎日やるべきことをちゃんとこなし、
少し工夫してみたり、やり方を変えてみたりしながら、仕事をする。
そんな「今向き合っている時間」を大切にすればいいんだなあと、知りました。

みなさんは、どんなふうに仕事と向き合われているのでしょうか?

今日もいい1日を〜。


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