ひさしぶりのお客様

少しずつ涼しくなって、秋の訪れを感じるようになりましたね。
我が家の庭では、虫の大合唱が聞こえるようになりました。
やっと花を飾る気持ちになってきたのも嬉しいところ。
庭に咲いた桔梗を玄関にさしてみました。

ここ最近、意識して人と会うようにしています。
夏の間は、酷暑だったこともあって、
仕事以外は、ち〜んと家にいることが多くて、
「あれ? 私って孤独?」なんて思っていました。
出かけないようになると、新たな刺激やインプットも少なくなって、
より家にこもりがちになります。

そんな中で自然に「誰かに会いたいモード」が発令されたよう。
取材で知り合った方、前からの知り合い、友人たちなどに
「いつかお食事でも〜」
「また、お茶でも〜」
と挨拶することがありますが、
「私、来週なら比較的時間あるけど、ご都合どうですか〜?」
と自分から一言言ってみました。

すると「じゃあ!」ってことになり、
次々に予定が決まって、立て続けに出かけている、というわけです。

週末は大先輩と共に小さなレストランへ。
お会いするのは3回目と、まだ日が浅いのだけれど、
「あの時代のあの頃、こんな仕事をしていてね〜」
というお話が弾み、
自分自身の記憶もひもとくことができて、楽しかったなあ〜。

人に会うということは、
お話する内容が面白い、ということはもちろん
そのお話によって、自分の中に眠っていたものが
引っ張り出されることに、ワクワクするなあと思います。

週末は、久しぶりに我が家にお客様を迎えました。
かつては、お客様というと、はりきりすぎてくたくたに疲れていたけれど、
最近では無理をせず、
いつものおかずの延長線上で用意をするようになりました。

「え〜!そんなことがあったの?」
と信頼のできる人たちと、本音でおしゃべりする時間は、なにより貴重なもの。
相手の話を聞いて、そして自分も話して。
この「聞く」「話す」のバランスがとれると、人ってとっても満足するものなんだよな〜って思います。

今回来てくださったのは、「暮らしのおへそ vol36」の「ケアするおへそ」で取材をさせていただいた、
藤澤夫妻でした。

お話がめちゃ面白くて、
夫の緑朗さんが、上京して、アパレル業界で働き始めた若き日の話から、
陽子さんと知り合った時のこと、
つらかったこと、悲しかったことも、からりと笑い飛ばして話してくださいました。

そして、話した後には必ず「じゃあ、一田さんはどうだったんですか?」
と話をふってくださいます。
なので、私も20代の頃、ワンレンボディコンで会社員をしていた時代のことから
取材で泣いたこと、これからのことなど、気がついたらいろんな話をしていました。

これって、当たり前のように思えるけれど、なかなかないこと。
私は、ついつい仕事の癖で、相手にたくさん質問してしまい、
気がついたら、ず〜っと私は聞き手で、自分の話はぜんぜんしなかったなあ〜
ということが多いのですが、
この日は、私もいっぱいおしゃべりしました。

「聞く」と「話す」のバランスがとれたとき、人って「あ〜、楽しかったな〜」って
満たされるものなんだなあと改めて思いました。

あの「おへそ」の、おふたりとお母様の介護のあれこれの記事を
95歳と92歳という、お母様のお友達ご夫婦が読んでくださったそうです。
そして、とっても喜んでくださった、と聞いて嬉しかったなあ〜。
多くの人に届くのが嬉しいのはもちろんだけど、
たったふたりの人に確かに届いた、という実感は、
もしかしたらそれ以上に嬉しいかもしれません。

今まで私は、誰かに会うとなると、
「話を聞いて、刺激を受けて、インプットする!」
という、なんだか「得すること」を求めていたような気がします。

でも、最近ではちょっと変わってきました。

信頼する相手には、心を開くことができます。
安心して、おしゃべりを楽しめる……。
そっか、楽しいのは、「受け止めてもらっている」っていう時間なんだなあと感じるように。

聞いて、話して。
その周りにひたひたと広がっていく、
安心感を味わう……。
そんな時間っていいな、と思うこのごろです。

みなさんは、最近誰かと会われたでしょうか?

今日もいい1日を!


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