豊かさを味わうための貧しさ? 

昨夜のバスケットボールの試合はすごかったですね〜!
私は、最初と最後しか見なかったのですが、
大逆転の様子に、「あきらめないってすごい!」って改めて思いました。
私は、結果が見えてきたら、すぐ「あ〜あ」と急にスロウダウンしがちなので……。
ギリギリまで信じて動く。その大切さを教えてもらった気がします。

さて。
先日、弾丸で1泊旅行に行ってきました。
いつもの通り、夫が計画し、私は車の助手席に乗り込んだだけ。
上の写真は、レタス畑越しに眺めた八ヶ岳です。
この広々とした風景が大好き!
高原は、ずいぶん涼しかったです。

今回はペンション風の小さなホテルに泊まりました。
その部屋で見つけたのが、ヘンリー・デイヴィット・ソローの「森の生活」の漫画バージョンでした。
この本がとってもよかったのです。

「森の生活」は分厚い1冊で、パラパラと拾い読みしたことはあったけれど、
難解なので、途中で挫折しておりました。
この本は、絵本作家のD.B.ジョンソンがソローの文章を引用しながら、
その静謐な世界を忠実に絵で描き出したもの。
とてもわかりやすく、す〜っとその世界に入り込むことができます。

漫画と言ってもシンプルな線だけで描かれているので、
誌面はとても大人っぽくて、部屋で外の緑を眺めながら読むにはぴったりでした。
ソローは、ウォールデンの森の中で2年2か月を過ごし、
自然や人間を洞察しながら日記を書きました。
「森の生活」は、その記録です。

その中の言葉のひとつ。

「わたしは、本当の豊かさを楽しめる貧しさがほしい」

う〜ん……。
本当にそうだなあ〜。
若い頃からずっと「心豊かに暮らしたい」と
器を買い、洋服を買い、小さな絵を買い……。
それはそれでとっても楽しいし、学ぶこともたくさんあったけれど……。
仕事を頑張り、評価を受けたいと背伸びをし、頑張ってきたけれど……。

豊かさって一体なんなんだ?
と考えたとき、
その本質を見るためには、玉ねぎの皮を1枚ずつ剥いて、その芯にたどりつくように、
今まで手にしたものを「これって本当に私にとって必要?」と
ひとつずつ確かめていく必要があるのかもしれません。

そして、あれもこれも手放しても、最後に「これだけは」と残るものはなんなのか?

ドキドキしながら引き算して、ソローのいう「貧しさ」の中で見えてくるのはどんな世界なのか?
見てみたいなあと改めて思いました。

ホテルの周りにはいろんな花が咲いていて、
これは、調べてみたら、ハマナスの実でした。


こちらはダリアの花。
あちこちで、いろんな色のダリアが咲いておりました。

ただ泊まって、本を読んで、ご飯をいただいて、散歩して、
帰ってきただけでしたが、とってもいい気分転換になりました。

自分が選んだ本ではなく、そこにあった本と出会うって、なかなかいいものですね。

みなさま、今日もいい1日を。

 


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