実家で母に、料理のコツを習う

出張から帰ってきて、お風呂に入ったら、虫の音が聞こえてきました。
我が家のお風呂には大きな窓があり、いつもちょっと開けて入るので、
外の音がよく聞こえます。

だから、毎年我が家の秋はお風呂から。
こんなにまだ暑いのに、虫たちはもう秋の訪れに気づいているのでしょうか?

朝のウォーキング途中の柿の実も、ずいぶん大きくなってきました。

さて。
出張中、実家に泊まっていたのですが、
母は、以前のようにシャカシャカ動けなくなったものの、
毎日キッチンに立ち、ご飯を作っています。
私が帰ると、はりきって、1〜2品多めに作ってくれます。
(とはいっても、手の込んだものはもう作れなくなりましたが)
そんな母の横に立って、あれこれおしゃべりするのが、
何より尊い時間に感じられます。

そして、毎回「へ〜!」「ほ〜!」という料理のコツを教えてもらいます。

今回はまず、ナスの煮物。
これ、私も家で作るのですが、毎回味がぼやけて、
なぜかおいしく作れないのでした。
料理本を見て作っても、なんだか違う?
その違いを感じる基準となっているのが、母の味のようです。


そこで、今回ちゃんと習うことに。
そこで初めて知ったのが、出汁や水は一切入れないってこと。
な〜んだ! そうだったのか!

お酒を多めに入れて、醤油、みりん、砂糖(多め)を加えて煮汁をつくります。
ナスに切れ目を入れて、揚げてから、
この出汁に入れて煮るだけ。
簡単だ!

煮るときには、皮目を上に。
火からおろしてしばらくして、少し冷めてからひっくり返すと、
「ナスの色がきれいに仕上がる気がするんよ」と母。

あくまで我流だから、正しいかどうかわからないそうですが、
確かにきれいな紫色に仕上がっておりました。
上の写真はひっくりかえしたところ。

これで、熱々ご飯の上にのせてハフハフ食べたくなる、
こってりとした味のナスの煮物になります。

もう1品が、マッシュポテト。
私は自分で作るマッシュポテトが大好きで、こちらは自信があるのだけれど、
母の作るものは、ちょっと変わっています。

なんと、炒めた玉ねぎ入り!
おばあちゃんからの直伝だそう。

まずは、メークインをかなり柔らかくなるまで茹でておきます。
フライパンでみじん切りにした玉ねぎを炒めて、
そこに茹で上がったメークインを投入。
バターを加えて潰しながらまぜ、
最後に塩で味を整えたらできあがり。

玉ねぎの甘みがきいたマッシュポテトになります。


この日は、イチボを焼いて、皮を剥いてドレッシングであえたトマトとマッシュポテトを添えて
メインディッシュのできあがり。

おいしゅうございました!

こんなふうに、母の手料理を囲んで、親子3人でご飯を食べられることを
本当に幸せにおもいます。

 

先日、「親不孝介護 距離を取るからうまくいく」(日経BP)という本を書かれた
川内潤さんが、こんなふうに語られていました。

「心理的に子どもにとって、親はいつでも帰れる安全地帯。
親の老化は、『自分の安全地帯』が崩れていくのを目の当たりにすることになる」(日経x-womanより)

なるほど〜!
確かにそうだなあ〜。

いつまでも娘でいたい。いつまでも守られていたい。
それが叶わぬことを、親の老いが教えてくれます。

だからこそ、今できることを大事に……。
1回1回の実家ごはんを大切に味わいたい、と思ったのでした。

さあ、いつもの日常に戻りました。
原稿もあと残り少し!
がんばろう〜!

今日も暑くなるようです。
みなさま、お気をつけて、今日もいい1日を!


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