マウイ島へ、思いを馳せて

2020年、マウイ、カアナパリの海岸で

 

大好きなマウイ島の山火事の悲惨な報道を見て、胸が締め付けられるここ数日です。
夫が若い頃、少しの間だけ住んでいたこともあり、
ハワイ諸島の中でも、いちばん好きなのがマウイ島です。

20代の頃、仕事で何度か訪れて、
コロナの直前、2020年に、30年ぶりぐらいに旅をし、そのよさを再確認。
コロナが落ち着いたら、また絶対行こうね! と話をしていました。

焼き尽くされたラハイナの街の風景にただただ茫然。
ラハイナの外れに、大好きなレストランが1軒あり、
またそこへ行くのを楽しみにしていたのに……。

被害にあわれた多くの方々、
住む家をなくした方のことを思うと、言葉がありません。

改めて、「永遠」というものはないのだなあと実感。
当たり前にずっとあるはずと信じ込んでいるものが、
ずっとあるわけではない……。

頭ではわかっていても、体でわかるのは、痛みを伴ったときなのかもしれません。
両親は、ずっと元気なもの、とどこかで思い込んでいました。
頭では、先に逝くということはわかっていたけれど……。

私も夫も元気でやっていけると思い込んでいました。
そんなはずはないのに……。

失ったり、失いかけてでしか、
私たちは、「いつかなくなってしまう」ことを理解できないよう。

ラハイナの街はずれ

ちょうどそんな時、読んでいたのは「DIE WITH ZERO」(ゼロで死ね)という本でした。
どんなにお金持ちでも、死後の世界にお金を持ってはいけない。
だから、自分の人生を豊かにするために、ちゃんと使って「ゼロで死ね」……。

アリとキリギリスの寓話で、
「アリはいつ遊ぶことができるのだろう?」というのが、この本のテーマです。

このタイトルを見たとき、
そりゃー、お金持ちはそうだよね。
でも、安心して老後を過ごせるお金をまだ持っていない私は、まだまだ働き続けなくちゃいけないもんね……。
と思ったのでした。

でも、読み始めてみると、響く言葉があちこちに見つかりました。

「ただ生きるだけではなく、十分に生きる。
経済的に豊かになるだけではなく、人生を豊かにするための方法を考える」

「私たちは食べ物をエネルギー源にし、それを生命の維持だけではなく、
充実した生活を送るためにも使っている。
エネルギーを使って動きまわることで、新たな発見や不思議、喜びに出会い、
人生という素晴らしい冒険において、さまざまな経験ができる。
そして、エネルギーを処理できなくなったとき、生命は尽き、冒険も終わる。
この本は、この冒険が終わる前に、最大限に人生を楽しむ方法を伝えるものである。
その方法は、「経験(それも、ポジティブな)を最大化することだ」。

「あなたが誰であるかは、毎日、毎週、毎月、毎年、
さらには一生に一度の経験の合計によって決まる」

 

これは、「もやもやしたら、習慣かえてみたら」でもご紹介した
「ショートケーキは、いちごから食べる」ってことなんだろうなあ。

老後のことを心配していたら、
いつまでたっても稼ぎ続けなくてはいけなくて、
いったいいくらあったら、安心なのかもわかりません……。

だったら、いつ楽しむのか………。
ってことなんだろうなあ。

それでも、やっぱり私は怖がりで
「先に楽しむ」ことはなかなかできなさそうなので、
「しっかり働き、しっかり遊ぼ!」と思います。

ただ、どうしようかなあと悩んだときに、
「楽しそうな方」を選べる自分になりたいなあとは思います。
前回ハワイに行ったときにも、
少しずつコロナの気配が感じられていて、
私ひとりだったら、「やめようか……」となっていたはず。
それを、「行こう!」と引っ張っていってくれたのは、夫でした。
あの時、思い切って行って本当によかった。

大切なのは、「楽しそう!」って思ったときに
無意識にかかってしまうストッパーを
手放すってことなのかもしれません。

マウイのニュースが届く度に悲しくなるけれど、
あの美しい夕日や、
しっとりとした空気や、波音は
ずっと変わらないはず。

そのことを信じて、マウイの方々のために祈りたいと思います。

みなさま、今日もいい1日を


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