じゃじゃ〜ん。
先日新しいメガネを買いました。

私は極端に目が悪くて、普段はコンタクトをしています。
きっかけは、「大人になったら着たい服」のイベントで、
メガネスタイリストの藤裕美さんに会ったから。

メガネ店勤務を経て、ドイツへ。
メガネにまつわる勉強をされて、
帰国後メガネスタイリストとして活躍されながら、
ご自身のお店「tö」をオープンされました。

その藤さんのお話が面白い！
イベントでは、会場に立ちながら、少しずついろいろなお話を伺い、
すっかり藤さんファンになってしまいました。

「tö」に並んでいるメガネは、
シンプルなものから、スタイリッシュなもの、モダンなもの、クラシカルなもの、など
どれも本当にかっこいい！
周りの知人たちが藤さんにメガネを選んでもらい、
素敵に変身する様子をずっと見てきました。

でも、藤さんはその人にあったメガネを選ぶ一番の目的は
「健康になるため」だとおっしゃるのです。
合わないメガネをかけていると眼精疲労になったり、
頭が痛くなったりと、体調にダイレクトに影響するのだとか……。

「見えていると思っていても、意外に見えていなかったりするんです」
「メガネが原因で肩こりになったりもするんですよ」。

そんなお話を聞きながら、
藤さんのいう「ちゃんと自分にあったメガネ」をかけたら、
生活がどう変わるんだろう？
とその世界を見てみてくてたまらなくなりました。
ただしちょっとお高い………。

私は、家に帰るとすぐにコンタクトをはずしてメガネをかけます。
出かけない日は、朝起きてから寝るまでずっとメガネ。

でも、「自宅でかけるだけだし、誰にも見られないし」
とずっと、格安の眼鏡店で買ったものをかけておりました。

そこで思い切って、イベントが終わったあとに、
東京、桜新町にある藤さんのお店へ！
メガネを作りに行ってきたというわけです。

お店に行くと、まずは藤さんご自身がとても丁寧に検眼してくれます。
「いつもはどういう使い方をしていますか？」
と「暮らしの中でのメガネ」についても、いろいろ質問されて、
度数を決めます。
私は、自宅ではパソコンの画面や手元が見やすいように、
あえて、視力は抑えめにして、老眼対応にしておりました。
つまり、遠くが見えることを犠牲にしていた……。
そこで、もう少しきちんと見えるよう、中近両用のレンズにすることになりました。

次にいよいよフレーム選び。
藤さんが選んでくださった中から、あれこれかけてみて
迷いに迷い、ちょっとシンプルめの
でも、裏側がピンク！
という１本を選びました。

数日後、出来上がったメガネを受け取りに行ってきました。
帰り道、「このメガネで、私の明日はどう変わるのだろう？」とワクワク！

そして、「ああ、この感じ、ずいぶん久しぶりだなあ」
と思ったのでした。

30代の初め頃、太田修嗣さん作の漆のお椀を買いました。
当時、スタイリストの高橋みどりさんなどが、漆のお椀を使っていらっしゃる様子が
雑誌で紹介されていて、
お味噌汁だけでなく、ご飯をそのお椀で食べたり……と
いろいろな使い方をされていてびっくり！
「あのお椀を使ったら、毎日はどう変わるのだろう？」
と見てみたくてたまらなくなったのです。

取材先で、太田修嗣さんのお椀を使っていらして、
欲しくてたまらなくなり、個展へ。
当時住んでいた、ワンルームマンションの家賃ほどだったけれど、
清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったのでした。

そうして、私は漆のお椀に熱いお味噌汁をついでも
手がアチチチと熱くならないことも、
その口当たりが優しいことも、
水に通して洗い、年月が経つごとにツヤを増し、
決して古びないことも、
使い続けながら知りました。

最近では、「暮らしを小さく」することばかりを考えてきたけれど、
やっぱりこうやって、
ちょっと背伸びしてお買い物をするって、いいなあと、
改めて思いました。

私は、「もの」が欲しいのではなく、
「それ」を使ったとき、世界がどう変わるのかを知りたくて、
ものを買うんだなあ。
若い頃、エイッと身の丈以上のお買い物をしていたことを思い出し、
これから回数は減っていくかもしれないけれど、
そんなワクワクを忘れないでいたいなあと思います。
そのためにも、頑張って仕事しよう！

新しいメガネは思った以上にすんなり暮らしに馴染みました。
今まで、洗面所に髪の毛が落ちていることに気づかなかったけれど、
ちゃんと見えるので、掃除もしやすくなったかな。
何より、毎朝起きて、メガネをかける時ににんまりして嬉しい！

体にどんな風に作用するのかは、これからかけ続けて確かめてみるつもりです。

メガネを買ったことで、
改めて、漆のお椀を手にとって、「あの日」のことを思い出しました。
我が家にあるガラスのコップや、古い家具や、鍋や、洋服や……。
いろんなものを買った日のことを、少し思い返してみようかなあと思います。

 

みなさんのお買い物の記憶はどんなものですか？

 

今日もいい１日を。