我が家にやってきた「黒いもの」ふたつ

少し肌寒い東京の朝。
我が家は古い平屋で断熱性がないので、春になってもなかなかストーブをしまうことができません。
今朝もちょっとだけつけました。
昼間はぐんぐん暖かくなると、今、ラジオの天気予報で言っていました。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

先日、我が家に立て続けに「黒いもの」が届きました!
ひとつは上の黒い袋ふたつ。
これは何かと言うと……。

自転車の雨用のサドルカバーです。
私が住んでいる武蔵野市では、1年ごとに駐輪場の定期利用の更新をしなくてはならず、
今まで4階建ての駐輪場の3階だったのに、今年はなんと4階になった!
とほほ……。
自転車を押して4階まで上がるのも、帰りにスーパーで買い物をして、
重たい荷物を持って4階まで上がるのも、超大変です

さらに!
4階というのは屋上なのです。
つまり、雨が降ったら自転車が濡れる、といういこと……。

で!
買ったのが上の黒いもの。
これは、サドルに被せる防水カバーなのでした。
どれにしようとamazonで見てみたら、本当にたくさんの種類があったのだけれど、
ケースがかわいくてコレに決めました。

2つセットだったので、ひとつは夫に。

もうひとつの黒いものがこちら。


そう、お箸であります。
ある日夫が、「これ、割れちゃった」というので見ると、
箸先が、見事に斜めに裂けていました。
「どうやったらこんなふうになるのよ!」と怒りましたが(笑)
もう使えそうにありません。

我が家はずっと「大黒屋」さんの黒檀の七角箸というものを使っていました。
これは、ず〜〜っと前に、私が女優の山口智子さんの連載を担当していたときに、
江戸木箸の取材に一緒に行って教えてもらったものです。

六角とか七角とか八角とか、面取りしてあるお箸は、
丸箸と違って、食卓の上で転がることがないので、便利。
さらに、七角形という奇数は、作るのが難して、職人さんが指先だけの感覚で削り出しているのだとか。
人は、親指、人差し指、中指の3本で箸を操るので、
七角箸の、51,4度という角度が、指にフィットして絶妙に収まり具合がいいそう。

ただ、ちょっとお高い……。
で、今回は節約して八角箸にすることに。
(私は、まだ以前の七角箸を使っています)

 


歳を重ねる中で、暮らしをひとまわり小さくしていこう、と思っています。
「使うことで、いいものを知りたい」
と思っていた時代を過ぎて、今は、身の丈のものを選びたいと……。
なので、今回も、もっとリーズナブルなお箸に変えようかなあとも思いました。

が、お箸って毎日必ず使うもの。
そこを節約して、毎日「なんだかなあ〜」と思いながら過ごすのはイヤだな。
さらには、毎日使うからこそ、
すぐに塗りがはげたり、欠けたりすることなく、長く使えるものがいいなあと。

ぐるぐるといろんなことを考えた結果の八角箸になったというわけです。

ものを選ぶって、難しいですね〜。
でも、こうやって、ああでもない、こうでもないと考えを巡らせる時間って楽しいもの。
そして、サドルカバーの袋を鞄にそっと入れるとき、
ご飯の前に、箸置きの上に新しいお箸をセットするとき、
「むふふ」とひとりにんまりする……。

そんなささやかな日常の「お初」の風景が、幸せだなあ〜と思うこのごろです。

みなさま、今日もいい1日を。


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