ひまわりは燃えながら枯れていく

夜が明けるのが早くなり、今日はちょっと曇りで見えなかったけれど、
朝焼けの美しいこと!
そして、今まで朝のウオーキングは真っ暗だったのが、少しずつ明るくなって
花の色が見えるようになってきました。
今は、梅の花が満開ですね。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

昨日は久しぶりに「銀座ウエスト」でがっつり打ち合わせ。
ここ、本当に居心地がいいんですよね〜。
真っ白なテーブルクロスはパリッとしているし、
カップ&ソーサーは、余計な飾りがなく、小さなロゴだけが伝統を伝えているし、
コーヒーはおかわり自由だし、
店員さんは、ちゃんと心配りをしながら、適度に放っておいてくれるし……。

昨日は「銀座くうや 空いろ」とのコラボの「いちご餡エクレア」をいただきました。
いちごの下には、粒あん入りのふわっふわクリーム。
シューは柔らかめで、おいしかったなあ〜。

実は今、「銀座ウエスト」では、「シュークリームプロジェクト」が開催されていて、
トルコ南部で起こった地震への支援のため
エクレアを含むシュークリーム1個販売につき、50円を日本赤十字に寄付されているのです。
2月8日から始まって、昨日の時点ですでに合計金額は、345,580円になっているのだとか。
素早く行動を起こすって、素晴らしいなあ〜。

さて。久しぶりに五木寛之さん作の「林住期」を再読しています。
初めて読んだのはずいぶん前。
私はまだ40代でした。
その頃は、「ふ〜ん、人生は『学生期』『家住期』『林住期』『遊行期』の4つに分かれるのね〜。へ〜」
といった程度だったのに、
50代後半になった今、もう一度読んでみると、
ひとつひとつの言葉の重たいこと、鋭いこと!

本って、読む時期や年齢によって、こんなにも入ってくる内容が違うものなのかと
改めて驚きました。

まだ読んでいらっしゃらない方のために少しだけ説明しておくと
50歳から75歳を「林住期」といい、
五木寛之さんは、この「林住期」こと人生のピークなのではなかろうか?
と書いていらっしゃいます。

「五十歳から七十五歳までの二十五年間、後半生こそが人間が真に人間らしく
みずからの生きがいを求めて生きる季節ではないのか--。
林住期こそジャンプの季節、人生のクライマックスである」

この本の冒頭付近で、五木さんは医師を辞め、50歳から画家への道を歩き始めた
という奥様が描かれたひまわりの絵のことを綴られています。
立ち枯れたようなひまわりは、黒く、強い線で彫り込まれたような姿なのだとか。

そしてこう書かれているのです。

「その絵を見ながら、ふと思うことがある。生命は育ち、花咲くときだけでなく、
衰え、枯れていくさなかにも、限りなく強いエネルギーを放ちつつ大地に還るのだ、と。
人は生まれてくるためにもエネルギーが必要だが、死んでいくためには
さならる生命力が必要なのだと。
ひまわりは燃えながら枯れていくのである」。

なるほど〜。
両親の老いと向き合い、自分の体力の衰えを感じている今、
枯れるって、細々と静かに進んでいくのかと思っていたけれど、
実は、膨大なエネルギーを必要とし、
若い頃にギンギンに頑張っていたのと同じぐらい、あるいはそれ以上の
自分の内側の「火」みたいなものを燃やしつつ、人生を閉じていく……。

そのことがすとんと腹に落ちました。
そして、なんだか力が沸いてくるような、不思議な感覚になりました。
よっしゃ、私は人生後半のエネルギーを燃やし、
「老い」や「死」を体験していこう!って。

それは、若い頃の攻める力とはひと味違う、
内に秘める力に点火し、進むことなのかも。

実は本の再読は始めたばかり。
これから、もう一度ゆっくり読もうと思っています。
その中で、またどんな発見があるのか楽しみです。

みなさま、今日もいい1日を。

 

 


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