新年の目標は、左右の手に違うものを握ること。

みなさま、あけましておめでとうございます。
2023年元旦、いかがお過ごしでしょうか?

私は母の手伝いをして、黒豆を炊いたり、さつまいもを裏漉ししたりしながら
年末を過ごし、
静かな新年の朝、リビングで朝焼けを眺めながらこの「日々のこと」を書いています。

今年も淡々と、見たこと、聞いたこと、感じたことを、綴っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

さて。
2023年の目標は、「左右の手に違うものを握りながら進めるようになること」。

私は猪突猛進型の人間なので、
ひとつのことで頭がいっぱいになると、それしか考えられなくなります。
原稿の締切が迫っていると、その間映画に行ったり、友達との集まりに顔を出したり……と
他のことはいっさいパス。
ひとつのことを終えてからでないと、次の扉を開けることができません。

悲しいことがあると、しばらくはその悲しみにおしつぶされて、
1日中そのことばかりを考えます。
1輪の花の美しさにも心が震えなくなるし、
夫とのさりげない会話で「がはは」と笑えなくなります。

でも、歳を重ねるごとに、
「きっと、そんなことはないはずなんだよ!」と感じるようになりました。

原稿でいっぱいいっぱいであったって、
ちょっと抜け出して、2時間ほどの映画を見てきても、
気分転換になるはずだし、締切に間に合わないなんて、ないはずなのです。

悲しみに押しつぶされている日も、
庭に咲く水仙は芳しい香りのはずだし、
お笑い番組を見れば、ワハハと笑えるはずなのです。

コロナ禍だって、ワクワクできるはずだし、
暗いニュースが飛び交う日々の中でも、小さな喜びの種はきっと見つけられるはず。

人間は、相反する感情を同じに持つことができる……。
だからこそ、強く生きられるんじゃないか。
そう思うようになりました。

私はきっと、誰かに「つらいねえ〜」「大丈夫?」と言ってほしいのです。
悲しいときには、悲しいことをわかってほしい。
ガハハと笑って、「あの人元気そうじゃん」と思われるのがイヤ……。
そんなずるさや甘えがどこかにあるのかもしれません。
そして、笑ったあとに、また悲しみに戻っていく、
その落差がつらいのかもしれません。

でも、ふと周りを見渡すと、
悲しみと笑顔を両手に持って、力強く歩く人たちがいます。
忙しさと遊び心を両立させて、毎日を愉快に楽しむ人もいます。

そんな強さを手に入れたい……。
悲しい日にも、冗談を言い合いながら「ふふふ」と笑顔になれる。
そうすれば、ちょっとだけ気持ちがラクになるし、
どんな日々の中にも、光を灯すことができるような気がします。

でも、実際にはこれがなかなか難しい……。
まずは、小さなことから練習を始めたいと思っています。

忙しい日にも、お茶を淹れおやつを食べてみる。
悲しい日にも、空を見上げてみる。
ふ〜っと深呼吸して、「一色」だった私から抜け出してみる。

そうやって「ここ」以外にも、もうひとつの世界があるよ、と
感じられるような自分になりたいなあと思っています。

みなさんの、新年の小さな目標はなんですか?

今日も、いい1日を!


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