誰かにちょっと甘えてみる

出張で北海道に行っておりました。
日帰りでも行けるスケジュールだったのですが、
航空券往復よりも、1泊付きの出張パックの方が安かったので、
前日入りをして、知り合いにあちこち案内してもらいました。

実は、こんなことは珍しいのです……。
「北海道に前日から行くから、どこかいいところに連れて行ってもらえませんか〜?」
ってことが、なかなか言えない……。

「あの人も忙しいし」
「車出してもらうなんて悪いし」
「こっちの都合に合わせてもらうなんて、申し訳ないし」
など、いろんなことを考え過ぎて、人に甘えることがなかなかできません……。

でも、今回は「あの人ならきっと大丈夫」となぜか思えて
それでも、「今度取材で行くんですよ〜。ちょっと会えたら嬉しいです」
とだけ伝えていて、
前日に「昼間も空いてますか?」とやっと言えたのでした……。

私の周りには、
すぐに誰かと仲良くなって、その人の家に泊めてもらったり、
どこかに連れて行ってもらったり……と
楽しんでいる友人たちがたくさんいるというのに、
いざ自分が……となると、なかなか「お願い〜」と言えません。

でも、今回思い切ってお願いしてみて、
札幌から足を伸ばして、素敵なカレー&カフェや、
焼き菓子屋さんに連れて行ってもらい、
その間に、たくさんいろんな話をして、
さらには、私の話も聞いてもらい、
なんだか、普段とはまったく違うひとときが過ごせたなあと感じています。

たぶん、私がいつも「お願い」ができないのは、
「してあげる」方が気持ちがラクだから。
「してもらう」ためには、自分が両手を上げてホールドアップしなくてはいけません。
「私にはなんにもできないから、手伝って」
と言うことは、なかなか難しい……。
つい優等生気質が顔を出し
「自分ができることは、自分でやらなくちゃいけないんじゃなかろうか?」とか
「人に頼っちゃダメなんじゃなかろうか?」とか
余計なことを考えてしまうのです。

自分の力をゼロにして、
「連れて行ってもらわないとなんにもできない」状態を相手に伝えて
相手に全幅の信頼を寄せて、もたれかかる……。
今回、それをやってみて、
なんだか、すご〜く楽しかったのです。
もちろん、相手の方がとってもいい方で、それを全部受け止めてくださったからではあるけれど、
思い切って「してもらう自分」になってみると、
「あれ? 意外と気持ちいい!」ということに気づいてしまいました。

今回連れて行っていただいたのは、札幌から車で1時間ほどの長沼というところ。
カレー屋さんの「シャンディ ニヴァースカフェ」と、
三好焼菓子店」を訪ねました。
どちらも、だだっ広い畑に囲まれたぽつんと一軒家で
古い家を改装した店舗が本当に素敵でした。

生き返りの車の中からは、
紅葉を始めたばかりの、北海道の短い秋の風景が見えて
本当に素敵だったなあ〜。

すっかりお任せしてみると、
おしゃべりの内容も、いつもは話さないような、
自分の本音をぽろりと語ってみたり、
それに対して「こうしたらいいと思うよ〜」っていう相手の言葉を
素直に聞いている自分を見つけたり……。

「こうしなくちゃ」
「こうであらなくちゃ」
という鎧を脱いで、
誰かに甘えてみると、ちょっとこれからの世界が変わるかも……と思えた旅でした。

みなさんは、誰かに頼ったり、お願いしたり、できますか?

今日もいい1日を〜。

 

「暮らしのおへそラジオ 第12回」が昨日配信されました。
こちらもよかったらぜひ〜。

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