一周回って、父と向き合う日

梅雨空の下に、くちなしの花が咲き始めました。
あま〜い香りに純白の花びら。
満開の姿は、ウォーキング途中に甘いお菓子を見つけたような気分になります。

昨日は父の日でしたね。
みなさま、どんな風に過ごされたのでしょうか?

私はいつも、拙い絵でファックスを送るようにしています。
母の日に送ったものと合わせて2枚を、自分の書斎にも貼ってみました。笑

こうして送る相手がいるということが、いちばんの幸せだなあと思います。

思い返せば、若い頃は父が大嫌いでした。
「人から褒められる人に」「人に評価される人に」なりなさい、というのが口癖でした。
そんな権威主義の中から抜け出したくて、
私は、正反対の人と結婚したのでした。

それでも、やっぱり失敗してリコン。
ああ、父になんて言おう……。
きっとあれこれまた責められる……といやいやながら電話をすると、
「よ〜、がんばれよ〜」
と、あえてのんびり、魔の抜けたような声で一言。
それを聞いて、私は電話を持ちながら号泣したのでした。

その後、父のモーレツサラリーマン時代の話に耳を傾けるようになりました。
高度経済成長期真っ只中を駆け抜けた話は、
まるでプロジェクトXのよう。

やっと私は「父」としてでなく、ひとりの人として尊敬できるようになりました。

今では、実家に帰ると「もう、その話10回ぐらい聞いたよ〜」という話ばかりですが、
ご機嫌に話をしてくれたらそれでOK!と思っています。

土曜日は、平井かずみさんのアトリエで開催された
山下りかさんのライアーの演奏会へ。
りかさんの調べに合わせて、平井さんが、ハーブでリースを作ってくれました。

しっとりとモイスチャーな梅雨時期の空気の中では、
緑がより生き生きと感じられます。

帰りには、ギャラリーフェブへ。
イラストレーターの平澤まりこさんと、写真家の砂原文さんの「夏至展」へ。
おふたりの共作の「オラクルカード」をいただいてきました。

平澤さんが絵を、砂原さんが写真を担当して生まれたカード。
その日の気分で1枚ひくと、そこに書いてある言葉が天使からのメッセージになるそうです。

今朝、さっそく引いてみたカードは、
「oneness」でした。

幼い時から、出張で家にほとんどいなくて、
父に「あれが欲しい」など、甘えることが苦手でした。
くるりと時が一周して、
老いていく父と向き合ったとき、
やっと感謝ができるようになったかなと思います。

 

みなさんは、どんな父の日を過ごされたのでしょうか?

今日もいい1日を。


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