相手の扉のもうひとつ奥の扉をノックしてみたら。

今の札幌は、新緑が芽吹き始めたばかりで、緑が本当にきれいです。
街中には、ライラックの花があちこちに咲いています。
ライラックって、花びらが4枚で、
時々5枚のものがあり、それを見つけるといいことがあるんですよ、
と昨日会場に来てくださったお客様が教えてくださいました。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

 

イベント中、会場で出展者のみなさんといろいろなお話をするのも
楽しみのひとつです。
普段の暮らしのこと、ビジネスのこと、家族のこと、などなど……。

メガネスタイリストで、「TO」というメガネのお店を営まれている
藤さんは、食べることが大好き。
毎回地方でのイベントでは、キッチン付きの部屋を借り
東京からマイ鍋を持ち込んで、朝も夜も自炊する、という方です。

大阪でのイベントでは、毎朝豆腐屋さんに通い、近所のスーパーで野菜を買って。
今回も、「おいしい乳製品を見つけたくて」とか
「アスパラを食べたくて」と楽しそう!

東京でも、サウナが大好きで通ったり、ボクシングジムに行ったり……。

高校生の頃、自分に自信がなく、なんとかかっこいい人になりたい
と思っていたときに、
メガネひとつで、ガラリと変身できることを知り、
そこから、メガネの道へ。
メガネ屋さんに勤めたのち、好きなメガネのブランドがあるドイツへ渡り
メガネに関するあらゆることを学んだそう。
帰国後独立してお店をオープンされました。

「デニムとTシャツだけで、かっこいい人になりたかったんです」
と教えてくれました。
仕事も暮らしも好きなことに一直線!

「私、何にも考えないんで」とおっしゃいます。
考えないからこそ、自分の直感を信じて突き進むことができる!

おいしいものを食べることと、
メガネの仕事をすることは、
一本の線でつながっている……。
そんな潔い生き方は、なんて気持ちいいんだろう!と思いました。

一番右が藤さんです。

そして、私の横に立っている男性が、「レリル」というブランドの
デザイナー、児玉洋樹さん。
生地や糸など、素材のことにめちゃくちゃ詳しくて、
その話を始めると止まりません!

そんな児玉さんには、ビジネスの話を聞いてみました。
かつでは、販売部長を務め、スタッフに販売のスキルを教えていたそう。
「どうやったら売れる、って教えるんですか?」と聞いてみました。

「それは、ここに」
と1枚の服を親指と人差し指で挟み……。
「いかに、コンパクトにぎゅっと圧縮して、この服のストーリーを
語れるかですね」と……。

お客様が何を求めていらっしゃるか、を聞き出すことは大前提で、
その後に、いかに1枚の服の説明を
きちんとできるか、が「売る」ための基本なのだそう。

なるほど〜!と思いました。
始まりから終わりまで……。
その服のストーリーをぎゅっとコンパクトにして語る……。
そのためには、自分自身がきちんとストーリーを知っておかなくてはいけないし、
さらには、それを「伝える」ことを面倒くさがらない……
という熱量も必要です。

私は、雑誌や本の魅力を伝えることを、怠ってはこなかっただろうか……
と思わず我が身を振り返りました。

いろんな人の話を聞くと、
自分の中の普段とは違うパーツが刺激されて、
その刺激できっかけで
いつもの思考回路をもう一度見直したり、
アッチとコッチをつなぎなおしたりと、
あれこれ考えるきっかけになります。

でも、コンコンと扉をノックして、さらにもう一つ奥の扉を
開けてもらわないと、なかなか面白い話は聞けません。

その扉を開けることが、人と話すいちばんの楽しみだなあと思います。

自分にはないものを、その人から分けてもらう……。
そんな出会いを大切にしたいなあと
イベント会場に立ちながら考えました。

みなさんは、誰かの扉をコンコンとノックすることはあるでしょうか?

 

今日もいい1日を!


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