旅に出るのに、トラベルセット一式忘れた!

平井かずみさんとのトークイベントで、三重県関宿にある「而今禾」さんへ行ってきました。
昨夜東京に戻り、「さむっ!」
今日は少し暖かくなりそうです。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

「而今禾」さんは、今から18年くらい前に、「おいしいをつくるもの」(主婦と生活社)という
1冊を作ったときに、四季を追った構成だったので、1年間何回も通ったギャラリー&カフェです。
その後、何回か別の雑誌でも取材をさせていただきましたが、
今回伺ったのは10年ぐらいぶり。

でも、お店は当時のままで、まるであの頃に戻ったようでした。
当時、私はまだなんにも知らなくて、磁器と土ものの違いから、玄米のこと、いい調味料のこと
古いものの味わい、すべて教えていただいた気がします。
我が家の食卓は、この「而今禾」さんのギャラリーで展示台として使っていたものを
引越し祝いにと譲ってもらったものでした。

あれから月日は経ち、
あんなにちっちゃかった娘のゆめのちゃんは、もう社会人となって
オランダで就職されたとか!
もうびっくりです!

その後、せっかくここまで来たから……と、
平井さんとふたりで、伊勢にある「VISON」まで足を伸ばしました。
ここは、陶芸家の内田鋼一さんや、「くるみの木」の石村由起子さんなどがプロデュースに関わった
複合施設。
ホテルや、ショップ、ギャラリーなどが集まっていて、
以前から行ってみたいと思っていました。

ホテルに泊まって、次の日モーニングをいただいたのは「カフェトミヤマ」。
ここも、10年以上前、松坂にお店があった頃に取材をさせていただき、
VISONに移られたとは知らなかったので、びっくりの再会となりました。

もうね〜!
ここのモーニングが最高なのです!
サンドイッチとサラダが2段になって出てきます。
サンドイッチは、卵サンドかフルーツサンドを選べます。
なにもかもが美味しくて、心が満たされました!

実は………。
この旅で、私は旅のセット一式を家に忘れてしまったのです!
私は、シャンプーも化粧品も旅先でも自分のものが使いたいタイプなので、
前日にいつも出張に持っていっている小さなボトルセットを点検し、
減っていたものは補充し、準備万端整えておりました。
なのに……。

1泊目は、而今禾さんに泊めていただき、夜あれこれおしゃべりして、
さあ、お風呂をどうぞ、と言われてスーツケースの中を探したらない!!
え〜〜!
と頭が真っ白になりました。
そこには、シャンプーやローションやブラシ、
さらには、コンタクトや、ファンデーションやアイブロウペンシル
私の身支度に必要なすべてが入っていたのですから!

え〜!
私、トークイベントなのに、メガネ姿で?
眉毛もかけないし……。
と途方に暮れて、
とぼとぼと、みんながまだおしゃべりしていた部屋に戻って
「大変。トラベルセット一式忘れてきた……」と言いました。

すると……。
みんなが一斉に
「あ、うちに旅のスキンケアセットがあったよ」と「而今禾」の恭子さん。
平井さんは
「一田さん、コンタクト、ワンデイですよね。私1セット余分に持ってきてますよ」と。

みんながいろんなものを出してきてくれて、
私は、お借りしたシャンプーで髪の毛を洗い、お借りしたクレンジングでメイクを落とし
お借りしたローションをつけて、その日寝たのでした。

次の日は、みんなに借りたものでメイクをし、眉を描いて、
トークイベントにのぞみました。
みなさん、本当にありがとう!

そして、
「ああ、なんとかなるものなんだなあ〜」ということを実感。

眉は、「シュウウエムラ」のペンシルで下の輪郭を描き、
「アルチザン&アーティスト」の筆で、「シャネル」のアイブロウパウダーで中を塗り
その後、アイブロウマスカラで色を整えないと気が済まない!
と思っていたけれど、
平井さんのアイブロウパウダーを借りて、チャチャッと描くのでも全然大丈夫!

「いつものあれ」がなくても、十分事足りました。

そっか、「絶対に必要!」と思い込んでいるあれこれは、
実はなくても生きていけるのかもしれない……。

さらに、夜遅く、なんにも持ってきていない、ということが発覚すると、
自分の力ではど〜することもできません。

周りのみなさんが貸してくださるのをお借りするしかない……。
人の力を借りるって、こういうことなんだなあということもよ〜くわかりました。

いつもは「人に頼る」ということが苦手なのに
完全にお手上げ。ホールドアップする以外は方法がない……。
「ああ、もうだめ」と言ったら、誰かが助けてくれる。
このことも、改めて知ったのでした。

たかが忘れ物をした、
というだけのお話なのですが、
旅の2日間で、大切なことを私に教えてくれた気がしています。

帰ったら、荷造りをしたスペースのすぐ横に
ふたつのポーチがちょこんと私を待っておりました。

「ないと絶対ダメ」と思っている「いつものあれ」を「なし」で過ごす体験も
たまにはいいのかもしれません。

みなさま、今日もいい1日を。


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