すぐそばにある「いいこと」の方へ。

寒い日は、暖かい飲み物をふ〜ふ〜言いながら飲むひとときが、幸せですね〜。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

私は、感染対策に気をつけながら、そろりそろりと
「大人になったら着たい服」の取材を続けています。

さて。
先日の撮影で、おしゃれの先輩と雑談をしていたときのこと。
その方は、お母様の具合が悪く
実家に戻って一緒に暮らし始められたとのこと。

「いくら、実家でも、
やっぱり『自分の空間』がないと、ダメなのよねえ〜」
としみじみおっしゃっていて、
「そうそう!」と思わずうなづきました。
私も、昨年プチ介護で実家と行き来していたとき、そう感じたばかりだったので。

かつて自分が暮らした家でも、
そこは、やはり母が整えた場所。
実家に帰った時にしか飲まない、ホットミルクで作った甘いインスタントコーヒーはおいしいけれど、
やっぱり、自宅で自分が選んだマグカップに
いつもの「カルディ」で買った「リッチブレンド」をゴリゴリひいて
自分でいれたコーヒーが落ち着く……。

我が家にあるすべてのものは、私がコツコツと集めたもので、
生活の場は、時間をかけて私が作り上げたもの……。
いつもご飯を食べる食卓も、
いつも原稿を書く書斎のマウスパッドも、
いつも窓から差し込む光も、
知らず知らずのうちに、「自分が心地いいように」と
ポケットの中に集め続けたものなんだなあということを実感します。

どんな家であれ、どんな部屋であれ、
「自分の暮らしの場」を持っているということは
とっても幸せなことなんですよね〜。
そのことに、やっと気づかせてもらった気がします。

最近、母の具合がまたよくなくて、モヤモヤとしています。
実家で、老いた父と母が助け合いながら暮らしていることを想像すると
今すぐ帰って手伝いたくなります。
そんなことをぐるぐる考え続けていると、
心が重た〜くなってきます。

そんな時、以前「kuboぱん」をされていた、久保輝美さんのインスタで
はっとする言葉に出会いました。

「考えても仕方がないものは、考えない。
自分ではどうしようもないモノゴトは、そのままキッパリ放っておくの。
あなたのかけがえのない時間を失ってしまわないように。
「ない」を優先すれば、今できることに集中できる」

確かに、母の体調のことは、
私がいくらもんもんと考えても、改善するわけではありません。
だったら、コーヒーがおいしく入ったことに感謝して、
顔をあげて、にこやかに1日を送る方がずっといい……。
そして、元気な声で実家に電話する方がいい。
そう自分に言い聞かせています。

以前、ライター塾サロンのメンバーのおひとりに教えてもらった言葉をご紹介しました。

「幸せな方の椅子に座る」

悲しいことが起こっても、縁側の光は美しいし、
困ったことがあっても、コーヒーはおいしい。

だから、悲しさや悩みにひきづられすぎないように、
暮らしの中の小さな「いいこと」の方に
顔を向けられたらいいなあと思います。

ずっと私は、ペシミスト(悲観主義者)のペシミッ子だと言い続けてきたけれど、
そろそろそのペシミッ子を卒業する時期なのかもしれません。

みなさんの、すぐそばにある「いいこと」ってなんでしょう?

今日もいい1日を!

 

 

 


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