「いつも」に戻るのは、玄関掃除から

実家での日々がひと段落し、ようやく自宅へ戻りました。
まだちょっと両親のことが心配で、後ろ髪引かれる思いではあるのですが……。

つい、「今ごろお昼ご飯を作っているかな」
「ひとりで洗い物できるかな?」
など考えてしまい、ふたりの姿が目に浮かんできて、うるうるしてしまいます。

でも、両親の人生を肩代わりすることはできない……。
そう無理やりいい聞かせて、私は私の日常を送ろうと思っています。

帰ってまず取り掛かったのは、ほこりっぽかった玄関の掃除。
ほうきでホコリを掃き出し、水拭きしたら、心まですっきりしました。

そして、次にいつもの私のコンポートづくり。
いつの間にか、スーパーには洋梨が並んでいて、さっそく買ってきて、
氷砂糖でコトコト煮ました。
さらには、豆乳でヨーグルト作りも。

もう、このブログに何度も登場させている、
私の朝食みたいな昼食を食卓に並べたら、
ようやく「あ〜、いつもの暮らしに戻ったな〜」と感じられます。

たった1か月、離れただけなのに、
洋梨の皮をむいて「あ〜、これこれ」
ラタトゥユを煮ながら、「あ〜、これ両親に作ってあげたいなあ」
書斎で原稿を書きながら「仕事だけに集中できるってすごいこと!」
と、何かをするたびに、いちいち心が揺れて、何かを考え、何かを思う……。

日常から一歩出て、戻ってみると
こんなにもたくさん感じることがあるんだと、我ながら驚いてしまいます。

そして、改めて思ったのでした。
当たり前の毎日って、「何にも考えなくていい日々」だったんだなあ〜って。
何にも考えないで、1日が過ぎていくって、すごく幸せなことだったんだなあ〜って……。

いちいち、ひとつひとつのことに心が揺さぶられると疲れてしまいます。
淡々と、何も考えず、日々のルーティンが過ぎていく……。
それが、心の平安をつくるんだなあと思いました。

それでも、私は今のこの心の揺れを、忘れないようにしよう。
ここで考えたことを、大切にしよう……とも思います。

少しずつ、私はまた、何も考えずに過ごせるようになるのでしょう……。
そして、当たり前の日々から手を伸ばし、
何かを掴み、それを綴り、仕事を続けていく……。

 

「今」は、多少しんどいけれど、
私は、今の私を、しばらく観察してみようかと思います。

みなさま、今日もいい1日を。


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