心の内側へお散歩! チョコレートドーナツを見た日

き〜んと寒い朝です。
日本海側は大雪吹雪なのだとか……。
みなさん、大丈夫ですか?

首都圏では緊急事態宣言が発令され、不安な状況が続いています。
せめて、明るい春を思って前を向いて、
心穏やかに過ごしたいものですね。

さて!
どこにも出かけられないお正月、アマゾンプライムで映画を見ました。
「チョコレート・ドーナツ」

も〜!これが素晴らしくて、素晴らしくて……。
見終わってからしばらくは、ずっとこの映画の世界に浸っておりました。

見た方もきっといらっしゃることと思います。

1970年ブルックリンであった実話に基づいた映画で、
ゲイのカップルが、ダウン症の男の子と一緒に過ごす日々を描いたもの。

ショーダンサーで、派手な衣装を着てメイクをし、女性の歌を口パクで歌うルディ。
ゲイであることを隠して生きる弁護士のポール。
このふたりが出会うところから物語は始まります。

そして、ルディの住まいの隣に住んでいるのが、ダウン症の少年マルコ。
薬中の母親は育児放棄し、ひとりポツンと家にいるところを、
ルディが見つけて、自宅で一緒に暮らしはじめます。

でも……。
他人の子供を預かることは法律では認められず、施設に送られることに。
ところが、マルコは脱走しひとりで自宅へ。
ルディとポールは、ゲイカップルという冷たい目を世間から浴びせられながらも、
法定で、マルコの監護者として認めてもらうよう動き出します。

マルコはチョコレートドーナツが大好き。
3人で、自宅で過ごす姿の幸せそうなこと……。

隣に住んでいるというだけで、
私は、あそこまで子供に愛情を注げるだろうか……。
ずっとそう思いながら見ていました。
ルディのマルコを愛しく思う気持ちに、ほんと、泣けてきます。

きっと「ねばならぬ」という意識では、あそこまで深くマルコを愛せなかっただろうな……。
ルディは、頭で「いいこと」や「理想」を考えるのではなく、
ただただ、マルコが愛おしくて愛おしくてたまらなかった。

隣の人に愛情を注ぐことができる人になるためには、
普段から「そうせずにはいられない人」になっておかなくては……。
私はそんな人になれるだろうか……と今も悶々と考えています。

そして!
ルディを演じた俳優、アラン・カミングの歌声がこれまたすんばらしい!
ずっとゲイバーで歌っているルディに、
「本当は素晴らしい歌声なんだから、デモテープを送ってみたら?」とすすめたのはポールでした。

忘れた頃にプロデューサーから連絡があり、ナイトクラブで歌うようになります。
この歌のシーンがめちゃくちゃいい!
低く、切ない歌声が、胸を打ちます。

ゲイとかダウン症とか、職業とか、
すべてのものをとっぱらって、
出会うこと、守ること、愛すること……をしみじみ感じさせてくれる映画です。

実はこの映画は、宮本亜門さん演出、東山紀之さん主演でミュージカル化。
私もチケットをとっていたのですが、なんとコロナ感染者が出て初日から数日間中止に。
行くことができませんでした。(今は公演中)

もしかしたら、ミュージカルより先に映画を見なさいってことだったのかも……
と思うぐらい、素晴らしい映画でした。

誰かに出会ったとき、
美しい心でいられる人になりたい……と思うこのごろです。

みなさんの心に残る映画はなんでしょう?

 

 

今日もいい1日を!


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