テレビを消すって難しい!

今日は11月最後の日。
今年も残すごころあと1か月なのですね〜。
冬が深まって、寒さが増していくこの時期が、私は意外に好きだったりします。
我が家は古い一軒家なので、起きると白い息が出るほど冷えることもあるけれど、
「う〜、さぶ」とストーブをつけ、部屋がだんだん温まっていく感じや、
縁側の窓から、だんだん明けていく朝の澄んだ空を眺める時間や……。
冬は冬らしく過ごせるって幸せだなあと思うこのごろです。

さて……。
昨日は、NHKカルチャーのオンライン講座などがあり、原稿にも追われ……
と夜にはクタクタ。
晩ご飯の後は、「もうなんにもしないぞ!」と一旦すべてから離れてみることにしました。

こんなとき、以前ならグダグダテレビを見ていたワタクシ。
「テレビを消して過ごしたら、きっともっといい時間になるはず」
とわかっちゃいるんだけれど、
疲れているときほど、そんな風に前向きになれず、
グダグダモードを引きずってしまいます。

で、昨夜はご飯を食べる時から、テレビのスイッチオフ!
(夫は仕事で帰りが遅くなり、ひとり飯でした)

すると………。
見慣れた我が家に別世界がやってきました!!
いや〜!改めてテレビ断ち、っていいものですね〜。
(テレビ関係のお仕事の方ごめんなさい)

音楽を聴きながら、一人でご飯を食べ、ひとりで片付けて、
お茶を入れて、本を読む。
たったそれだけのことですが、
本のページの1行が、流れてくる音楽が、
ビンビンと心に入ってくる…….

実は、これをやってみようと思ったのは、
つい先日「おへそ」で取材をさせていただいた方に、
「いいこと」を教えてもらったのがきっかけでした。
まだその「いいこと」がここに書けないのがつらい〜!

本が出た後、このことは改めてまた書きますね。

そして、昨日ゆっくり読んだ3冊の本。すごくよかったのでご紹介します。

まず1冊目は、花生師という名前で花の仕事をする岡本典子さんの
花生師、岡本典子の仕事」(誠文堂新光社)

この本、とにかく丁寧に作ってあるのです。
岡本さんが花を見つめる視線を、丁寧に丁寧に追っています。

 

花の色から、ツルツル、フワフワという質感、フォルム、色気まで……。

そして、岡本さんの「主役を作らない」という花の束ね方に
「なるほど〜」と深く共感したのでした。

巻末の、岡本さんが「花生師」になるまでの歩みも読み応えがあります。

 

2冊目は、内田彩仍さんの「家時間」(主婦と生活社)

つい最近、住み慣れたマンションから小さな一軒家に引っ越された内田さんの
新しい家の様子が綴られています。

私も何度か内田さんの取材に伺ったからわかるのですが、
内田さんの本の中に書かれていることは、
本当に内田さんが毎日やっていらっしゃることなのです。

「え〜、こんなに丁寧なこと毎日できる?」「撮影用じゃないの?」
って思いがちなんだけれど、
決してそうではなく、本当の本当にちゃんと毎日繰り返されている日常です。
だからこそ、すべてのページにリアリティと説得力があります。

この本の中で、いちばん「ああ、内田さんらしいなあ〜」と思ったのは、
新居に引っ越したからといって、新しい家具をそろえる、なんてことは
されなかった、ということ。

ずっと愛用されている椅子を張り替えたり、リメイクして……。
上の写真の椅子は、私もご自宅で見かけたことがあるのですが、
アルミ製でクールなイメージでした。
そこにイケアのシートクッションをのせてイメージチェンジ。

好きなものがずっと変わらない。
手に入れたものを愛おしむ。
少しずつ手を加えてマイナーチェンジする。

そんな「家」を愛おしむ気持ちがあふれた1冊でした。

 

3冊目は、私も撮影や、ライター塾で時々お弁当をお願いする
麻生要一郎さんの初めての著書「僕の献立 本日もお疲れ様でした」(光文社)

私は麻生さんのインスタをフォローしているのですが、
毎晩の夕飯の写真がアップされて、それがも〜、ど〜にも美味しそうなのです。
そして、その最後にいつも書かれているのが「本日もお疲れ様でした」の一言。

「はじめに」にはこんな風に書かれていました。

「技巧を凝らした、見栄えがする美味しいごはんを作る人は世の中にたくさんいる。
僕ば身近な誰かを喜ばせたい思いだけでごはんを作っている」

ああ、だから麻生さんのお弁当はおいしいのだなあと納得した一文でした。

今日は、この中から鱈の味噌マヨネーズ焼きを作ろうかと思います。

 

 

テレビを消して、3冊の本をゆっくり読んだひととき。
テレビ断ち、いつまで続けられるかなあ〜?

 

 

長くなりました。
みなさま、今日もいい1日を。


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