「終わった人」にならないために

img_9478

今日は東京は32度になるそうです。
あっついな〜。
ハンカチと扇子と水筒を持って仕事に出かける予定です。

さて。
先日ネットの記事で、日経womanの元編集長麓幸子さんの、お悩み相談のページを読みました。

お悩みは、50代に差し掛かった女性のもの。
そろそろ定年も見えてきて、今までのように頑張っても出世できるわけでもなく、
評価されるわけでもない。
周りを見渡しても、55歳以降で素敵にキラキラ輝いている人が見つからない。

「私も『終わった人』になるしかないのでしょうか?」

という一言に「ああ、その気持ち、わかる〜」と思ったのでした。
自分の伸び代をぐんぐん伸ばしてきた20代、30代。
何も知らず、わからなかったからこそ、無我夢中で「わかっていく」過程が面白かった。
40代になると、少しずつものごとが見えてきて、
やっと落ち着いたかな……と思う50代になると、
もう「終わり」が見えてくる……。

でも、今の時代、50代から先の人生がまだまだ長いのです。

img_9477

麓さんはそんな状態を「停滞」と名付けていらっしゃいました。
そして、アドバイスは

「会社にどう貢献していくかを考えるのは、いかがですか?」と。

これって、一見「え〜? そんなことつまらないなあ」と思うかもしれないのですが、
とっても深い一言だなあと思いました。

本音を言えば、私も含めて、人って「会社にどう貢献するか」にはあまり興味がないんじゃないでしょうか?
それよりも「私が」どう仕事をするか、「私が」どう認められるか、
「私が」どう生きがいを感じられるか、が大事。
そんな会社に貢献なんて……。

でも、麓さんはこう書いていらっしゃいました。
「もう人からどう見られるという呪縛から、自分を解放しませんか?」って。

その上で

「感謝して、『お返しする』という視点を持つと、55歳以降にやるべきことが見えてくる」

とアドバイスをされていたのです。
なるほど! と思いもしなかった視点を教えてもらった気がしました。

でも、「いやいや、私なんてまだまだ自分も完成できていないのに、
お返しなんてできないですよ」

と言いたくもなります。
でも……。
冷静に自分を見つめてみると、今までいろんな経験をしてきました。
私なら、ライターとして駆け出しの時代があり、やみくもに体力勝負で働いた時期があり、
自分で雑誌を立ち上げたり、そして「自分」を一歩出して本を書いて……。
無我夢中でやってきただけだけれど、そこには何かを感じ、考え、登ってきた階段がある。

「お返しする」といういことは、「自分が今、何を持っているか」と問い直してみること。
「いやいや、私が持っているものなんて、大したことないし……」
と尻込みしたくもなりますが、
もし、こんな拙い経験でも、誰かの役に立つとしたら……。

img_9476

大事なのは、自分が持っているものの価値を、まずは自分が認めてあげることなんだろうなと思います。
それは、50代じゃなくても、30代の人も40代の人もきっとできること。

料理をずっと続けてきたお母さんなら、料理のレシピや小さな作り方のコツが。
子育てであれこれ悩みを乗り越えてきた人なら、子供への寄り添い方が。
会社員として働いてきた方なら、上司や部下との付き合い方、プレゼンの仕方などが。

自分で自分の持ち物を分析してみたら、
それが新たな力になってくれるのかもしれません。

そんな「お返し」できるものを見つけるプロセスは、
そのまま、自分を再構築するプロセスにもなるなあと感じています。

みなさんが「お返し」につかえる力ってなんですか?

 

 

今日もいい1日を!


一田憲子ブログ「日々のこと」一覧へ