もうコップはいっぱいだったのかもしれない

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庭のミントがワサワサと繁ってきました。
みなさま、いかがお過ごしですか?

いつもは居間にばかり花を生けてきたけれど、
ふと思いついて仕事部屋に飾ってみました。
どうして今まで思いつかなかったんだろう!
この部屋は、仕事をする部屋だから、と思い込んで、
無意識のうちに、「楽しむこと」「くつろぐこと」を持ち込まないようにしていたのかも。
部屋の入り口なので、出入りするたびに、みずみずしい緑が目に触れて
「こんなに気分が変わるものなんだ!」とびっくりしています。
原稿に疲れたら、ちょっと葉っぱに触れにいくと、
ミントのさわやかな香り。
手にミントの香りをいただいて、またパソコンに向かいます。

ミントは、小さな苗を買ってくると、
庭に植えるだけでどんどん増えて、増えすぎるぐらい。
チョキチョキとカットしてもすぐまた次が出てくるから、
生けたり、ハーブティにしたりとあれこれ使えるのでおすすめです。

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さて。
仕事がだんだん立て込んで、つい先日までは「こんなにゆっくりしたのはひさしぶり」
と思っていたのに、またまた時間に追いかけられる日々がはじまっています。
でも、心のどこかに、あの「ゆっくり」が残っている気がして、
いつもなら、バタバタと1日が終わっていくのに、
どこかで自然に「立ち戻ろう」というリセット機能が働くのです。

「あれもやらなくちゃ」「こっちもしておこう」
放っておくと、「今日できるかぎりのこと」を目一杯やろうとしてしまうから、
一歩手前でやめて、仕事モードの自分を抜け出す……。
仕事部屋の電気を消して、リビングのロッキングチェアに座り、
ほんの10分間ほど本をめくってみるとか。
それは、あの「ゆっくりの日々」で、「仕事モードじゃない自分」を自覚したから。

一歩手前でやめると「やろうとしていたこと」は、その時やらなくてもよかった、
と気づくことができます。
私は、ただ「安心したい」から、「終わり」まで駆け抜けたかっただけ。
でも、今日やらなくても、明日また向かえば、また新たな気持ちでその仕事に取り掛かることができます。
欲張りになって、ただただ、「やり終える」ことだけを目標にすると、
仕事のクオリティまで落ちてしまうんだなあと反省……。

若い頃から、ほぼ仕事一筋で生きてきたけれど、私は「仕事」でできているわけじゃない。
そんな当たり前のことに、今、やっと気づき始めいている気がします。

そして、できるなら「自分に立ち戻ることができる」ぐらいのペースで仕事がしたい。
今まで、私は欲張りで、「もっともっと」と仕事をし、
仕事が増えること=収入が増えることが嬉しくて仕方がなかった……。
でも、いつの間にかとうにコップはいっぱいになっていて、
入れても入れても水は溢れ出しているだけだったのかもしれない。

自分にとっての「適量」とはなにか?
それを、今回の「STAY HOME」で改めて考えるようになりました。
欲張りじゃなくなると、他の楽しさが見えるようになります。
長編小説をじっくり読んだり、
お菓子を作ったり……。
もう少し外に出られるようになったら、もっと他のお楽しみを見つけられるかも。

「適量を知る」ということは、
バランスよく生きることなのかもしれません。

みなさんの「適量」とは、どんなものでしょう?
湿気が多い日々ですが、時々マスクを外して深呼吸!
どうぞ、今日もいい1日を!

 


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