新緑がもりもりと葉を広げ、
見知らぬ小さな花が咲き始めました。
みなさま、いかがお過ごしですか？

先日、たまたま小川洋子さんの講演をYou-tubeで拝見しました。
その時、印象的だったのが
書く前は、いったいその小説がどこへ向かって走り出し、
どんな物語になるかがまったく見えていないということ。

そして、文学とは
言葉では説明できない世界へ
自分を連れていってくれるものだということ……。

小川さんの足元にも及ばない私ですが、
その感覚がちょっとだけわかる気がします。

取材をして書いたり
自分のエッセイを書いたり。
そんな時、いったいこの文章がどうなるのか、
私も書き出した段階ではまったくわかりません。

パソコンのキーボードを打ちながら
「そうか、そうか！　そうだったのか！」
と木の中から像を掘り出すように、
文章が生まれていきます。

ライター塾でも同じです。
生徒さんに課題を書いてもらって、読ませていただき
「これはどういうこと？」と質問をします。
生徒さんは、それに答えながら
『あ！　そうか！　私ったらこういうことをここで感じていたんですね」
と驚かれます。
そして、みんな終わる頃には
「その発見が気持ちよかった！」
と感想を聞かせてくれます。

自分でも思いもしなかった世界へ降りていくこと……。
そんな「書く」楽しみを味わっていただけたらいいなあと思います。

第32期ライター塾を開催いたします。

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