初めて一田さんに取材してもらった時、小さかった娘たちと一緒に作ったのは餃子でした。
久しぶりに、その時の雑誌を開いてみると、当時のバタバタ感が甦ってきてちょっと笑ってしまいます。
その頃の私たちは、家と工房を建てたばかりで、これから始まるこの地での暮らしがどうなっていくのか、希望も不安もどっちもの感情で胸はぱんぱん、今思えば、不安な気持ちから少しでも遠ざかるために、朝から晩まで仕事ばかりしていました。
早朝から工房で一仕事、そして朝ごはん掃除洗濯メールの返事、ブログ書いて、工房で夕方まで仕事、塗りかけの土壁を塗り、薪を作り、保育所の送迎、ご飯作り、そのほか諸々ありつつ、3人娘と猫2匹とゴールデン1匹を育てていました。毎日がジェットコースターのような暮らし。朝から晩までビュンビュン飛ばして、夜、布団敷いたらそのまま倒れこんで眠る、、、事はまだできないのです。娘たちは日替わりでそ寝る前にれぞれが読んで欲しい本を読んでもらえることになっていたので、、、そう、絵本を読まなければ!「今日は誰の番?どれ読むの?よしよし、、、*『あしたうちにねこがくるの』ママのお友達が、、、むにゃむにゃ、、ぐうー、、、」「もも(娘たちは母のことをファーストネームで呼びます)まだ寝たらあかん、ちゃんと読んでー」「あーごめんごめん」なんとか一冊読み切って(読みきれない時もありましたが、笑)ようやく消灯、大谷家の怒涛の1日はこうして幕を降ろすのでした。
今から思えば、子供達が小さかった頃、私たちは忙しすぎてどこへも連れて行くことができませんでした。
仕事をいつもより少し早めにおいて、みんなでワイワイお菓子やご飯を作って食べるのが休日のささやかな楽しみ。
餃子、コロッケ、春巻き、ハンバーグ、チーズケーキ、、
子供たちを喜ばせたい一心で、みんなの好きなものをせっせと作っていた休日。
その頃のことを思うと、仕事も子育てもどちらも中途半端で「こんなんでいいのか?」と自問してばかりいた記憶が蘇って少し切なくなるのですが、同時に、小さい娘たちにもみくちゃにされながら過ごした当時の暮らしには、私の人生の中の最も幸せな思い出がたくさん詰まっていて、思い出す度に心が温かくなるのも事実なのです。
その時から随分時間が経って、上の娘たちは家から離れて暮らしていますが、
下宿が友達がたまる居酒屋のようになっていて、やれ餃子を作った、春巻きを作った、という話を聞くと、
まあ、私たちの子育ては成功したのかな、と、嬉しく思う今日この頃です。
今度、娘が帰ってきたら、久しぶりに一緒に餃子を作って、ハフハフ頬張りながらビールを飲みたいなあ。
最後に最近気付いたこと、「餃子を少量作るのは全く大変ではない」。
子供たちがいるときは、毎回、「餃子屋始めるんか?」という勢いで大量の餡を作ってみんなで100を超える餃子をどんどん包む!という餃子劇場が繰広げられていたのですが、私たち2人が食べる分くらい作るのは余裕綽々、鼻歌交じりで、材料を刻んで混ぜてチャチャっと包んで、フライパンに並べて焼いて、はい出来上がり〜。
高地トレーニングを積んだマラソン選手が平地で走る時ってこんな気分なんでしょうか?
とにかく、家で作る餃子は文句なしに美味しい!
身近な材料でできるので、まだ作ったことない人もぜひ作ってみてください〜
*『あしたうちにねこがくるの』石津ちひろ-文、ささめやゆき-絵(暗記するくらい何度も読みました!)
<材料>(約60個分)
餃子の皮
豚ミンチ 400g
(材料A)
ショウガ 約20g
シイタケ 中5個(一部、干し椎茸(戻す)にすると味に深みが出て美味しいので、私は干2+生3くらいにしています)
細めの青ネギ、または、ニラ 4-5本
キャベツ 中3分の1
(調味料)
ニンニク醬油(普通の醤油でも)大さじ1
ごま油 大さじ1
酒 大さじ2分の1
塩胡椒 適量
(たれ)
酢、醤油、ラー油 各適量
(*作る量はそれぞれの事情に応じて調整してください)
1.(材料A)をフードプロセッサーで細かくする。
キャベツは塩少々と一緒に細かくし、ザルに布巾を広げて出し、水分を絞る。
2.ミンチと細かくした材料A、調味料を大きめのボウルに入れて混ぜる。
3. 包む(包んだものを長くおくと、水分が出てトレイにくっついてしまうのでオーブンペーパーやラップを敷いておくと良い)
5. 高温に温めておいたホットプレートに油を多めにしき、餃子を並べて水を2分の1カップ程度注ぎ、蓋をして蒸し焼きにする。水分がなくなって、キツネ色の焦げ目がついたら出来上がりです。(10-15分程度)
キャベツは、塩少々と一緒に刻んで、水分を絞ります。
フードプロセッサーがあるととても便利。たくさんの野菜もどんどん刻んで(砕いて、という感じでしょうか、、、)小さくなっていきます。ない場合は、、、包丁で、頑張ってください。
手でしっかり混ぜる
本日のお包みさんは、三女、緑(高3)(雑誌では鼻に粉をつけて、「粘土遊びのように」餃子の生地をこね回してた子です)。餃子包み歴、14年。
皮の真ん中に餡をおき、
皮の縁一周に水をつける(のり付け)
手前から半分に折り曲げ、
右手の人差し指を使ってヒダヒダを作りながらしっかり押さえて、
はい、一丁上がり!
手先が器用な緑、どんどん包んでいきます。餃子がきれいに並んでいる様が可愛い❤︎
ホットプレートを高温に温め、油をしいて餃子を並べる。
列と列の間に隙間を開けておくと、焼けた時に取り出しやすいです。
水を注いで蓋をして蒸し焼きにすること約10〜15分。
こんがり焼けましたー!さあ、ビールビール!