米沢から届いたリバーシブルのスカートは、モダン!

 

 

前回は、素敵な傘をご紹介しましたが、
この商品企画を担当したのが、「工場十貨店」の企画販売ディレクター大和田洋子さんです。

大和田さんは、アパレル会社でデザイナーとして働いてきた方。
「入社した時は、パタンナーでその後デザイナーになりました。
前職があったから、今この仕事ができているなあと思いますね」

これまでのファッション業界では、作り手、アパレル、小売という3つの中で
どうしても、製造元の工場にしわ寄せがいってしまう構造でした。
アパレル会社は、自分たちの利益を守るために、作り手の利益を削ろうとしがちになります。
「もっと、みんながハッピーになれるものづくりのしくみが作れたら……と考えたんです」
と大和田さん。

そこで立ち上げたのが、作ることから「販売」という出口までを一貫してすべて手がける
というスタイルでした。
つまり、工場と一緒にものづくりをして、それを自分たちの手で売る……。
畑から収穫した野菜を売る「産直の店」のようなスタイルです。
こうして生まれたのが「工場十貨店」というショップです。
百貨店のように「百」も商品がなくていい。
「十個」でいいから、大切に作り、大切に売りたい……という思いが込められています。

今回は、大和田さんが企画して、大ヒットとなったスカートを紹介していただきました。
さっそく試着してみると……。

 

 

このスカートは、生地の織りから縫製までを一貫して作り上げている
山形県米沢市のスカートブランドのもの。

実はワタクシ、柄物のスカートってほとんど持っていないのですが、
試着させていただくと、あら素敵!
パッと華やかな印象になりました。
プリントではなく織りなので、柄ものでも派手になりすぎないのがいいところ。

そして、実はこれ、リバーシブルなのです!

「普通米沢の『米織り』というのはシルク100%で作られているんですが、
普段の生活でもお使いいただきやすいように、キュプラとレーヨンナイロンで、
オールシーズン対応できるように糸作りをしています。
リバーシブルの生地って、普通は生地を接いで作るんですが、
これは、1枚の生地を2種類の織り方で織っているので接ぎ目がない。
だから、着たときにウエストまわりのモタツキがないんです」
と大和田さんが教えてくれました。

リバーシブルの裏で着てみるとこんな感じ。
こちらは、柄が薄く透ける程度でネイビーのシックな雰囲気になります。
つまりスカート1枚持っていたら、2倍のコーディネートが楽しめるってこと!

 

ウエストは、ゴムでフリーサイズ。
ウエストの位置を変えることで、丈の長さを調節できます。
生地を織るときにゴムも一緒に織り込んでいるため、
締め付けもきつくないので ラクチン!
しかも、このゴムが織り込まれた部分がシャーリングになっているので、
お腹周りがストンと平らになるんです。
つまり、「ぽっこりお腹」をカバーできるというわけ!
これは嬉しい!

 

もう1枚、ブルーグレーのスカートも表裏で着てみました。
お腹まわり、すっきり見えるでしょう? 嬉しい〜!

 

 

こんな風に全国のファクトリーブランドを集め、
「産直生活」を提案するのが、「工場十貨店」です。

立ち上げには、たくさんの苦労があったそう。

「最初は自分たちのお店を持つところまではいけなくて、
百貨店さんが貸してくださるスペースでポップアップショップを開くことからスタートしました。
でも、それでも什器代もかかるし人件費もかかります。
最初のうちは、工場さんにそれを正直に話して、
出店される工場さんから参加料をいただいていました。
2年前に、やっと直営店をオープンし、
ここでも工場さんたちに包み隠さず相談して、仕入れ値にいくらか家賃をのせて
仕入れさせていただいています」

なんて、正直なビジネスの立ち上げ方なんだろう……と思いました。

「工場さんに作ってもらって、自分たちのブランドで売る、とは考えなかったのですか?」
と聞いてみました。

「それだとメーカーと変わらないんですよね。
我々はもう一歩踏み込んで、小さな工場さんが継続的にものづくりができる
しくみを一緒に作っていければいいなあと考えたんです。
自分たちのブランドの名前をつけると、私たちの発注がなくなれば終わりになってしまう……。
そうではなく、工場のファクトリーブランドとしてそれぞれの名前を出せば
たとえうちのショップがなくなったとしても、生き残っていくと思うので」

「じゃあ、工場さんが他のポップアップとかショップで販売してもいいんですか?」と聞くと

「バッティングしていい、という前提なんです。
むしろバッティングした方がいい。
他で販売してもらって、取り扱い店が増えると、工場さんにとってもロットが増えて
商売として明るくなってきますよね。
それが、私たちの成功でもあるんです」。

 

帰りに、さっそくコレド室町テラスの中にある「工場十貨店」のショップに立ち寄って、
私はネイビーのスカートをいただいてきました。

最近、よく感じていたこと……。
それは、「一人勝ち」では幸せになれないってこと。

私は、フリーライターになりたてのころ、
「ライターとして、有名になってやるそ〜!」と鼻息を荒くしていました。
自分だけが知った情報は、誰にも教えたくなかったし、
「私しかできないこと」を見つけたかった。

でも……。
歳を重ねてやっとわかったのは、
「私だけ!」と手に入られられる世界って、ほんとにちっちゃいということ。
それよりも、自分が知ったあのことを、隣の人に伝え、
隣の人が知っているこのことを教えてもらえば、
世界は2倍に広がる……。

「win-win」とはビジネス用語だけれど、
誰かと一緒にハッピーになるって、今の世の中でいちばん大切なことなんじゃないかなあと思います。

そんなショップが、ちゃんと成立していることに
なんだか嬉しくなってきました。

「工場十貨店」に、これからどんな商品が並んでいくかは、
「一緒にハッピー」の仲間が増えるということ。
これからも、楽しみに訪れたいと思います。

 

 

上記の傘やスカートは、すべて工場十貨店で購入できます。
ECサイトでも。

2周年感謝祭を開催 9/18(土)~10/17(日
今回大和田さんのご好意で、このブログを見てご来店いただいた方には店頭にて
『<外の音内の香>を見て来ました』とお伝えいただければ対象商品を20%OFF
としてくださるそうです!(私も行こう!笑)

みなさま、ぜひ!

東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号 コレド室町テラス2階
03-6262-1334
12時〜18時
https://ko-bajukkaten.jp
https://kobajukkaten.thebase.in

東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店9F
03-6206-3238
11時~18時
埼玉県さいたま市大宮区大門町1-32 高島屋大宮店3F
048-729-6580
10時~19時

 

撮影/近藤紗菜

 


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