「“緊急ではないが重要なこと”をする時間を増やすことが大切」吉田穂波さんvol.3

前回は、吉田さんが人に助けを求める“受援力”を広めるようになるまでのお話でした。

今回は吉田さんの時間整理術についてお話を伺います。

吉田さんは、3人目のお子さんが生まれてすぐアメリカのハーバードに留学したり、
5人目のお子さんを産んだ後に転職し、社会人向け大学院の立ち上げに加わったりと、
難易度が高そうなことをいくつも成し遂げていらっしゃいます。

どうやったら、そんなに多くのことを実現できるのでしょうか?

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吉田さんはこう語ります。

「“マルチタスクをこなしたくても、時間がない”と悩んでいた時、
第34代アメリカ合衆国大統領アイゼンハワーの格言に出会いました。

緊急なことで重要なことは滅多にない。
そして重要なことで緊急に対処しなければいけないことも、ほとんどない。

アイゼンハワーは、緊急度ではなく重要度でタスクの優先順位付けをし、
そして他人に任せることができたから、
多くの偉業を成し遂げることができたと言っていたのです。

ベストセラーである自己啓発書の『7つの習慣』にも同じことが書いてあるのを読んで、
私も自分のタスクを“重要度・緊急度”で分類し、
重要なことだけをやって、重要ではないことは人に任せることにしました」。

そんな時間整理術があったなんて!

俄然、興味を示した私に、吉田さんはさっと絵を書いてくれました。

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「自分のタスクを“重要か・重要でないか”
“緊急か・緊急ではないか”の4つに分類し、

最優先で取り組むべきことと、
人に任せていいものを整理します。

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私にとって“緊急で重要なこと”は毎日の料理、洗濯、掃除などです。

他にも、保育園の支度、連絡帳を書く、子どもの保育園の送迎、
小学校の宿題を見る、学校のプリントに目を通す、
生協の商品注文、子どものお友達のお母さんたちとの交流などもあります。

一番大事なのが、“緊急ではないが重要なこと”。
例えば、子どもの話をゆっくり聞くことは親にしかできないことです。

子どもに「あなたのことが大好きだよ、私の宝物だよ」と言ったり、
子どもの歯磨きや手洗い・うがいをする習慣を身に付けさせたり、
自分の健康や成長のためになることに時間を使ったり、
ということなども、このカテゴリーに入ります。

“緊急でも重要でもないこと”は、
TVやSNSのニュースフィードを見たりすること。
我が家にはそもそもTVがないのでTVは見ませんが、
時間を有効に使うには暇つぶしの時間を極力減らすことです」。

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無意識に日常を送っていると、
洗濯・掃除などの“緊急で重要なこと”に忙殺されて
1日があっという間に終わってしまいます。

“緊急ではないが重要なこと”を増やすことが大切だというお話を伺って、
耳が痛くなりました。

“緊急ではないが重要なこと”には、
自分が前からやりたかったことをする、
習い事をする、資格を取る、なんてことも含まれそうです。

 

吉田さんは、仕事の書類作成や電話応対など、
自分以外の人でもできる
“緊急だけれど重要ではないこと”は、人に任せることにして、
“緊急ではないが重要なこと”に力を注ぐことにしたそうです。

ちなみに、この取材を申し込むために
久しぶりに吉田さんに連絡を取らせていただいた時、
すぐに秘書の方から連絡がきてとても驚きました!

吉田さんから「他の人でもできることは、人に任せることにした」
と聞いて納得しました。

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当たり前のことですが、どんな人にも1日は24時間しかありません。
どうやって時間を使うかは、個人の選択と判断に委ねられているのです。

我が身を振り返ってみると、
夕飯の準備でバタバタしている時など、子どもが話しかけてきても、
「後にしてね!」と言ったりしていたなぁ
(そして結局は、子どもの話を聞くのを忘れてしまう)と思いました。

そして、本当に自分のやりたかったことに時間を使えているだろうか?
と考え込んでしまいました。

吉田さんの時間整理術についてのお話は、次回に続きます。


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