なにをするにも時間がかかる

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新年のこの時期、毎年感じることがあります。
それが、

「なにをするにも、時間がかかる」

ってこと。

新年の張り切りモードの中、あれしなくちゃ、これしなくちゃと思うことが多くなるからでしょうか?

たとえば、「靴磨かなくちゃ」と思っても
あれこれ雑事に追われているうちに、たちまち夜になり
「あ〜、今日も磨けなかった」と1日が終わっていく……。

「靴下を入れた引き出しを整理しよう」
と思っても、全部出して、いるいらない、と分けて、
よく使うものを手前に並べ替え……
とやり始めると、思っている以上に時間がかかります。

 

今年こそ、乾物類を整理しようと決意しても
まずは、棚にぴったりサイズの容器を探しに行き、
なかなかいいものが見つからず、あっちの店、こっちの店をのぞいて、
やっとゲットして帰っても、今日はもうできない……。
そのまま数日置きっぱなしで、やっと1週間後に取り掛かる……といった具合。

 

仕事でも、年間スケジュールを「見える化」しようと、
シートを買ってきても、えっとあの仕事の出版時期はいつだっけ?
あれは、いつごろ取材するんだっけ?
と去年の仕事の状況を確認したり、これからの仕事の予定を考えたり、
たった1枚のシートを仕上げるのに、1週間以上がかかる。

 

あれ? いろんなものごとをするのにこんなに時間がかかったっけ?
と改めて感じるのが、この1月という時期なのです。

きっと、年末年始休んで、自分の心の中にちょっとゆとりが持て、
すべての作業を少し俯瞰で見れるからそう感じるのだと思います。

これが、いつもの日常に慣れてくると
次にすることを考えるだけで精一杯で、自分のことを観察できず
何にどれぐらい時間がかかっているのさえ無自覚になってくる……。

 

「何をするにも時間がかかる……」と感じることは
「ちっともはかどらない」ってことだから、
「あ〜あ」ってことなんですが、
日々の暮らしのひとつひとつを、私はこれだけ時間をかけて作り上げているんだな
という自覚は、なんとなく、いいものだな、とも思うのです。

靴を磨き終わって、毎日ピカピカの1足を履いてでかけるのは気持ちがいいもの。
そして、そうなれば、「靴磨きに時間がかかった」ってことさえ忘れてしまっています。

だからこそ、この時期に
日々当たり前に身近にあることは、それを作り上げた時間の積み重ねの結果……
と感じることは、いいことかなあと。

そう思えば、さもない1日1日もとても愛おしくなってくるような気がするのです。

 


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