我が家の確かさ

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先日、大阪の梅田蔦屋書店で「キッチンで読む、ビジネスのはなし」の
トークイベントを開催いたしました。

カオリーヌ菓子店のかのうかおりさんに来ていただき、
かのうさんがチーズに興味を持ったきっかけから、チーズを学ぶプロセス、
そしてチーズケーキが生まれるまでお話を伺いました。
3人のお子さんがいらっしゃるかのうさん。
仕事と家事と子育てのバランスを取るのが一番大変!
でも、「私が一番大切にしているのは家族です」ときっぱり!
夕飯後はパソコンを開かないようにしているのだとか。

優先順位をきちんと決めた生活は、
自分が大切にしているものが決してブレずに、
清々しいものなんだなあとお話を聞きながら思いました。

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せっかく大阪に行くのだからと、
その前にちょっと京都に立ち寄りました。
京都の街中は、人があまりにも多くてびっくり!
はなしには聞いていたけれど、想像以上でした。
そこで、街を通り抜け、北区西賀茂にある正伝寺へ。
デビット・ボウイが愛したお寺で、焼酎のコマーシャルを撮るときに
「ここがいい」と指定したのだとか。

バスを2回乗り継いで到着すると、街中の喧騒が嘘のように
しんと静まり返り、ゆっくりとした時間を過ごすことができました。

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取材でも、旅でもそうですが、
知らない場所に出かけ、知らない風景に出会って、
初めての人と会い、いろんな刺激をもらいます。

それはそれでとても楽しいのだけれど、
家に帰り着くと、「あ〜、やっぱり家がいいなあ」と毎回思います。

好きなときに、自分が好きな香りのお茶を入れ、
お菓子箱の中に入っているおやつを取り出して食べることができるし、
私の頭の中がそのまま積み重ねられているぐちゃぐちゃの書斎で原稿を書くのが
一番はかどります。
使い慣れた鍋で料理をし、いつもの器でご飯を食べ、
いつものベッドで眠る…….

そんな我が家での時間が、私を支えてくれているのだなあと
旅から帰るたびに思います。

毎日仕事に出かけても、ほとんど寄り道せずにすぐに家へ帰ります。
あの展示会に行ったほうがいいかな、あそこの個展見に行きたいな、
と思っても、用事を済ませたら、とっとと帰りたくなります。

根があまり社交的でなく、怖がりで、自分の足元が確認できていないと不安になる……。
そんな私にとって「家」は何より確かな居場所のようです。

居場所があるから、出かけて、いろんな出会いを楽しむことができる……。
ずっと家にいると、その幸せを忘れがちだけれど、
こうやって、数日外に出かけると、
我が家の確かさをしみじみ感じます。

 

 

みなさま、よい1日を!

 

 


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