「何かを始めたいけれど、それが何かがわからない」と言っていたのに。

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東京はぐんと暖かくなり、花粉が飛んでいるようで、鼻がムズムズし始めました。
いよいよ春ですね〜!

上の写真のリースは、先日の「おへそパーティ」の時に、誌面でもご紹介した
横瀬千里さんが持って来てくださったものです。

帽子を入れるような、黒い丸い素敵な箱に入っていて、
フタを開けたら、おもわず歓声をあげました。
なんて可憐で可愛いんでしょう!

ドライフラワーを「かわきばな」と呼び多くの人に伝えている、
栗城三起子さんの元で学んだという横瀬さん。
このリースもドライフラワーで作られています。
可憐で可愛らしいけれど、どこかしっとりと落ち着いているのは、
ドライにする、という行程を経ることで、
そこに時が降り積もっているから。

小さな小さなゼンマイが春の訪れを告げてくれるよう。
「完成してからも、色が少しずつトーンダウンして
作品として深みを増していくんですよ」
と取材の際に教えてくださいました。

 

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実は、横瀬さんはこの「おへそ」より前に
このサイトの「いちだ&さかねの往復書簡」をお願いしていた
坂根美季さんからご紹介いただいて、
インテリアの取材をさせていただきました。

その時には、ドライフラワーなんてまったくはじめておらず
専業主婦でした。
「これから何かを始めたい」「でも、それが何なのかわからない」
とおっしゃっておりました。
部屋は隅々まで掃除が行き届き、きちんと片付いて、家族のためにパンを焼き……。
「パン教室でも始めようかなあ?」とおっしゃっていた気がします。

それからしばらくして、我が家でワークショップを開いた時に
坂根さんと一緒に来てくださいました。
その際、ドライフラワーを始めたと聞いてびっくり!

自分が出会ったドライフラワーが、どんなものなのか、
一生懸命説明してくださる様に
「ああ、『これだ!』っていうものを見つけられたんだなあ〜」と感じました。

2年間栗城先生のレッスンに通い、
ご自宅でドライフラワーのアトリエ「Tsuki Hi」を立ち上げるまでの
スピードの早かったこと!

人は自分が心の底から求めているもの、自分が夢中になれるもの、
それを人に伝えていきたいと願うものに、出会うと、
こんなにも力が出るものなんだ、と目の前で見せていただいた気がします。

 

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「暮らしのおへそ vol27」の取材で伺って、お話をよく聞いてみると、
そこにはご主人の大きな協力がありました。
パンを焼くのも、1週間分の食材の買い物も、すべてご主人に「お任せ」。
もともと家のことを手がけることが好きなご主人も
自分のやり方を研究しながら、パンを焼く姿が楽しそう!

「おへそパーティ」にはご主人とお子さん達も一緒に来てくださったのですが、
みんなが「あのパンを焼く、素敵なイケメンのご主人に会えるなんて!」
と人気者になっておりました!(笑)

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いただいたリースの美しさ、完成度を見たら、
横瀬さんの出会った「ドライフラワー」という道が
本物だったのだなあとしみじみ思います。

誰もが、「これ」というものをすぐに手にできるわけではないし、
ずっと探し続けている人もいるけれど、
「何かを始めたい!」と渇望する心があれば、
こんな出会い方をすることもあるのだなあと思いました。
人が変わっている様子を目にすると、本当に感動します。

我が家のリースが時とともに色を変え、どんな姿になっていくか楽しみです。

 

 

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